機械村・人里
ーーガガガガガ……ガコン。
「一歩遅かったみたいね」
マシーナの襲撃を防いでからすぐに来たが、人里は機械に侵食されており、見るに堪えない様子だった。
「慧音辺りならまだ無事かも知れないわね」
「そうね……無事ならいいわね」
紫が意味深な言い方をしたのが気になったが、慧音を探すことに専念した。
その中で一つだけ気づいたことがある。
それは、機械に侵食された人間……博麗神社を襲った子供と同じようになっている人間は、空を飛べない、ということだ。
その分、力が何十倍にも脹れ上がってるらしく、あのような細かい弾幕を撃ってこれたと思う。
ーーしかし、決めつけは、事故を招くことになる。
「【スペルコマンド・零弐】
どこからか音が聞こえ、辺りを見渡すが、誰もいない。
しかし、レーザーがこちらに向かってくる音だけが響く。
「まさか……上ッ!?」
「正解。その通り」
何者かがこちらに向かって剣を振る。
その攻撃を回避し、札を投げつける。
音は幻聴、恐らくこの頭に響く音が原因で聞こえるだけで実際には聞こえてはいないはず……
霊夢が考えている間に何者かは再び姿を消し、音だけが響く。
今度は右以外から音がする、つまりーー
「ここッ!」
「おっと、危ない危ない」
攻撃を仕掛けようと剣を縦に振るモーションをとっていたが、それを止め後ろに下がる。
その者の正体はこの人里にかなり出没している妖怪ーー慧音だった。
「慧音どうして攻撃してきたの?」
「君に言う義理はない……ここで死ね」
慧音はこんな言葉遣いはしない。
つまり、誰かに操られている。
それか、術で本心とは違うことを言ってしまっているということ。
どちらにせよ、これからやることは変わらないようね。
「紫、さっきから隠れてないで応戦してよ。時間がかかるじゃない」
「仕方ないわねぇ……私が攻撃するから攻撃を交わしといて。確実に当てれるタイミングで攻撃を仕掛けるから」
「了解。できるだけはやくね」
紫は頷きスキマに入り姿を消した。
攻撃を交わすだけ、そんな単純なことならいいわね。
相手は慧音、その力が何十倍にもなっていたら負けてしまうかもしれない。
「作戦会議は終わった?では、こっちから行かせてもらうよ。【スペルコマンド・零壱】」
「ッ!なっ……なにこれ」
自分の上下左右に鏡あり、自分と全く同じ動きをする。
それだけならいい、しかし不器用なことが一つある。
慧音が1つの鏡に突然現れ、一発だけ極小の弾幕を放ち消えたのである。
ーー嫌な予感がする……ッ!?
こちらに向かってきた小さい弾幕が目の前で消えたのである。
「普通に対処すると面倒くさそうだけど……紫」
「私を追いつめられた時の救済要因とおもってないかしら?」
「思ってないわよ、今回は本当に危なかったから使わせてもらっただけ」
「だからそれを緊急要因というのよ」
紫にスキマを作らせ、この鏡のところから離れた場所に移動する。
普通に避けたら本当に難しかったでしょうね……でも、今はそんなことをしている時間がないからじゃんじゃん紫に手伝ってもらおう。
「逃げられたか……次は仕留めるッ!スペルコマン……」
「はっ!」
再び慧音がスペルカードを唱えようとした刹那、霊夢のお祓い棒が、慧音の頭の斜め45度を殴る。
ーーゴォン!
「機械になってるなら痛くないと思うけど、霊夢、完全には機械じゃないみたいね」
「えぇ、だからこそ打撃が効くからいいわよね【中途半端な状態】は」
機械なら大体治るこの角度、しかし、人間部分が入ってるなら脳に直接ダメージが入る。この2コンボで慧音は気絶し落下していった。
「人間の里が機械で侵食されてるならどこもかしこも侵食されてそうね」
「慧音に聞いたらわかると思ったのに倒してしまったから次をあたりましょう?」
「えぇ、そうね」
これで情報はなくなり1からということになる。
でも、一つだけ手がかりがあるとすれば、あのドラゴン。
秋のことを【マスターの友人】と言っていたから、秋の友人が犯人ということになる。
「とりあえず、秋が前にいたらしい紅魔館にいくわよ」
ーー秋がいることを願いつつ、機械になった村の上を飛んでいった。




