第十九節 シロウ
第十九節 シロウ
「今日お母さん殺して来た」
前回、とんでもない殺伐としたセリフを吐いてきたシロウ――。
今回はそのシロウの生態を探る為に、彼の日常に密着してみた。
とある朝、グループホームの利用者Kはいつもの様にデイナイトケアを受けに〇×病院に通っていた。するとー―、
「あいいぃぃいいい!」
「!?」
いつしか、ついにKが精神病棟に入院し、退院した後、デイケアに通うようになっていたのだった!!(それにしてもkだらけだなこの小説)
この後ろ美人、Kにシロウは目を付けたのだった。シロウはKの前に立ちふさがる。
「ザンッ」
「あいー?」
カナエはハテナ顔だった。次いで、シロウは間髪入れずに口を開いた。
「君、相撲好き?」
「!?」
「これ、相撲取り図鑑。これは相撲取りカード。見る?」
「!!?」
「パッシーア!」
更にシロウは、今にもハミ出しそうな自分の腹を平手で叩いた。関取の真似をしているのか?
「!!」
流石のKも舌を巻いた。
シロウは他人のパーソナルスペースに土足で踏み込むのが得意だった。というより、パワー系のコミュ障だった。
「あいー、遠慮ちときまふー(コイツ、只者じゃねぇな……。世間に出る前に消しておくか……?)」
Kは表向きは不思議ちゃん系だったが、胸中は物騒なコトを考えていた。
翌日――、
「あいいぃぃいいい! このひろれすー」
Kはk氏をデイケアに呼んで来た。k氏も患者だったのな。
「ん?」
シロウはKに指さされたが、状況をまだ把握しきれないでいた。k氏がシロウに向かって言う。
「テメェ、何他人の女に手ぇ出してんだ!? 死にたいの?」
「うん」
シロウは死にたい……? のか? 恐らく、売り言葉に買い言葉だった。
「殺すよ?」
「……」
「……」
数秒間、静寂が辺りを包んだ。遂にシロウが口を開く。
「ヒエー!! 殺されるー!!!!」
シロウは豚の様な鳴き声を発し、スタッフルームへ走って行った。
「ぶっ」
その滑稽さからk氏には笑みがこぼれた。
――、
「僕入院するよ」
デイケア中、シロウが看護婦さんに入院宣言した。
「どうして? せっかくこれまでデイケア通えて、元気にできてたのに」
「じゃあ僕は自殺するよ」
「!? え?」
「僕みたいな奴は自殺すればいいんだ……チクショー!!」
シロウは走り出した。明日へ向かって――。
一同がデイナイトケアに通う病院、入院病棟にて――。
シゲミと、看護婦さんの小田谷さんが何か話し合いをしている。
「シゲミさん、入院して3年くらいだねー」
「くぅん」
シゲミは力なく答えた。
「そうだ! デイナイトケアを経験してみない?」
「!?」
どうなるシゲミ!?




