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不撓のグリット  作者: おちゃペン
第一章
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17.神に嫌われた子

「俺、別にここの団に入るとは……」


 本当は衛兵登録をして、魔獣の核や人の依頼をこなして慣れてきたら団に入るつもりで団に入るつもりはなかったのだ。


 その瞬間ノーズの手が下がり呟く。


「あれ……確かに入るって言ってなかったような……」


 少し驚いた後ノーズは落ち込んで俯きながら呟く。正気を取り戻したかのように急に落ち込み始めた。次第に顔や空気が暗くなった。


「そうだよな…ごめんな勝手に喜んで」


 ノーズは地面に座り込んで地面を指でなぞりいじけていた。


「わかったよ…入るよ」


 正直気は進まないがここまで落ち込まれると拒否しづらい。


 まぁ将来的には衛兵団には入る予定だったし予定が早まっただけだ。ルールや常識は後々覚えていけばいい。


「やったぜ!!!」


 さっきまでの落ち込みが嘘だったかのように元気に飛び跳ねた。


「うるさいよ!何をしてんだい」


 おばさんがドアを勢いよく開けてノーズの頭を叩いた。服装を見るに掃除をしていたようだが、ノーズの頭を叩く直前まで足音どころか気配すらなかった。


 魔力やオーラは込められてなさそうだったが叩いた音は部屋中に響き渡りノーズの頭には大きなたんこぶができていた。


「ばぁちゃん叩かないでよ!」


 ノーズはたんこぶを抑えながら涙目でおばさんを睨みつけるが、おばさんは何事なかったかのように無視する。


「あんた怪我は大丈夫かい?」


「はい。かなり楽になりました」


 近寄ろうとベットから降りようとした瞬間足に力が入らず倒れてしまった。壁を掴んで立とうとしても力が入らず立てなかった。


「なぜ……」


『魔力を限界を超えて消費したせいで魔力を流すために使った組織がボロボロになってるんだ』


 さっきまで寝てた聖剣が脳内に語りかけてくる。聖剣は体が元通りになるには一週間以上体を休めるか、神聖力で治癒する必要があると説明した。


 ノーズの手を借りてベットに戻って体を休める。


 その後少し落ち着いてみんな居なくなった後、魔力を全身に流せるか試してみても魂から心臓までは常時流せるが組織が壊れているせいで全身には全然流せない。


 必死に流そうともがいていると団長と女性が入ってきた。白い服に金色の装飾を纏っており十字架のネックレスを手に持っていた。


「そのすまんな…やりすぎた」


 団長が気まずそうに苦笑いしながら話しかけてながら頭を下げてきた。


 団長が言うには大した根性がないやつと思い、叩き直そうとした際に多少の怪我しか負わないだろうと思った攻撃が想像以上に通ってしまったらしい。


「大丈夫ですよ。この通り元気ですから」


 苦笑いで右手を上げてガッツポーズをとり、元気だと証明する。だが手は震えており力が込められないせいで手は完全に握れていなかった。


「嘘つけ。俺も一応は大人だ。責任はちゃんと取る。頼みます」


『こいつ神官だな』


 神官

 神の祝福を貰うことで治癒やバフをかけられる神聖力を使うことができる。神聖力は神に愛されてるものしか使うことができないので一部の国では貴族より身分が高い。


「始めますね」


 俺の手を掴み神に祈りを始める。祝福が神官に集まろうとした瞬間、祝福が消えた。先程まであった祝福の光は無くなってしまった。


「これは……」


 思わず言葉を漏らす。


「神があなたのことを拒絶しています…」


 神官が絶望したような声で言う。祝福は神に愛されてる者にしか授けられないが、祝福を受けた者が祝福を受けてないものに神聖力を分け与えるのは普通は大丈夫だ。


 だが例外がある。それは神に嫌われている場合だ。犯罪者でも神に嫌われるものはいない。現に神に嫌われているものはこの長い歴史の中で数人しかいない。


「マジかよ……」


 サンペリウスはポツリと呟き、頭を抱える。神に嫌われてる。それは神聖国家にとっては指名手配犯よりも処すべき対象である。恐らくこのままだと俺は神聖国家に捕まって死刑されるだろう。


 そう考えていると神官がパタリと急に倒れた。


 その瞬間影から黒い服を着た男が現れた。その男はポッケから変な液体が入った瓶を取り出してその中の液体を神官に飲ませた。


「安心しろ…これがあればちょっと前までの記憶は消える」


 飲ませながらゼクルムは淡々と告げる。


「はぁ…何をしているだ……バレたらどうする」


 団長が頭を抱える。この様子を見るにこの影の人が勝手な行動をするのはいつもの事なのだろう。


「いつも通りどうにかしてくださいよ。団長」


 謎の男は瓶をポッケにしまい、神官の口から少しこぼれた液体をハンカチで拭いた後、静かに俺の目の前まで歩いてきた。


 少し身構えると謎の男は静かに手袋を外して右手を差し出す。


「ゼクルムだ。よろしくな」


 白く痩せこけた手はどこか不気味で美しくも見えた。


「サリバーンです。ゼクルムさん…よろしくお願いします」


 こちらも手を伸ばして握手する。


 この日サンペリウスは狼魔傭兵団に入団した。






「予言の子はまだ生きていたのか!」


 謎の存在達で一人声を荒らげる。

 

「まぁ落ち着くんだい。元はと言えば奴があんな事をしたせいだ」


「そんなやつより早く殺す準備をしろ………予言の子を」





























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