第5章 銀河連邦 第01話 ヨット遭難の真実
この物語は、我々の世界とよく似た、別の世界の話である。
新型ヨットで海に出た。
2時間ばかり、帆走して、太陽が頭上にあるので、食事休憩とする。
周りは、海だけ、少々波が荒いが、問題なし。
いい天気に、塩風が心地いい。
サンドイッチと紅茶を頬張りながら、ボーとしている。
無心がいい、束の間の時間、明日には、また忙しくなる。
今、この時間を、心 無 に している。
波が急に荒くなる。
船が大きく揺れる。
船の周りにキラキラとした透明な膜ができた。
船が浮き上がる。
10mほど上がる。
海の下から、何かが上がってくる。
海面が盛り上がる。でかい。
海上に姿を現す。
1000mの円盤、黒い。
海水が円盤の形で押し出されている。
円盤も10m程、浮き上がる。
側面が凹んで、そこに、船が入っていく。
しばらくして、内部に入ると、扉は閉じ、円盤は、上昇開始。
船は、台座に停められている。
円盤は停止した様だ。
館内スピーカーから声が聞こえる。
「ようこそ、我が艦へ 艦長の シナム です。」
「拉致した事は謝りますが、これが最善でしたので、お許しください。」
「私は、銀河連邦所属 銀河系探査部隊太陽系担当で、文明の度合を調査しております。」
「空気は地球とおなじです。対面でお話を伺いたい。」
この空間は、先ほどのキラキラしたフイールドと同じで部屋全体が膜の様な物で覆われている。
薄い50cmほどの円盤が船の縁に現れた。乗れって事と理解し、乗る。
円盤は、高速で移動開始。乗っている僕は、振り落とされもしない。加速を感じない。
そうか、フイールドで保護されている、円盤内ないは1Gの下向きに固定されている。
通路を移動して、クネクネとしている視覚を見ていたら、気分が悪くなる。
地球ではあり得ない、視覚情報と体感情報が不一致して、脳がバグる。
目を瞑ると「最初は気分が悪くなりますが、そのうち慣れますよ」と、館長の声がする。
しばらくして、「目をあけていいですよ」といつの間にか10m四方に、机、椅子2つ、天井に照明
僕は部屋の隅に立っている。円盤から降りた記憶はない。
向かいに、艦長らしき人?が立っている。
人間とほぼ同じなれど、比率が縦:横=1:1? ガタイが異常だ。
よくある、ドワーフ族がピッタリ。
「移動円盤は、床に下ろした時点で、消えます。館内用ミニ転移装置ですね。」
いわゆる、刑事ドラマの取調室、ビデオカメラ付き、監視カメラもある。
再現性が高いが、部屋はグレー色なまま、そこはもう少しこだわって欲しかった。
「この方が、安心するでしょ。我々が通常使う空間は、先ほどの、クネクネなのでね。
地球人の角角は好みじゃないので。
翻訳してるが、時々、ミスりますので、その時は再確認してください。」
「では、はじめましょうか。」 お互いが、椅子に座る。
ご丁寧に、ビデオカメラONする。
ここに拘る所が、ドワーフかな。
どうせダミーでしょうに。
自分で作ったから、最後まで刑事ドラマで進めるつもりらしい。
結構これ好きだわ、憎めないね。
同じ銀河である事、相手が銀河連邦とする、多種族知性体であること。
で主題は、僕の知能指数が異常に高いと推論が出ており、原因を調べるべく、拉致した。
「あなたは、何者ですか? 銀河連邦の他の部隊の者?」
「これまでの、言動、行動は、地球人のレベルを超えている、遥かにね。」
「......と言われましても、この様な不当な扱いする方に話す事などありませんが。」
「貴方のおかげで、地球の文明が急速にあがりつつあり、予測では、百年後には、我々同等の文明になると
でています。 つまり、貴方は、私たちの脅威です。地球の歴史は同族同士の殺戮であり、束の間の平和が百年続いたら三百年戦う様な歴史。 その様な危険な種族が、急激に文明レベルを上げていれば、危険視するでしょ。」
「 種の生存本能が強いから、危険と言われても、危害を与えてもいない相手を、危険視するのが、わかりません。
百年後も危険な相手であると、断定できないのではありませんか?」
「歴史が語りますよ、あなた方の歴史がそうなんですから、たかが百年で変わるはずは確率的に見ても10%以下とマザーの判断です。」
「具体的に、何をしにきたのか、僕はどうなるのか?」
「 地球のイレギュラー状態を戻す。 原因のイレギュラー体は、排除・消去です。去勢ですね。
大丈夫ですよ、殺しはしません。頭が使えなくなるだけですが、普通の生活に支障が出ません。
回転が遅くなる程度です。
」
「 何故 そんなに軽い感じで話すのですか? 何時ものマニュアル作業みたいに。」
「その通りですよ、危険は排除しておけば、安全は保たれます。通常業務で我々は殺戮しません。」
「銀河連邦は この銀河の安全を守り、優秀な種族を残し、劣等な種族は排除する。
人類が誕生以来の活動を全てを監査し、銀河連邦評議会 中央執政官グランドAI の決定です。
人類全滅ではなく、遅くするだけですよ、キーポイントを排除するだけ。
とても、リスクが低いでしょ。 あなたにとっては、最悪ですが、人類が絶滅するより、
良い選択だと、思いませんか。
これが私の役目です。」
「全人類のために、去勢を受け入れろと?
罪と罰の概念が通じるかは、わかりませんが、結果があるから原因があるのと同等に扱われている事は、文明の先駆者としては、稚拙ではありませんか。 殺したら、その罪に相当する罰を与えることは、文明の維持に必要な判断ですが、殺してもいない相手を、危険だから、今のうち、脅威にならないうち、つまり、自分が有利な条件で相手に条件を提示しているレベルですが、対等な立場で対等な取引はしない。商売人として、教義も信頼も無い下衆な取引き相手なら、こちらも相手はしません。今脅せば、従うだろうとか。なめとんのか。
銀河連邦評議会 中央執政官グランドAI は、今まで、何を見てきたのか?
報告書を読んで鵜呑みにしているのではありませんか?
よくあるワンマン社長の独断と取り巻き部下のヨイショで、煽て上げられた姿しか見えません。
あんた方の 銀河連邦 ですが、 本当に 銀河 を守っているのですか?
自分たちの利益のために、他を犠牲にしている、この地球にいる列強と同じですが?
片方の意見(あなたの報告書)だけ聞いて、判決をする、裁判所は地球でもありません。
そちらの方が、我々より遥かに劣っているとお見受けいたします。
銀河連邦 が あるのも怪しいです。
」
「 我が判断に間違いはない。これは決定事項だ。」
ボスが出てきた、作戦通り。
「だから、変なんですよ、文明のある種族なら、両方の意見を取り入れてから判断するのが文明社会のルールでしょ、多種族がおられるなら、色々な方々、いろいろな考え方があり、論議を尽くして、最良な判断をするのが通例ですよ。あんたは、我々地球人のなにを知っているのですか。歴史は過去の事、今のことではない。過去にした罪は未来永劫、次の世代にも引き継がれていくのですか? 償う機会はないのですか? あんたの種族はそうなんですか?
間違えないことができる種族なんて、あるわけないでしょ。 それこそ 確率なら 0 ですよ。 機械でも情報が不正確なら、不正確な判断するでしょ。 当たり前のことですよ。 あなたは 間違えたことはないと?
あなたは、神か? 神が作った地球人の出来が悪いから消そうというなら、神も間違えてるのですよ。
論理に矛盾がでてますよね。あんたが神なら、地球人は あなたの失敗作ですね。 ここだけが、失敗作なのですかね、他にも色々あるのではありませんか。 都合が悪くなると消す、なかった事にする。
中央執政官グランドAI お年はいくつですか? 老人の頑固が出てますよ。 世代交代しないと、銀河連邦が破滅しますよ。 銀河連邦なんて、銀河1個でしょ、以外の銀河は無数にあるのですから、あなた方の言い分が通るわけないでしょ、多種族と言っても、銀河の種族の何%ですか。せいぜい 10% でしょ、それで、銀河の代表者気取りは甚だ、烏滸がましい。
この やりとりも、秘密にしているのではないですか?
銀河連邦の市民はどうおもうのでしょうかね?
」
どうせ、死ななくても、力がなくなれば、自分ではなくなるから、言いたいだけ言ってやる。
「 よくもまあ、次からつぎへと、出てくるもんだな、わしは、老人ではない。機械だからない。」
「機械に連邦の未来の舵を任せているとは、お笑い種だ。
地球は、機械と人とが対等に話し合っているのに、遅れてるぅーーー。」
思いっきり、侮蔑を込めた。
「よし、お前にも反論の機会をあたえる、銀河評議会の公聴会で全銀河へ公開して、判決をくだす。」
「銀河連邦評議会 中央執政官グランドAI(通称:マザー)が命じる、
シナム艦長、レベル7の緊急転移を認める。即刻、この物をここへ連行せよ。」
「レベル7の緊急転移命令受領。マザー、船はどうしますか? 」
「この物だけで良い、ここから、捨てれば、船はバラバラになるだろう。
遭難にみえるからそれで良い。 こんな事も指示しなければならないのか?
シナム艦長 種族のレベルを上げる様にしたまえ。 」
「不肖な身なれば、ご寛容を。連邦にこれからも忠誠を誓います。」
(あーーー。俺の力作が海の藻屑となる 悲)
シナム「すみません、命令ですので。」
わざわざ、部屋の壁に 俺の船が海に落ちてバラバラになるとこまで、見せてくれた。
「レベル7緊急転移:起動」
空間が歪む、混沌とする。
明るい感じ。重さも、加速も、変化なし。浮遊感もなし。
感覚が消えていく。意識が消えてゆく。
高度な文明を持つ知性生命体でも、人と変わりない日常(喜怒哀楽)。




