表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひまわりの憂鬱  作者: ゆずこ
9/9

 アルメティアはガートルドから、アカデミー内での出来事を聞かされる。

ミーアに、本当はその気などなかったかもしれない。だがしかし、一瞬であったが、ミーアの思いつめた表情と回廊庭園で会話すらしなかったアルメティアに接触しようなど、悪い予感しかしなかったという。




「ミーア殿下は、本当にガートルドさまをあきらめて自国へ戻られたのでしょうか」

「どうだろうか。でも、あの時のミーア殿下の行為が、王族にあるまじき行為と、そうとう堪えたらしい」


 ガートルドはリックス邸の侍女が準備してくれた紅茶に口をつけた。




「彼女は、自分の立場やユーリッヒ国を大切にしていたように思う。まあ、暴走していた部分もあるかもしれないが、大方俺と婚姻を結ぼうと画策していたのも、メイデン国とのパイプにしようと思ったんだろうな」

「そこまでの立場がありながら、なぜあんな」



 あれは、ガートルドのおかげで未遂に終わったが、一歩遅ければアルメティアは怪我だけでは済まなかっただろう。


 階段の一番上かた落ちるなど、想像しただけでも恐ろしい。



「母が…王妃が言うには、嫉妬は恐ろしい、とのことだ」


 

それはそうと…と、ガートルドは続ける。



「ティアの未来視と、大きく変わった結末だが」

「ええ。わたしもずっと考えていたのですが、答えは見つかりません。でも、ガートルドさまが以前おっしゃったように、予兆として鮮明に見えた事象だったのでしょう。わたしが、家族や王家の皆さまに真実を告げたことで、少し先の未来が変わったのかもしれませんね」

「そうだな。これからも恐ろしい未来を見てしまったら、共に変えていこうか」

「ぜひに」



 ふたりでくすりと笑いあうとガートルドはアルメティアの手を、そっと握った。


「ティアのその力はは、きっとまだ不安定だろう?」

「そうですね。まだ何がきっかけで、どのタイミングの未来を見るのか、はっきりしてません」

「王家にも、代々未来視のことは語り継がれているのだが、やはり、最初の頃は見える未来も酷く不安定だったりするようだ。だが、お互いに想いあって情が深まると、より二人に関係した未来が見えるらしい」



 だから、未来視の能力がある令嬢と王族が婚姻を結ぶんだと、ガートルドは続けた。

そこでふと、アルメティアは思い出した。過去に二回未来視の能力で見ることができたきっかけは、どれもガートルドに触れた時ではないか…?



夜のテラスでワルツを踊り、アカデミーでぶつかって腕をとられた。






 これから、二人で過ごす年月を重ねることで、お互い触れ合う時間が増えていく。ならば彼との未来も、次々に見えていくのだろう。



「ガートルドさま」

「何か?」

「末永く、よろしくお願いいたします」


アルメティア:正式に婚約して1年後、アカデミー卒業を間近に控えたある日、ガートルドとの間に子どもを授かる未来視をし、卒倒。

ガートルド:ティアと二人になりたいのに、義兄のゼルドに邪魔される。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ