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清明の催し物

 文化祭が近づいてくると、生徒会の仕事も増えてくる。

 日々の仕事は、それぞれが責任を持ってこなしており、今の所、問題らしい問題は起こっていない。

 とは言え仕事が増えるとそれだけ、各メンバーへのキチンとした連絡が必要となってくる。


 そしてその為のミーティングが現在開かれており、各クラスの催し物や部活動やサークルの参加申請の状況、その確認を行っている。この学校は生徒数が多いため、この出し物の数も多く多岐にわたる。

 しかしというか慣れているのか、生徒会の人たちはスムーズにミーティングを進めている。

 この若さにして、仕事の処理能力がこれほどまでに高いと言うのはとても素晴らしい。


「……さて、最後になるが清明男子高校から催し物の連絡が来た」


 生徒会長がそう言った瞬間、生徒会室に緊張が走った。

 副会長の桂川さんが眼鏡をクイッと押し上げながら言葉を出した。


「ホウ……決まったか……」

「え、ああ……。いや、なんでそんな黒幕みたいな話し方になるんだ……?」

「そんなことはどうでも言い。会長、みんな待っている早く言うんだ」

「そうですよ会長!」

「彼らは何をするんですか!?」

「希望としては清明男子写真展が良いです! きわどい写真を等身大で並べましょう!」

「ゴクリ……滾るわね……」

「と、取り敢えずみんな落ち着こうか……」

「「「落ち着いていますが!!!」」」

「ええぇ……」


 欲望丸出しの生徒会メンバーに会長が困惑している。


「会長、向こうは何をする予定なんですか?」

「まさか、今までと同じ展示オンリーではないですよね?」

「ハハッ、まさか。もしそうなら合同文化祭にする意味をもう一度、向こうに伝えなければならないわ。……で会長どうなんですか?」

「ハリー! ハリー!!」


 そう言いながらみんな立ち上がり、会長の席に詰め寄っていく。どこからどう見ても落ち着いていない。

 ……そのみんなの興奮に取り残されている俺は、恥ずかしながらドン引きしている。

 同じ男がここにいるのに、ここまで欲望をむき出しに出来るのかと……。


「み、みんな、取り敢えず席に着こう。ほ、ほら、秦野君もいきなりみんなが立ち上がったから驚いてる」


 生徒会長はそう言って、俺に視線を向ける。その視線に釣られるようにみんなの視線がこちらに向く。率直に言ってとても怖い。

 その俺の怯えが伝わったのか、彼女たちの目に理性の光が戻ってくる。彼女たちは咳払いをすると、静かに席に戻った。


「失礼しました。重要な案件の為、情報をより詳しく知らなければならないとの思いから、少々冷静さを欠きました」


 桂川副会長の言葉に他のメンバーも同意するようにウンウンと頷いている。


「桂川副会長の言うとおりです。秦野君怖がらせてごめんなさい。でも私たちがそれだけ職務に忠実かつ熱心に取り組んでいると思って欲しいわ」

「その通り。私たちは決して男子とキャッキャウフフの文化祭をおくれると思った訳じゃないよ」


 ……これは語るに落ちると言うヤツではないだろうか?


「で、ではみんな落ち着いた所で、話の続きをしよう」


 仕切り直すように一つ咳払いをした生徒会長は、キリッとした表情で話を始める。


「清明から伝えられた催し物は、展示、合唱及び楽器演奏、演劇、そして執事喫茶だ。このうち展示と合唱楽器演奏については向こうの学校で行い。演劇に関してはこちらと向こうの学校でそれぞれ違う演目を行う」


「と、尊い……」

「絶対に見に行かないと……」

「大手を振って清明に行ける日が来るなんて……」

「執事喫茶……いくら払えば良いのかしら?」

「金額が怖いけど絶対に行ってしまう……」

「モテ期を体験出来ると思えば安いのでは?」

「男子を侍らすことが出来るのか!」


 ザワザワと生徒会室が騒がしくなる。


「そして執事喫茶に関してはこちらのみで行うとのことだ。これに関しては向こうはこう言った模擬店を行った経験がないから、何か問題が起こった場合のフォローを期待してのことだ。みんなよろしく頼む」


 会長がそう言うとみんなは張り切った声でハイと返事をする。しかし桂川副会長は何かに気づいたように会長に質問をする。


「会長」

「ん、何だ?」

「執事喫茶ですが、一年一組も執事喫茶で申請を出されていますが……」


 そう言われた生徒会長は大きな溜め息を吐くとしょうがないと言うように言葉を出した。


「そうだな。しかし催し物が被ることは良くあることだ。問題は無いだろう」

「しかし……」


 そう言い淀んだ桂川副会長は、俺に視線を向ける。


「問題ない。それは先方も理解してのことだ。どのような順位がついたとしても文句は言わないと言われている。……仮に秦野君がいる一年一組に負けたとしてもだ」

「……そうですか。なら問題は無いです」


 生徒会長も桂川副会長も俺に視線を向けてくる。その目からは『あんまり挑発しないように』と注意をされている気がする。


 ……アレ? もしかして俺が仕組んだと思われているのだろうか? あくまでも自然の成り行きなのだけれど。


書籍二巻発売中です。よろしくお願いします。


ご購入頂いた方ありがとうございます。

どこが違うかと質問を頂きましたが、どこが、と言うより大体違います。

楽しんで頂けると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 書籍版よりなろう版の方がバランスが取れていた リメイクして欲しいです
[良い点] 無自覚(?)な煽り [気になる点] 1話1話が短くて、少し読みごたえがない。 更新速度が遅くてもいいから、1話の話を長くしてほしいです。 [一言] 面白い。
[良い点] ナチュラルに煽るからなぁww
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