96/100
赤茶けた鉄塔の下で
夕陽に赤茶けた鉄塔が長く影を落とす。かつて僕は、その影の下で彼女が来るのを待っていた。
彼女の転校の日、僕はこの鉄塔に片想いの彼女を呼び出した。けれど彼女は訪れず、伝えられなかった想いだけが胸に残った。
「ごめんなさい」
隣に立つ再会した彼女が言う。あの日は親の都合で引越しの出発が早まってしまった。そう話す彼女はもう結婚していた。
だから僕は言う。
「好きでした」
「ありがとう」
泣き笑う彼女。
僕の胸が晴れた。
夕陽に赤茶けた鉄塔が長く影を落とす。かつて僕は、その影の下で彼女が来るのを待っていた。
彼女の転校の日、僕はこの鉄塔に片想いの彼女を呼び出した。けれど彼女は訪れず、伝えられなかった想いだけが胸に残った。
「ごめんなさい」
隣に立つ再会した彼女が言う。あの日は親の都合で引越しの出発が早まってしまった。そう話す彼女はもう結婚していた。
だから僕は言う。
「好きでした」
「ありがとう」
泣き笑う彼女。
僕の胸が晴れた。