表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/313

話し合い

 先程の光景を思い出し、心の中で戦慄していると、前の方から二人組がこちらへ向かってくるのが見える。おそらくこれから部活なのだろうと思っていると、何故かその二人は俺の方へ向かって来た。

 

 知り合いではないはずなので、少し不審に思っていると、その二人組は俺の側へ来て声を掛けてきた。

 

「秦野 琥珀君かな?」

 

 俺の名前を呼んできた……。つまり、今たまたま見掛けたから声を掛けてきた訳では無いと……。

 つまり、何らかの用事があると……。

 

 うん、わかった。この二人は俺とお近づきになりたいんだな! いや、わかるよ! 俺可愛いし! 

 

「少し君と話がしたくてね、教室に行ったらこちらの方へ向かったと聞いてね」

 

 いや、やっぱりな! 俺の魅力ってすごいわ~。とか内心で思いつつも、顔には出さず応対する。

 

「話……、ですか?」

「ああ、今時間取れるかな?」

 

 二人の内、ショートカットの髪型をした方が時間を取って欲しいとお願いしてくる。

 

 これは、一緒にお茶しませんか? と言う事ですね。行くのは良いのだが、……しかし、簡単についていって、こいつチョロいなんて思われたら、腹が立つ。

 

「えっ……、とその、知らない人にいきなりそんなこと言われても、困ると言うか……」

 

 まぁ初対面ならこうだろうと思い返答をする。

 すると、俺の言葉を聞いたショートカットの人が少し驚いた顔を浮かべる。

 俺は、何か変な事を言っただろうかと思い質問をしてみる。


「どうかしましたか?」


 その問い掛けに、その人は苦笑しながら答えてくれる。


「いや、すまない。自分の顔は知られていると思いこんでいたんだ……、少し自信過剰だったみたいだ」


 あ~、自分が人気者だと思っていたのか、それで自信満々で話しかけてきたけど、まったく知られていなかったと……。それは恥ずかしすぎるな! 正直穴があったら入りたいぐらいな事態だな! かわいそうに……。思わず、哀れみの視線を送ってしまう。その視線に気づかず、その人は話を続ける。


「それでは先ず自己紹介から始めようか、私は絢爛高校の生徒会長をしている真田 理彩と言うよろしく。そして横にいるのが生徒会で副会長をしている……」

「桂川 千香よ。よろしく」


 今まで喋っていなかった、もう一人の生徒が自己紹介をする。眼鏡を掛けた人でお堅い印象を受ける人だ。知的な人っぽいな……、自己紹介をした副会長を何故か生徒会長は微妙そうな目で見ている。なんだろう……?


 と言うか、生徒会長と副会長かよ! そりゃあ自分の顔を知っていると思う訳だよ! だってこの生徒会長、入学式で挨拶してたもん、むしろ俺の方が自信過剰で自意識過剰だったよ! なにが俺の魅力すごいだよ! 鼻で笑われるわ!


 しかし、生徒会長が何の用事だろう? おそらく予想したようにお茶の誘いで無い事は確実だろう……。


「よろしくお願いします。……すいませんでした、入学式でお顔を拝見していたのに思い出せず……」

「いや、まだ入学して日が浅いし、一度だけ挨拶をした私を覚えていなくてもおかしくは無いよ」


 生徒会長は穏やかな笑顔を浮かべて、フォローの言葉を言ってくれる。


「会長そろそろ本題に……」


 話が進まない事を見かねたのか、副会長が横から口を出して話を進めるように言ってくる。


「ああ、そうだな。どうだろう? 立ち話も何だし生徒会室で話さないか?」


 お茶ぐらいなら出せるが……、と生徒会長は誘ってきた。俺は特に断る理由も無いのでその誘いに応じ、一緒について行く事にする。二人についていき入った生徒会室は広く、豪華だった。


 さすが絢爛の生徒会室お金が掛かっているなと、部屋の中を見回していると、こちらに来てくれと呼ばれた。呼ばれた場所に行くと、そこは大きめのテーブルがある部屋だった。おそらく会議や応接に使う部屋なのだろう。座るように勧められ、席に着くと、スッと紅茶が差し出される。


「ありがとうございます」


 出してくれたのは副会長だった。副会長は軽く頭を下げると会長の横に座る。……しかし、先ほどから会長が副会長を見る視線がとても気になるのだが……、何か微妙そうな、呆れているような、そんな目で見ているのだ。不思議である、おかしな事をしている訳でも無いのに。会長は視線を俺に移し話し出す。


「さて、せっかく来てもらって時間を無駄にさせるのも悪いので、早速本題に入ろうと思う」

「はい、お願いします」


 うんと一つ頷き、会長は話を始める。


「部活のことだ」

「部活?」

「ああ、君は部活に入ろうと考えているかな?」

「ええ、おもしろそうな所があれば入ろうと考えていますが……」

「……そうか、そうすると一つ問題が出てくると思われる」

「問題ですか? それは何でしょうか?」

「難しい事じゃない、ただ君が入った部活に他の女生徒が大量に入部して収集がつかなくなる、と言うことだ」

「……いや、それは大丈夫じゃないですか、今までも男子生徒が部活に入る事はあったでしょう?」

「ああ、もちろんあったが、彼らの場合女子に対しては冷淡な態度を取っていたから、己目当てに入部してきたとわかったら、嫌われる事になると女子達はわかっていたんだ、だから今までは問題に成らなかったんだ、しかし君は、ある消息筋から聞いた所、人当たりも良く、性格も温厚で優しいとな、その上容姿も優れているとなったら今まで起こらなかった問題も起きると考えられる」



 どうやら、今まで絢爛には性格が良い男子は居なかったらしい、……本当かよ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ