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自己紹介

「オーホッホッホ」


「オーホッホッホッホッホ」



 キーンコーンカーンコーン



「オーホッホッホッホッホッホッホ」


 早く席に座れ!


 おそらくクラスの全員がそう思った時に、ようやく彼女は動き出した。そのまま自分の席に向かうのかと思っていたら、何故だか俺の席の方へ向かってくる。そして立ち止まり、にこやかに話しかけてきた。


「おはよう、私の天使様」


 いえ、天使は向こうに座っています。


「お名前を聞いてもよろしいかしら?」

「え、ああ、うん。秦野 琥珀です。よろしく」

「ああ、よい響きです。美しい貴方によく似合っていますわね」

「……どうも」

「お近づきの印にコレをどうぞ」


 そう言い、いつの間にか手に持っていた、バラの花を渡してくる。


「えっ」

「それではまた後で」


 そう言い優雅に去っていった。


 ……お前も自己紹介していけや! そして、渡されたバラの花を見て思う、この花どうしよう、と……。


 チャイムが鳴りしばらくすると、教室に担任と思われる教師が入ってくる。


「みなさん、おはようございます。このクラスの担任となります、住田 清彦です」


 担任が自己紹介すると、クラスの中が騒がしくなるが、住田先生が静かに、と注意すると一瞬で静かになった。


 みんなは男性が担任だと言うことに驚いたんだろうが、俺も驚いた! きちんと仕事をしている男性が居ることにだ!


 住田先生は顔はふつうだが、清潔感があり、さわやかな印象の男性である。


 これは大人気だろう……。


 教壇では住田先生が今日の予定を話している。


「今日の一限目はホームルームを行います。みんなには自己紹介をして貰います。今から五分間、時間を取りますので何を話すか決めて下さい。そのあと二限目からは施設の案内が始まります。その後、部活動の紹介が大ホールで行われます。終了後、教室に戻り、諸注意をして今日は終わりです。みなさん、連絡がいっていると思いますが、本日の昼食は学食の体験をしていただきます。お店は色々有りますが、学食として共通のですので、使用方法を学んで下さい」


 よろしいですね? と言葉を切り、自己紹介のための時間をくれる。


 まぁ、自己紹介は無難にやるけど……。


 改めてクラスを見回すと、このクラスは男子の数が多い。

 数えてみると十人いる。すごいな一組! これ他のクラスはどうなんだろうか?


 そして、時間が経ち、自己紹介が始まる。





 ……みんな、無難にやってるな、おっ! 柚香さんの番である。薄い桜色の髪を揺らしながら立ち上がる。

 その仕草にも気品が感じられ、他の女子達も、ホワ~っとした顔で見ている。

 ……さすがの天使っぷりだ。


「みなさん、おはようございます。西華宮 柚香と言います。皆さんと同じクラスになれたのも、縁があったのだと思います。ですので、皆さんと友達になれたら嬉しいです」


 そう言ってエンジェルスマイルを浮かべる。


 これには、男子生徒も魅了されたのではと思い見てみると……


 ……アレ? なんだかしらけてる? 

 すごいなあのエンジェルスマイルにも動じないとは……。


「東華院 詩乃です! みんなよろしくね!」


 おっ、いつの間にか詩乃さんの番だ、短いが元気が良く、太陽の様な明るい笑顔を振りまいている。

 通りが良い声なので好印象である! 

 詩乃さんの元気な声を聞くと、なんだかこっちまで元気になってくるような気がする、これも一種のカリスマ性ってヤツかな。


 次々と自己紹介が終わっていくが、基本的に男子は素っ気ない印象の自己紹介である……、名前しか言わない。


 とうとう俺の番が来た。


「秦野 琥珀です。先ほど西華宮さんがおっしゃった通り、このクラスにいる皆さんとは縁があるのだと思います。ですので僕も皆さんと友達になれたら嬉しく思います」


 そう締めくくり、椅子に座る。

 すこし硬かったかな? みんなの反応を見てみると、何故か静まりかえっていた。


 なんだこの、やっちゃった感!


 みんな静まりかえっているのを見かねてか、住田先生が発言する。


「良い挨拶でしたよ、友達ができるといいですね。次の人お願いします」


 とにこやかな笑顔で言ってくれた。




 ……ちょっと待て、なんだそのフォロー! まるで俺が寂しいヤツみたいじゃないか! 

 別におかしな事いった訳じゃないのにこの仕打ち! へこむわ……


 落ち込んでいると、俺の耳に聞き覚えがある声が聞こえてくる。


「私(わたくし)は舞澄(まいずみ) セリナです、みなさんよろしくお願いしますわ」


 おや、ビックリ。朝のオホホさんが、まともに自己紹介をしている。


 ……いや、違う。そこにも驚いたが、もっと驚いたのは舞澄と言う名前だ、たしか舞澄と言う名前は、ここ最近ビジネスホテルを中心に、規模を拡大している企業の、創設者の名前だったはずだ。

 同姓という事もあるけど、オホホだし金持ちっぽいから、もしかしてそこの娘さんかも知れないな。


 そして、最後の一人になった。

 最後の子は背が小さく、かわいらしい子である。

 その子は丸めた両手をあごの前に寄せて、自己紹介を始めた。


「八千草 美羽だよ! みんなよろしくね! キャハ!」


 そう言ってかわいらしく笑顔を向けた。



 キャハ?


 ……キャハ!


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― 新着の感想 ―
どう見ても四天王
[一言] (σ≧▽≦)σキャハ! かわい
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