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第6話 生まれ変わったその先で


 目を覚ます。

 真っ白な天井だ。

 何だか悪夢を見ていたような気がする。


「痛っ!?」


 体が痛みで動かない。

 よく見ると俺はベッドの中だ。


「……先生。せんせいー!」


 俺の声を聞いた人が何やら騒いでいる。

 しばらくして、次々に部屋に人が入ってきた。

 そして、ようやくここが病院だとわかった。


 驚いた顔をした医者がいた。

 真剣な目でそれをサポートする看護師がいた。

 そして、涙目の両親がいた。


 どうやら俺は事故に遭って数日間意識を失っていたらしい。

 外傷は殆どないのだが、頭を強く打っていたので植物状態もあり得る状態だったそうだ。

 意識を取り戻したのは奇跡と言われた。




 それから数か月。

 俺は退院の日を迎えた。


「なあ、母さん」

「何?」


 俺は、ここ数か月で考えていたことを言う。


「大学って……どんなことする所なの?」


 母さんは目を丸くしていた。

 そりゃそうだ。勉強嫌いの俺がいきなり進学の話をしてるんだから。


「どうしたのいきなり」

「いや……何となく、これから色んなことをやらなくちゃいけない気がして」


 病院でリハビリをしている時間は苦痛だった。

 でも、前みたいに投げ出そうとは思わなかった。


 これから、俺は色々なことをしなくちゃいけない。

 そのためにもグズグズしていられないと思ったからだ。


 あの事故で、何かが変わったのかもしれない。

 具体的に何がと言う事は出来ないが、少なくとも前の自分はあまり人に褒められるようなことをしていない。失敗を恐れて逃げ回っていただけだ。


「失敗するかもしれないけど……全力でやってみようと思った」

「……うん」


 母さんは笑顔で頷く。

 安心した顔は何だか久しぶりに見た気がする。


「じゃあ、まずは遅れていた勉強を取り戻さないとね」

「……少しずつ頑張ります」


 でも、現実は厳しい。そう思った。




「さて……どうやら意識は少し変わったようですね」


 私の手には、一枚の紙がある。

 あの時、彼が手に取ったものだ。


「自分の人生、ちゃんと掴み取れたじゃありませんか」


 そこには、彼がこれから歩む人生が綴られている。

 少なくとも、次に彼がここに来る時には、もっとまともなプランを提示できるはずだ。


「さて、私も仕事に戻りますか……」


 では、次のお客様が待機する部屋へと向かいましょう。

 今度の方は……ふむ。また厄介な案件ですね。

 この方は、次にどんな人生を歩むのでしょう。


 少なくとも、現実から逃げているようでは、どこへ行っても同じ結末だと思います。

 現実世界だろうと、魔法の世界だろうと、どこででも、人は戦っているのですから。


 立ち向かいなさい。勝つ、負けるは問題ではない。

 そのために、貴方が魂を磨いたか、輝かせたかどうかが重要なのです。


「やあ、いらっしゃい。私は、転生案内人の転司てんしと申します」




 そこで見ている貴方はどうですか?

 貴方と出会えた時、私がどんなプランを提示できるのか、楽しみにしています。


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