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1ミリの光線しか出せない私が、能力ランキング22位を殺した日から全てが始まった  作者: eutoria


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第39話 裏切り者

レイが目を覚ます。


身体中が痛い。


頭もぼんやりする。


視界に映ったのは。


知らない男の顔だった。


太っている。


そして。


自分はその男に抱えられていた。


「大丈夫?」


男が心配そうに聞く。


レイは反射的に右手を向けた。


「誰!?」


光線を放とうとする。


すると。


「待って待って!!」


男が慌てる。


「僕味方!!」


「味方だから!!」


必死だった。


その様子を見て。


レイは逆に警戒する。


その時だった。


「レイさん!!」


マッドの声。


「彼は味方です!!」


振り向く。


マッドがいた。


フォーサもいる。


二人とも無事だった。


レイは安堵する。


良かった。


ギルに連れ去られていない。


すると。


マッドが説明した。


「彼は第59位だそうです」


レイが固まる。


第59位。


頭の中で情報が繋がる。


そして。


叫んだ。


「まさか!!」


男を指差す。


「ライゼンとアクアの息子!?」


マッドとフォーサも驚く。


男は笑った。


「そうだよ」


軽く手を振る。


「僕の名前はスエルテ」


にこにこしている。


「王子だよ」


レイは信じられなかった。


王。


ライゼン。


女王。


アクア。


あの二人から。


こんな男が生まれるのか。


世の中は不思議だ。


レイは一呼吸する。


「今どういう状況?」


マッドが答えた。


「ギルの攻撃を受けた時」


「僕がフォーサの力を借りて」


「建物の一部を泥にして衝撃を抑えました」


レイは思い出す。


巨大な拳。


建物の崩壊。


あの攻撃だ。


「ですが」


「数が多すぎて、瓦礫の下敷きになりました」


「そして僕たちが動けないとき」


マッドはスエルテを見る。


「彼が助けてくれました」


スエルテが笑う。


「大変だったよー」


全然大変そうに見えない。


「今は高い場所へ向かってるところだよ」


フォーサも頷いた。


スエルテが続ける。


「ちなみに」


「君たちの仲間も無事だよ」


レイの目が開く。


ペーパー。


生きている。


「よかった……」


思わず呟いた。


しばらくして。


四人は建物の屋上へ到着する。


そして。


戦場を見下ろした。


ドォォォォン!!


巨大な爆発音。


遠くで響く。


しかも二か所。


レイは目を凝らした。


一つ目。


雷。


影。


能力ランキング第15位。


ライゼン。


能力ランキング第19位。


クロエ。


二つの陣営の頂点が激突していた。


もう一つ。


巨大兵器。


能力ランキング第30位。


ギル。


そして、相対している男。


レイが呟く。


「あれは……?」


スエルテが答える。


「第27位のロアだね」


能力ランキング第27位。


ロア。


こちらも激戦だった。


スエルテが呟く。


「どっちも関わりたくないねぇ」


レイたちは無言だった。


確かにその通りだ。


あの二か所だけ別世界。


怪物同士の戦いだった。


それ以外の戦場を見る。


戦況は変わっていた。


ディバイドたちは押されている。


巨大な水流。


次々と敵を飲み込む。


女王。


アクアだった。


能力ランキング25位。


圧倒的だった。


つまり。


あの二か所が終われば。


戦争は終わる。


平和が戻る。


マッドが口を開く。


「僕たちはもう休みましょう」


当然の提案だった。


全員満身創痍だ。


だが。


レイは首を振る。


「だめよ」


強い声だった。


マッドが驚く。


レイはフォーサを見る。


「ギルは私たちが倒さないと」


そして。


言い切った。


「フォーサのお父さんの仇でしょ!!」


フォーサが拳を握る。


そして。


強く頷いた。


マッドはため息を吐く。


「仕方ありませんね……」


結局。


頷いた。


スエルテは手を振る。


「いってらっしゃーい」


のんびりしていた。


レイは思う。


本当に。


本当に。


あの二人の息子なの?


期待外れにもほどがあった。











ロアは閉じた土壁を見ていた。


静かだった。


おそらく。


死んだ。


そう思う。


だが。


嫌な予感が消えない。


胸騒ぎ。


経験が告げている。


終わっていない。


その時だった。


バキッ。


土壁に亀裂が走る。


ロアの目が細くなる。


バキバキバキッ!!


亀裂が広がる。


まさか。


次の瞬間。


ドゴォォォォォン!!


土壁が吹き飛んだ。


中から現れたのは。


全身を薄い金属で覆った男。


ギルだった。


ロアが息を吐く。


「やはりな」


ギルが笑う。


血まみれだった。


それでも立っている。


「金属はな」


拳を握る。


「叩くと硬くなるんだよ」


加工硬化。


金属が衝撃によって硬度が増す現象。


ロアは理解する。


土壁による圧縮。


それを利用したのか。


ギルが地面を蹴る。


突進。


速い。


間に合わない。


ロアが命を諦めた瞬間。


ガキン。


透明な壁が現れる。


ギルの拳が止まった。


「あ?」


ギルが眉をひそめる。


透明なガラス。


黒いフードの男が立っていた。


ロアが振り返る。


男は申し訳なさそうに頭を下げる。


「す……すいません」


気弱な声。


「遅れました」


ロアが少し笑う。


「助かった」


男がフードを外した。


周囲の能力者たちが固まる。


誰もが知っている顔。


能力ランキング第37位。


ミラー。


能力『反射障壁』


能力至上主義の国。


三番目の実力者。


ディバイドの一員だった。


周囲が騒然となる。


「嘘だろ……」


「ミラーが……?」


「なんで……」


誰も信じられなかった。


ギルは笑う。


「なるほどな」


拳を構える。


「面白くなってきたじゃねぇか」


第27位。


第30位。


第37位。


三人の上位ランキング者が。


同じ戦場に集結した。






--






能力至上主義の国

15位 ライゼン 『雷神化』

25位 アクア  『海王化』

49位 ストーム 『槍』    死亡

59位 スエルテ 『無能力』

70位 フレイム 『火炎球』  死亡

81位 ミント  『軽度治癒』

88位 ペーパー 『紙変形』

96位 スパーク 『光電』   死亡


ディバイド陣営

19位 クロエ  『影喰い』

27位 ロア   『地殻操作』

36位 ファング 『獣王化』  死亡

37位 ミラー  『反射障壁』

67位 トレイル 『嗅覚追跡』 死亡


ギル陣営

30位 ギル   『金属融合』

62位 ナギ   『水流操作』 死亡

99位 ミスト  『湿度操作』

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