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プロローグ
かつて魔法とは、血筋だった。
王族には王族の魔法があり、貴族には貴族の魔法がある。
魔力の量は生まれた瞬間にほとんど決まり、優れた魔法を使える家系は、その技術を一族の中だけで継承してきた。
魔法陣を描ける者。
魔力を扱える者。
高度な術式を理解できる者。
そのどれもが、才能と血統によって囲い込まれていた。
だが、時代は変わった。
魔法を研究する学者が現れ、魔法陣を商品として売る商人が現れた。
魔石を採掘・加工し、魔道具を量産する工房が生まれ――魔法を「産業」として扱う者たちが現れたのだ。
王都では毎日のように新しい魔法会社が生まれ、投資家たちは次の巨大市場を探して金を動かしていた。
新しい魔道具。
新しい魔法薬。
新しい魔石加工技術。
新しい物流システム。
魔法を一つ発明すれば金になる。
人々はそれを――『大魔法産業時代』と呼んでいた。




