第45話「海外勢力、本格奪取作戦開始」
それは、同時に来た。
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「第一採掘区画、異常発生」
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「輸送ライン、通信断」
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「データセンター、外部干渉検知」
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一条朔也の報告が重なる。
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本邸の空気が、一瞬で戦場に変わる。
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「……来たな」
業高が低く言う。
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「三点同時です」
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一条の声は冷静だった。
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「狙いは分散ではありません」
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一拍。
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「主軸の切断です」
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神崎が頷く。
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「本命です」
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テストではない。
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奪取作戦。
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「どう動く」
業真が問う。
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一条が即答する。
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「予定通り分離対応」
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神崎が補足する。
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「一箇所に集中させません」
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それが今回の防御の要。
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同時攻撃に対して、
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同時対応。
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「黒瀬」
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「現場対応に入っています」
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すでに動いている。
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御影資源開発・第一採掘区画。
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夜。
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前回とは違う。
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数。
装備。
動き。
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すべてが段違い。
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「……多いな」
黒瀬が呟く。
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「十以上」
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部下が答える。
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「分散侵入」
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単純な突破ではない。
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内部撹乱と奪取の同時進行。
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「止める」
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黒瀬は迷わない。
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動く。
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速い。
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一人。
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無力化。
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次。
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連携。
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崩す。
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「奥に行かせるな」
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「了解」
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戦いは短い。
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だが濃い。
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侵入者の一部が奥へ進もうとする。
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だが――
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止まる。
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「ライン封鎖完了」
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黒瀬の部下が言う。
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「いい」
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黒瀬が短く返す。
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輸送ライン。
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「通信復旧」
山吹悠斗が言う。
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「妨害来てたな」
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「ルート切替済み」
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鷹宮豪臣が頷く。
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「止まらん」
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分散が効いている。
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一つ止められても、
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全体は止まらない。
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データセンター。
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「侵入ログ確認」
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一条が操作する。
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「外部からの直接アクセス試行」
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一拍。
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「弾いています」
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国家側のシステムが連動する。
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「防御成功」
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短い言葉。
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だが、
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大きい。
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本邸。
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「全域、持ちこたえています」
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一条が報告する。
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業高が笑う。
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「止めたか」
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神崎が静かに言う。
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「いいえ」
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一拍。
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「“通さなかった”だけです」
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その違いは大きい。
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完全勝利ではない。
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だが――
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目的は守られた。
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海外側。
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「失敗か」
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男が言う。
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「はい」
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「……いや」
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一拍。
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「確認はできた」
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その目は冷静だった。
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「どこまで守れるか」
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そして――
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「どこが限界か」
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完全な失敗ではない。
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次のための情報。
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本邸・夜。
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「今回は防いだよね」
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業継が言う。
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『はい』
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「でもまだ終わってない」
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『はい』
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当然だった。
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一度来たものは、
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必ずまた来る。
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しかも、
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もっと強く。
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「ねえアーク」
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『はい』
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「これ、ずっと続くかと思う?」
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一拍。
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『高確率で継続します』
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業継は小さく笑う。
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「だよね」
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簡単には終わらない。
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資源。
技術。
ナノマシン。
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全部が、
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世界レベルの価値。
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だから――
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奪われる。
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「じゃあさ」
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一拍。
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「守りきるしかないよね」
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『はい』
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それが答えだった。
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本邸。
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「国家側も評価しています」
一条が言う。
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「どうだ」
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「“実戦可能”と」
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神崎が頷く。
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「これで本格対応に移れます」
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業真が静かに言う。
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「いい」
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一拍。
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「次だ」
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それだけ。
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戦いは終わっていない。
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むしろ――
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ここからが本番。
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御影資源開発は守られた。
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ナノマシンも守られた。
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だが、
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それは一時的なもの。
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九条業継は、
その中心で、
静かに理解していた。
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これは終わりではない。
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始まりだと。




