日々
うっすらと朝日がカーテン越しに部屋を照らす。
明花は寝返りをうちうっすらと目を開けた。
時計は5時を過ぎたところで隣には灯夜が寝ていた。
(まだ5時か……ふふっお兄ちゃんの寝顔かわいいなぁ。………………ん?お兄ちゃん?)
ガバッと明花は慌てて起きた。
「お兄ちゃんが私の隣で寝てる」
明花は自分のほっぺたをつねった。
「痛い、だったら……」
そして明花の顔が獲物を見つけた虎のようになった。
(まずは寝顔をじっくり見てと)
明花は正座をしながら灯夜の顔を目を皿のようにして見た。
(あぁ!かわいい!サイコー!うへぇへへへ)
鼻から血を流しながら明花は灯夜の頬と自分の口を近づけていく。
(これだけ、これだけだからそしたらお兄ちゃんを起こして終わり)
明花の口と灯夜の頬との距離が残り数センチになった時。
「うんん」
「!?」
いきなり灯夜が動いた。
そして明花の口と灯夜の口が一瞬重なった。
「な!なななな!お、お兄ちゃんと!お兄ちゃんとぉ!」
「ん、明花?あれここは?」
灯夜が起きた時には明花は鼻血を出しながら倒れていた。
なんか明花の様子がおかしい。
朝食もいつのより美味しそうに食べてないし、チラチラとこっちを見てるけど目を合わせようとしない。
どうしたんだろう。
「なあ明花体調悪いのか?」
「いやいや全然大丈夫だよ」
「本当か?」
「うん全っ然元気!」
そして俺たちは朝食を食べ終わり家を出た。
教室ではクラスメート達がいつもと同じグループを作り話し合っていた。
俺は記憶を失ったせいかグループの輪には入り込む勇気がなく時間がたつにつれて入り込にくくなってしまった。
俺は自分の席に座り外を見て時間を潰している。
「ねえ、白坂くんだっけ?ちょっといい?」
しかし、今日はいつも通りにはできないようだ。
呼ばれた方に振り向くと一人の少女が立っていた。
たしか、同じクラスの 西崎にしざきさんだったかな?
「えっと、何の用ですか?」
「そんなにかしこまらなくてもクラスメートなんだからタメ口で大丈夫だよ。私は西崎 加代かよよろしくね」
「よろしくお願いします」
「もう、同級生なんだからお願いしますはいらないの。じゃあ本題に入るんだけど、灯夜くんって部活の見学そんなにしてないけど入る部活決めてるの?」
「いや、まだだけど……」
「だったら私の部活に入らない?」
唐突にそんなことを言ってきた。
「この学校の部活中学生と高校生が一緒に部活をするのは知ってるよね。そのお陰でチームワークなんかが良くなってる感じだけど、やっぱり中学から部活をやってると部活を変えるっていうのは難しくてね。部員が少ない部活はきつくなっちゃうんだけど……なんと!偶然!たまたま!白坂くんが入学してきてくれてこれはチャンスと思って誘ったの!」
長々と身振り手振りで話していた加代の目は絶対に入れるという強い意思を感じる。
「えっと、じゃあ見学してみて自分に合った感じだったらで……」
「本当!やったぁ!」
そして放課後、加代と灯夜は南側にある校舎に向かっていた。
「あ、そういえば加代の部活って何部なの?」
「文芸部なんだけど、やってることは幽霊調査部みたいになってるけどね」
「幽霊」
「そう、まあ私は日本にいる妖怪や悪魔なんてのを調査してるんだけど……あ、着いたよ」
そう言って加代が足を止めたのは文芸部と書かれた教室だった。
呼ばれた方に振り向くと一人の少女が立っていた。
たしか、同じクラスの 西崎にしざきさんだったかな?
「えっと、何の用ですか?」
「そんなにかしこまらなくてもクラスメートなんだからタメ口で大丈夫だよ。私は西崎 加代かよよろしくね」
「よろしくお願いします」
「もう、同級生なんだからお願いしますはいらないの。じゃあ本題に入るんだけど、灯夜くんって部活の見学そんなにしてないけど入る部活決めてるの?」
「いや、まだだけど……」
「だったら私の部活に入らない?」
唐突にそんなことを言ってきた。
「この学校の部活中学生と高校生が一緒に部活をするのは知ってるよね。そのお陰でチームワークなんかが良くなってる感じだけど、やっぱり中学から部活をやってると部活を変えるっていうのは難しくてね。部員が少ない部活はきつくなっちゃうんだけど……なんと!偶然!たまたま!白坂くんが入学してきてくれてこれはチャンスと思って誘ったの!」
長々と身振り手振りで話していた加代の目は絶対に入れるという強い意思を感じる。
「えっと、じゃあ見学してみて自分に合った感じだったらで……」
「本当!やったぁ!」
そして放課後、加代と灯夜は南側にある校舎に向かっていた。
「あ、そういえば加代の部活って何部なの?」
「文芸部なんだけど、やってることは幽霊調査部みたいになってるけどね」
「幽霊」
「そう、まあ私は日本にいる妖怪や悪魔なんてのを調査してるんだけど……あ、着いたよ」
そう言って加代が足を止めたのは文芸部と書かれた教室だった。
「ここが私達、文芸部の部室だよ」
加代が扉を開けると目に入ったのは雑に積まれた段ボールと棚などに囲まれて部屋の中心には机とパイプ椅子があるだけの部屋だった。
「ちょっと汚い場所だけど住めば都みやこだよ。さあ!入った入った!」
加代に勧められるがままに椅子に座った。
「さて、何しよっか?」
「決めてなかったんですか……」
「まあ、色々してる部活だからね」
加代はそう言いながら棚からファイルを出して机の上に並べていって。
「過去の資料を見ればどんなことをしているかわかる!」
「見せてくれないのか」
「だって~やる気が出ないしな~」
そして俺は資料を読み漁るのだった。