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メモリーメドレー  作者: 秋猫シュガー
一章・失くした君へ
6/7

事件

 灯夜と明花は加代達と別れ家に続く道を歩いていた。

「ねえ、お兄ちゃんはあのお化けとか見ても怖くないの?」

「ん?あぁ、何でだろなあいつらは初めて見るはずなんだが恐怖よりも助けたいって気持ちになるんだ」

「助けたい?何で?」

「何でだろ……う~ん」

(わからない、どうしてこんな気持ちになるのか、どうして記憶がないのか、それもこれも自分の過去が原因なのだろうか)

 灯夜の渦巻く不思議な気持ち、その真実を消すように夕日は沈んでいった。

 そして夜、風呂を終えた灯夜が自分部屋の扉を開けると、露出度の高い服を着たネコミミと尻尾が付いた少女がいた。

「よっす、夜這いに来たっすよ~」

「だったら帰れ」

 灯夜のベッドの上で誘惑するようなポーズをする少女の名前はクロすけ。真保の相棒であり何故か昼は黒猫、夜は少女の姿なっている。

「釣れないすね。やっぱり胸がデカイ方が良いっすか?合法でここまでの貧乳は希少価値っすよ」

 そう言いながらクロすけは自身の胸を大きくしたりしていた。

「いや、胸とかは関係無いぞたぶん」

 灯夜は何故かクロすけの姿を見ても何も感じなかった。

 それがクロすけだからなのかは灯夜自身もわからない。

「で、用はなんだ?」

 前回のように明花が来て倒れられたら嫌なので灯夜は早めに要件を聞くことにした。

「いや~今日の事で灯夜さんや明花ちゃんが精神面的に大丈夫かどうかの確認っすね。加代ちゃんがトイレに行った時に警戒はしてたんすけど、……まさか明花ちゃんがいるとは予想外っす。しかも今回のはすこし強い方のだったし、初めての戦闘で大丈夫かな?と思い参上した感じっす」

「なるほど」

 今回のような戦闘は自分も明花も初めてだった。

 しかし自分は恐怖で体が動かない事もなかった。明花も大きな恐怖は無さそうに見えた。

「俺も明花も重症まではいかない程度だと思うし大丈夫だよ」

「なら良かったっす。じゃあ次は……」

 クロすけはそう言うと灯夜の腕を引き押し倒すような形にした。

「イチャイチャしましょうっす!」

「なんでそうなるんだよ!」

 そして立ち上がろうとする灯夜を引き止めようとクロすけが手を伸ばしていく。

「何やっとんじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 盛大に扉を開けて明花が飛び出してきた。

「お、来た来た」

 クロすけはそれを読んでいたかのような顔をしていた。

「今日という今日は逃がさない、絶対にニガサナイ」

「おい?明花?」

 負のオーラをまとってるのではないのかと疑うほどに自分の怒りを表している明花はポケットに手を入れると少し大きめのサバイバルナイフを取り出した。

「め、明花!?」

「あれ?ここまで行くっすか?」

 灯夜とクロすけは互いに死を覚悟した。

「ウガァァァ!」

「「ぎゃぁぁぁぁ!」」

 その後、必死に明花を押さえつけ落ち着かせ少女がクロすけだと教えた。

 明花の持っていたナイフはよく見るとゴム製ナイフであった。

「で、なんでクロすけがこんな姿なのよ」

 明花が大暴れしてから数分落ち着きを取り戻した明花がそう言った。

「そういえば、まだ聞いてなかったな」

「では、教えるっす」

 クロすけはそう言うとベッドの上で正座になりその薄い服にどうやって隠していたのかわからないが、扇子を取り出した。

「むかしむかし、この国の年号が変わるくらい前の事、とある家に白い猫が居ました。

 その猫を飼っていたのは世界で人気ブランドOGグループであり裕福な生活をおくっていました。

 けれどもその会社は裏の顔であり裏の顔は、徐霊師の末裔でー。……まあ、なんか色々あって体が黒くなり変身もできるようになったのだ……」

「話が長いしちゃんと説明してなーい!!」

 クロすけの説明に明花は突っ込んだ。


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