↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニャンてこった!異世界転生した元猫の私が世界を救う最強魔法使いに?  作者: ざつ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/31

第12話:世界を救ったのは、ただの猫だった件。-2

一方、魔王軍の兵士たちは、魔王の力の衰えと、リリアーナの予測不能な行動に混乱し、その動きが鈍った。彼らの士気は、急速に低下していく。魔王の絶望的な叫びが、彼らの心に響き、戦意を失わせていく。


ゼノスは、魔王の絶望を目の当たりにし、顔面蒼白になった

。彼の信じていた魔王の計画が、目の前で、あまりにもあっけなく崩れ去っていく。


彼の脳裏には、魔王が語った「大いなる冬」の予言と、それを乗り越えるための壮大な計画が、走馬灯のように蘇っていた。それら全てが、目の前の少女の無邪気な行動によって、塵と化していく。


「魔王様…!あの女は、魔王様の力の源を…!何という恐るべき力…!これは、我々を内部から崩壊させるための、巧妙な戦略に違いありません!魔王様の全てが…!我々の『大いなる冬』への備えが…!全てが…!」


ゼノスは、リリアーナの行動が、魔王の計画を完全に破壊していることを理解した。しかし、リリアーナは、ただ「遊び」に夢中なだけだ。彼の絶望的な叫びは、リリアーナの耳には届かない。


リリアーナは、最高の「おもちゃ」を見つけたことに夢中だった。

彼女は、さらに勢いをつけて「魔力の核」を転がし続けた。核から飛び散る光の粒子は、貯蔵装置の空間全体を光で満たし、やがて、その光は収束し、魔力の核は、まるで役目を終えたかのように、輝きを失い、小さな、ただの石へと戻っていった。


その石は、何の変哲もない、ただの丸い石だった。


「ニャー…(あれ?もう終わりニャ?)」


リリアーナは、光を失った核を、少しだけ不満そうに見つめた。

最高の「キラキラ」が、急につまらなくなってしまった。


まるで、電池が切れたおもちゃのように。彼女は、その石をポイと放り投げた。その石は、地面に転がり、誰にも気づかれることなく、隅に転がった。


その瞬間、魔王シエルは、完全に力が抜けたかのように、その場に崩れ落ちた。

彼の全身から、魔力が完全に失われ、小柄な体は、さらに小さく、弱々しく見えた。


彼の瞳からは、光が失われ、ただ虚空を見つめている。


「ああ…私の備蓄が…!全てが…!私の…私の世界が…!なぜ…なぜこんなことが…!私は…私は一体…何を…」


シエルは、絶望の淵に沈んでいた。

彼のリスとしての本能が、冬の備蓄を全て失ったことを告げていた。


それは、彼の存在意義そのものが失われたことを意味していた。

彼は、もはや戦う力も、立ち上がる気力も残っていなかった。ただ、虚無感だけが彼を包んでいた。


魔王軍の兵士たちは、魔王の絶望的な姿を見て、戦意を完全に喪失した。

彼らは、武器を捨て、その場にひざまずいた。

抵抗する者も、逃げ出す者もいない。

ただ、呆然と、目の前の光景を受け入れている。


「魔王様…!」


ゼノスは、魔王の傍らに駆け寄り、その姿を見て、涙を流した。

彼の信じていた「世界を救う計画」は、目の前で、あまりにもあっけなく終わりを告げたのだ。

彼の心は、絶望と、そして魔王への深い同情で満たされていた。


「魔王様…!申し訳ございません…!我々の力が及ばず…!このゼノス、魔王様をお守りできませんでした…!しかし、魔王様の崇高な御心は、決して無駄にはなりません…!」


その頃、魔王城の外部では、王国軍が城内へと突入し、魔王軍の残党を制圧していた。

勝利の雄叫びが城中に響き渡る。


アリアは、魔王城の最深部へと急いでいた。

彼女の心には、賢者リリアーナへの感謝と、世界を救ったという達成感が満ちていた。


「リリアーナ様!ご無事ですか!?魔王は…魔王は討ち滅ぼされましたか!?」


アリアが、貯蔵装置の空間に飛び込んできた。彼女の目に映ったのは、光を失った魔力の核を前に呆然と立ち尽くすリリアーナと、その傍らで絶望に打ちひしがれる魔王シエル、そしてその側近ゼノスの姿だった。


「リリアーナ様…!貴方様が、魔王を…!やはり、貴方様は、この世界の救世主でございます!この世界は、貴方様によって救われました!」


アリアは、リリアーナに駆け寄り、深々と頭を下げた。兵士たちも、それに倣ってひざまずく。彼らの顔には、畏敬と、そして希望の光が満ちていた。彼らは、リリアーナの「神業」が、世界を救ったのだと信じて疑わない。


リリアーナは、ひざまずく人間たちを前に、ただ困惑していた。


「ニャー…(なんでみんな、急にひざまずくニャ?)」


彼女の頭の中は、ただ「最高のキラキラが、急につまらなくなっちゃったニャ…」という、猫らしいシンプルな思考でいっぱいだった。


彼女は、自分が世界の救世主になったことなど、夢にも思っていなかった。

ただ、邪魔な「うるさいネズミ」がいなくなり、快適になったことに満足していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その他の作品もぜひ!
■ガイア物語(代表作)
 壮大な異世界ファンタジーサーガ 同時並行的に複数のストーリーが展開します
■異世界グルメ革命! ~魔力ゼロの聖女が、通販チートでB級グルメを振る舞ったら、王宮も民もメロメロになりました~(週間ランクイン)
 魔力ゼロの落ちこぼれ聖女が、B級グルメへの愛だけで本当の聖女になっていく話
■ ニャンてこった!異世界転生した元猫の私が世界を救う最強魔法使いに?
 猫とリスの壮絶でくだらない、そして世界を巻き込んだ戦いの話
■ 時間貸し『ダンジョン』経営奮闘記
 異世界でビジネススキルを使い倒す異色ファンタジー!
■ 幻想文学シリーズ
 日常に潜むちょっとした不思議な話。ちょっと甘酸っぱい話。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。