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第1話 案内人は女の子(じゃなかった)

 俺は、見たこともない空間にいた。

 真っ白な部屋と言えばいいのか?

 でも、ドアも何もない。ただ、白い空間に俺は立っている。


「ここは……?」


 一体ここはどこだろう。それ以前に、俺は何をしていたんだっけ……?

 ああそうだ。俺はいつも通りゲームを買いに行ったら、雨で滑った車が突っ込んできて――――


「何で生きてるんだ俺?」


 ショックで記憶がはっきりしないが、確か俺は轢かれたはずだ。

 病院にいるならわかるが、あの事故に遭ったのに機材に繋がれてもいない。

 そもそも五体満足でいること自体が妙だ。


「やあ、いらっしゃい」


 突然、後ろから声をかけられた。

 振り返ると時代がかった貴族っぽい服にモノクルを付けている男がいた。

 ここには入り口らしきものはなかった。いつの間にここに現れたんだ。


「あんたは……いや、そもそもここはどこだよ?」

「おや、わかってない?」


 男は「ああ」と納得するように頷いた。


「たまにいるんですよね。死んだ時のショックで状況がわからないままこっちに来る人。貴方はその口ですね」

「え、じゃあ俺は……マジで死んだの?」

「はい」


 悪びれもなく、俺が死んだことを笑顔で頷く。


「じゃあ、ここは死後の世界?」

「ちょっと違いますねー」


 男は手に持っていた書類の束を広げて読み上げる。


「ここは天国でも、ましてや地獄でもない。『狭間の世界』とでも言うべき場所ですかね。死んだ人が次の世界に行くための中継地点とでも言っておきましょう」

「次の世界?」

「ええ。貴方の魂は生まれ変わることが決まっています。ですが、問答無用で別の世界へ行かせるなんてことはできません。できるだけ、お客様のご希望に沿った転生プランを用意するため、我々が派遣されているのです」

「え、じゃあ俺、転生するの?」


 男は頷く。

 マジかよ。ラノベやアニメでよくある異世界転生とか言う奴じゃん。

 そう思うと、何やら気になることが浮かんだ。


「あんたは誰なんだ?」

「ふむ……貴方たちの言葉で言えば『天使』が該当しますね」

「はあ!?」


 俺は不機嫌な声を上げた。


「なんでだよ。異世界転生の案内人って言ったら女神様とか女の子の天使だろ! 何でオッサンなんだよ!?」

「そう言われましてもねぇ……我々、あ、転生を司るので『転司』とでも言っておきましょう」

「誰が上手いことを言えと」


 ハハハと笑って天使もとい転司のオッサンは言う。


「失礼。しかし、普通に考えてください。人間一人の次の人生を決める責任重大な仕事を小娘にお任せするとでも思いますか?」

「そりゃーそうだけどさ」

「神様だって忙しいんです。一人ひとりに対応している暇はありません」

「何かシビアだな」

「現実なんてそんなものですよ」


 まあ仕方ない。この辺りは諦めることにした。


「で、俺は何に転生するのさ?」

「それをこれから選んでもらいます」

「選ぶ?」


 転司は書類を投げ上げる。

 空中でバラバラに散ったそれらは光を放ち、一枚一枚がテレビのように映像を映し始めた。

 自分のいた世界のような所をはじめとして、武士の時代、中世の世界から原始時代や恐竜時代なんてのもある。


「うおおお!」

「世界は無数にあります。その中で、貴方の気に入った世界へと私がご案内致しましょう」


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