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43話

まずは謝罪を。

次回木曜日予定の投稿が私用により出来そうにありません。


なので次話をあげれるとしたら土曜日あたりになりますことをご了承ください。

 青オークがブモォブモォーと叫びながらこちらへ接近してくる。青オークは手に剣と盾を持っているところを見ると、接近戦が得意らしい。叫び声に関しては突っ込みを入れるのはやめた。

 だって気にしてもねぇ?どうしようもない事ってあるし。


 となるとこちらはコウガを前衛へ、中衛に魔法と物理両方ともそれなりに使えるようになったイリスと元々どちらも上手くこなすクルスを、後衛にはいつもどおりセツナを配置することにした。

 シノアには……引き続き私の護衛やってもらっちゃおうかな。普通のオークでも慌ててるんだからレアモンっぽい青オークは難しいでしょうからね。


 「この青いオーク……もしかしてレアモンスターじゃないですか?」


 「多分そうだと思う。私達は何度もここで狩りをしてきたけど今回初めて見たから、レア扱いで良いと思うよ」


 ここで青オークの名前が確認できました。その名称はハイオーク。

 名前が変化してるってことは変異種のオークなのかな。


 「シノアはもしあいつがこちらに近づいてきたら大剣でパリィをする事に専念して。ハイオークを倒すのはコウガ達にやってもらうから!」


 「わ、分かりました。やれるだけやってみます!」


 シノアからは大剣を使って相手の攻撃を弾きつつ、大きな一撃を狙う一撃必殺タイプだと聞いていたので、その戦闘法を変えずにやってもらう事にしました。

 一撃必殺タイプだと多数との戦闘では不利ですから、基本多数での戦闘を想定するパーティ向けではないというのがよく分かる。その点ではハイオークが単体で現れてくれて非常に助かったといえます。


 コウガ達にも大まかな指示を出し、細かい部分は自己判断で行動することにさせた。当然先ほどのレベルアップで覚えた新しいスキルも解禁である。

 まずは牽制としてクルスがロックレインを、セツナがコールドウェイブで移動速度低下を狙う。


 「うそっ!?」


 ロックレインによる礫は致命的なものを盾で弾き返し、セツナの氷魔法の速度低下が効いていないらしく、ハイオークはコウガと傷らしい傷を付けられないまま相対した。このハイオークは阻害に耐性があるモンスターなのかもしれない。

 それならそれで攻撃を集中させるのみ!私は阻害を含めた戦術から、攻撃によるごり押しに指示を変更する。


 なんだかんだでこう言う風に攻撃に専念させる方が皆イキイキしてるんだよね。なにせ、少し前まで後方から水魔法を撃つしかできなかったイリスでさえも【重打】【突進】を好んで使用しちゃうくらい。

 きっと今まで非力な自分が嫌だったんだろうね。私としては今までどおり後衛から魔法を使用して欲しかったんだけど……。日に日に「接近戦命っ!」な戦い方に偏ってきた気がする。


 もう今の所、進化前から魔法系を好むセツナだけが脳筋じゃない最後の砦なんです。セツナまで脳筋になっちゃったら本気でヤバいですね。何とかそういう流れにならないように気をつけないと。

 次以降に仲間を増やすなら脳筋にじゃない、または脳筋になりにくい子に来て欲しい……。



 ハイオークはコウガに切りかかりながらも上空から攻めるクルスの攻撃を盾でいなすなど堅実に戦っている。だけど盾では魔法を回避することが出来ず、徐々に攻撃を食らい動きが鈍り始める。


 「モォォォ!」


 ハイオークが大声を上げると、赤いオーラがその周囲に発生する。うん、これは見たことがある。

 間違いなくコウガも使える【狂乱】です。物理能力がすごくあがるスキルなので今まで以上に注意が必要だね。


 「クギエェェ!!」


 クルスの悲鳴が聞こえる。どうやら注意を呼びかける前にその強化された攻撃を食らったみたい。

 クルスは剣で斬られたわけではなく、盾でいなすついでに弾き飛ばされたって感じだったので即死は免れた。


 「イリスッ!クルスにヒール!」


 「コポッ!」


 イリスが光魔法のヒールを使用し、クルスを癒す。

 完全には回復していないクルスはヨロヨロと立ち上がりながらも、翼を広げ空高く舞い上がる。地上に居るより空にいた方が安全だし良い考えね。


 狂乱状態とは言えステータス的にはこの中で一番強いクルスさえ、盾で弾かれただけでもあのダメージですか。盾自体も凶器と化しているのでしたら、うかつに近づけさせるわけにはいかないしな~。

 かといって魔法はきっちり危険なのは盾で防ぎ致命傷を避けてくるし……。


 「コウガはハイオークの注意を引くように攻撃。くれぐれも直撃を食らわないようにして!イリスは光魔法でダークの状態異常を狙ってみて!セツナとクルスは補助と牽制!」


 「「ガルルッ!!」」「コポー」「ク、クケェッ!」


 コウガは素早く走りまわり、ハイオークの進路を邪魔しつつ鉄牙爪で攻撃を放ち、セツナは風魔法でそのサポートをしてコウガがダメージを食らうのを妨害していく。


 本来なら相手の狂乱状態が消えるのを待つのが無難かもしれないけど、相手の狂乱がどの程度持続するかは私には分からないからね。耐えに耐えてジリ貧になるかもしれないくらいなら、こちらから攻撃に出て相手の隙をつく攻撃を狙った方が早く蹴りが付く。



 この考えは結果的には正しかった。それを実践できたかどうかは別にしておいて……。

 ハイオークの狂乱はあの後10分経過しても消えることがなかったのです。


 狂乱状態で暴れているうちに、戦闘フィールドが徐々に私達の居る方へ近づいてきていた。

 近づかれていることは気付いていたけど、皆が戦っているのに逃げるわけにはいかない。

 コウガ達も私達の位置が近いことに気付いていて、マズいと思っているのか、無茶目な攻撃を仕掛ける回数が増えてきたように思える。



 そしてその時が来ました。ハイオークがコウガを弾き飛ばし、とうとう私ヘの攻撃が届く範囲までやってきたのです。

 ハイオークは血走った目で私を睨みつけ、手に持った剣を振りかざし……力を貯めて振り下ろした。


 ガキィィン!


 「だ、大丈夫ですか?」


 ハイオークの剣の一撃を弾いたのは護衛を担当していたシノア。ハイオークはなぜか私を目の敵にしていたため、シノアが邪魔に入るまで認識していなかったのです。


 攻撃を弾かれ、仰け反りながら驚いた表情を浮かべるハイオーク。

 その仰け反りの隙を狙ったコウガの一撃で残り少なかった体力を全て削りとられ、ハイオークは粒子となり消えていった。


 手に入ったハイオークからのドロップは《オークの極上肉》と装備の強化アイテムである《青熱結晶》の2つ。シノアとの話し合いの結果、極上肉は私が貰い、青熱結晶はシノアが取得することになりました。

 なお、結晶の効果はDEXの補正値を強化するものだったので、大剣でパリィを使うシノアにとっては役に立つ強化アイテムだったといえます。



 アイテムの分配が終わった所で、先ほどの状況について詳しく説明を聞いてみることにしました。まあシノアが教えたくないといえば詳しく聞く気はありませんけどね。


 「ふふっ、アイリさんには言っていませんでしたが、これでも盗賊の適性スキルも持っているんですよ。発動していたのはその盗賊のスキルである【認識阻害】。目に見えていてもそれを認識させないスキルです」


 な、なんですってぇ!?そんな凄いスキルがあるなんて……でも、私とかコウガ達には認識できていたような……?


 「パーティメンバーには効果を発揮しないように設定出来るんですよ。アイリさんたちにはそれを使用してましたから常に認識できていただけなんです。まあソロ活動の時は普通のハイディング系と変わらないですけどね~」


 ますます便利……。ふーん、シノアは攻撃を弾く事に優れ、高威力の大剣による一撃必殺を得意とする暗殺者タイプなんだねぇ。仲間の間は良いけど、敵に回ったらこの上なくやりづらい相手かもしれない。

 当分敵対することは無いだろうけど、そう言ったスキル効果を見破れるような仲間も増やしたいものですね。まあそういう察知系が得意なのって虫型が一番ポピュラーだよね。次点で植物型かな。


 ……黒くてカサカサするのが特徴のGじゃない虫なら喜んで仲間にしてあげれるんだけどなぁ。

 クエストアイテム集めで霊泉に行く時に、その手前の沼で以前出会ったサソリとか勧誘してみようかな?黒いのも白いのも強そうだったし!



 「レアモンスターなんてMTバグしか倒したことがなかったんですけど、レアモンスターってどれもこんなに強くて面倒くさいんですか?」


 「うーん。私が戦った中でもこのハイオークはかなり強い部類に入ってると思う。強さ的にはレアモンスター界ナンバーワンは間違いないわ。……今の所とつくけど」


 ハイオークは確かに強かった。だけど総合で見るとオーガとどっこいどっこいじゃないかな?

 あっ、でもオーガは狂乱とかのスキルを使ってこなかったからなぁ。

 確かめる為にもこのまま中腹を目指したい所だけど、ここから先は敵の数がかなり増えてくるからソロ使用のシノアにはきついよね。そんなわけで一旦町に戻ろうっかな。

 強さ比べは中腹に行く事になった時に確かめれば良いし。



 「アイリさん、今日は色々ありがとうございました。レベルが一気に上がったおかげでスキルも増えましたし、既存のスキルレベルも急成長してソロがしやすくなりました!」


 「また何かあったらメッセージをくれたら返事するからね」


 「はい。それじゃあまたです!」


 こうしてシノアと別れた私はコトノのお店に戻りログアウトすることにしました。



 「あ、アイリさん。今日はその服が凄く目立っていたみたいですよ~。(掲示板のほうでも服装が良かったとか、露出している肩というか肌が超きれいだったと言った反響が凄いあったけど、これは言わない方が良いよね……)おかげ様で、装備の作成依頼が一気に増えました!」


 「そうなの?確かに良く見られてる感じはしたけど……(ふーん、目立ってたのはこのヒマティオンが珍しくて注目されてただけなのね。だから嫌な視線があまりなかったわけかぁ)」


 コトノから一日経過し装備品の着心地はどうとか聞かれ、問題なし。着心地も良いよと返事しておきました。


 明日は早起きしてパーシヴァルさんのクエストアイテム集めを進めるぞ~!

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