秋
「う〜ん……今は何もすることないから傍観者として見ててもいいけど、多分負けるからな〜暇だな〜」
紅魔館の門の前で独り言を呟きながらうろつく。
今日は一人で適当にぶらついているだけで、何もすることがない。
たまに【襲ってくる機械になった人や妖怪】を相手にして紅魔館を守っているだけだ。
「それにしても美鈴さん戦闘時とこの休憩時の睡眠までの速さが異常に速い……見習いたいところですね」
なぜなら襲いかかってきた瞬間に目を覚まし、攻撃の援護をしてくれるからである。
ーーこの女の人ってそんなに強いのかしら?
花落が思考を読み、美鈴に興味を持ち質問をしてくる。
近接戦ならかなり強いと思いますよ、まぁ、私達は離れて戦うので相性はいいと思いますが。
花落の戦い方は実に変わっていて、近接戦にならないので、基本的に、近接戦メインの相手なら圧勝できるのである。
「【スペルコマ】……」
「スペルカード【龍符・龍核】台詞が長いですよ、機械さん」
機械となった恐らく妖怪に向かってマシーナのスペルカードを使用する。
龍核の炎は妖怪を飲み込み、消え、妖怪の姿はなくなっていた。
「秋、いつからあんたはそんな人になっていたの」
美鈴さんが寝ているままで処理できる範囲でスペルカードを使用したことにより、美鈴にはバレずに処理したつもりだったが、巫女……つまり霊夢とスキマ妖怪こと紫に見られていた。
「あっ、霊夢さん。久しぶりですね。今回はどのようなご用件ですか?」
「秋、惚けていても遅いわよ。あなたは今、博麗神社を襲撃したドラゴンが使っていたスペルカードを使った。つまりあんたも何か関わってるでしょ!」
「霊夢さん、私と弾幕勝負。やりませんか?霊夢さんが勝ったら、この異変で知っていることを全部言います」
「もし、私が負けてあんたが勝ったら?」
「その時は貴方も機械になって今見たことを忘れてください」
この条件なら霊夢さんも飲むし、私が負けてもそれほど損害がない。
むしろ負けても利益がある……これから起こることについて。
ーー秋、でも勝ちなさいよ!
大丈夫ですよ花落さん……霊夢さんには私の【2種能力】しらないと思いますし
ーーそ……そうだよ、ね……
「わかったわ、じゃ行かせてもらうわよ」
「こちらもokです」
開始の合図は何もなく両者が距離を取り、弾幕を張り始める。
秋の弾幕は自機狙いが多く、常に動いていれば当たることのない楽な弾幕だが、霊夢の弾幕は、固定、乱数、自機狙いと数種類の弾幕を使い、結界までを使っている。
圧倒的に秋の不利……だが、秋には勝てる自信があった。
「何してるのよ……秋」
大玉の弾幕やら札の弾幕に自ら当たりに行きダメージを負う。
これじゃ弾幕勝負じゃなくまるで……
「一方的な試合ね」
「何かおかしいと思わない?」
「そうね、秋がいつまで経っても避けようとしない、それに倒れないことかしら?」
普通の弾幕勝負の場合1発当たっただけでも致命傷となる場合が多いのに、何百発も耐えている。
普通じゃありえない状況困惑し、霊夢は弾幕を張るのをやめた。
「秋!もう降参かしら?それなら早く言いなさいよ!」
「降参?霊夢さんがですか?そうですね、もう既に勝ちは確定になりかけてますからね」
勝ちが確定になりかけてる?弾幕に当たることがかしら……
ーーッ!そういえば秋の能力って!?
霊夢は何かを察した様子で後ろに下がる。
「霊夢さん、やっと気づきましたか、【猫神化】している時の能力【ありとあらゆるものを貯める能力】を……では霊夢さん、喰らって下さいッ!」
今まで喰らったダメージを銃の弾に変える。
全てのダメージが消えるわけではないので秋には弾幕の痛みがあるが、立っていられる。
それは恐らく……
ーーバンッ!
秋が拳銃に詰め込み発砲する。
しかし、その弾は霊夢に着弾する直前で消える。
「き、消えた!?」
「ルールには2人で参加してはならないなんてなかったわよね?卑怯かもしれないけどこれも幻想郷のため、素直に喰らいなさい」
紫の声が聞こえなくなったと同時に、目の前にスキマが現れ、弾が飛んでくる。
多少のダメージなら受けれるが、こんな何百発の弾幕を合わせたダメージを直接受けると……!
「外来人とは思えない強さだったわね、秋は。1人じゃないといけない、なんてルールがあったら普通に負けていたわ、スキマ様々ね」
「ほんと私がいなかったらどうなっていたの……」
銃弾をまともに喰らって伸びている秋。
それを今頃起きた美鈴が驚きつつ、状況を察し、紅魔館の中へ秋背負いながら入れてくれた。
ーーそれにしても、【猫神化】なんて秋は言ってるけど、何が変わったのかしら?




