本選の内容
『さて! すべての予選が終わりました! 皆さんどうでしたか?』
『いや、もう最高でした! 男子高校生の力を尽くした競い合いに手に汗握りました。出てきた男の子も皆魅力的で素晴らしかったですね! でも……』
『でも?』
『最後の裸エプロンで全部上書きされました!』
『なんでだよ!』
MC達の掛け合いでスタジオに笑いが起こる。
『では、いよいよ本選へ出場する選手の発表です!』
スタジオが暗くなりドラムロールが鳴る。そしてドンっ! と言う音の後に中央にある大型モニターに本選へ出場する男子の名前が映し出された。
そこには注目選手で情報が出ていた中から十人の名前が選ばれていた。当然、俺の名前も出ている。それを見て母親とマリアが俺の名前が出たことに喜んでくれている。
『この十人で本選を戦い、男子王が決まることになります』
『皆さん予選の死闘を勝ち上がってきた人達ですから、本選も熱い戦いが見れそうです!』
「本選って何するの?」
母親が俺に聞いてくるが俺も知らない。何せ俺も自分の予選通過を知った所だからだ。前もって知らされ無いのは情報の流失を避ける為、と言うのは江藤さんに聞いている。その為、本選の放送日や内容もまだ発表されていない。
「いや俺も知らないけど、今発表するみたいだよ」
『では、気になる本選の内容ですが……』
『予選で知力、体力、美貌を競いました。ならば王に必要とされるのは何か! 間藤さんわかりますか?』
『えっ何だろう? ……えっとお金とか?』
『はいっ! ばか!』
芸人のMCがゲストの女優に切れ味鋭く突っ込み、スタジオを笑いで包む。
『正解はカリスマ性です。人を導き率いる力です。本選ではこの力を発揮して戦って貰います』
『その本選の内容はこちら!』
MCの声に合わせてモニターに本選の内容が映る。
"無人島サバイバル領地争奪戦"
どうやら本選の内容はバトルロイヤルらしい……。でもこれとカリスマ性がどう繋がるのか? むしろこれだと生存能力が競われそうである。と言うか男だけでサバイバルなんて出来る筈もないだろう。死人がでる。
『この名前の通り無人島で争って頂きます。各出場者にはこちらだ用意したコテージを拠点として戦って頂きます。もちろん食料等もキチンと揃っていますのでご安心を!』
……サバイバルとは一体?
『そして各出場者の方には共に戦う仲間を選び連れてきて貰います。条件は現時点で女子高生であること! その女子高生達と共に戦い敵の領地を奪う。最終的に最も領地を獲得した方が男子王です!』
『つまり仲間の選定から戦いは始まっている。そう言うことですね!』
『その通りです。つまりこの勝負は王として人を見る眼と率いる力が試されているのです』
『連れて来られる人数に制限はありますか?』
『はい、最高で六人迄とさせて頂きます。これはコテージの部屋数が七部屋で出場者の方のプライバシーの為ですのでご了承ください』
全員が最大数連れて来たら総勢で七十名となるのか大がかりである。スタジオの雰囲気も本選への興味で盛り上がっている。
『本選も楽しみですね。では皆さん今週はここまで、さようならー』
MCの一人がそう言って手を振って番組を閉めたが番組は終わる気配が無い。それどころか盛り上がっていた出演者も戸惑った雰囲気を出している。本当に知らないのか、もし知っていて演技をしているのなら大したものである。
『えっ、ち、ちょっと待ってくださいよ!?』
『なんですか? なにかあります?』
『え、さっき発表されたのが本選出場する全員?』
『そうですよ』
『いないですよ?』
『なにが?』
『なにがじゃなくて、ねぇ?』
MCの片割れが他の出演者に同意を求め、周囲もそれに同意する様に何度も首を立てに振る。
『あの仮面の人ですよ、仮面の人!』
『ああ、あの人……』
『どこいるんですか? ああ、もしかして今発表された人に加えて仮面の人って事ですか?』
『違います』
『違うんかい! じゃー何処にいるんですか!?』
『仮面の人は……』
『人は?』
『………』
勿体ぶる様に間を取る。
『……………』
『早く言って!』
『予選通過者の中にいます!』
"…………えっ? えっーーーー!?"
スタジオは一瞬静まり返ったが、次の瞬間全員そろって驚愕の声を挙げた。そしてその勢いのまま番組は終了した。
うむ。見事な引きである。俺が感心していると俺のスマホに電話が入る。相手は江藤さんだ。
「もしもし?」
『アハハッやったよ琥珀君! 凄い視聴率だ! ありがとうありがとう! あっごめんなさい、呼ばれたわ、今度お礼をするわね。じゃあまた』
江藤さんは一本的に話し、一方的に電話を切った。どうやら凄く数字が良かったらしい。喜びが溢れだしたのだろう。
……しかし領地争奪ってどうやるんだろうな? 買収とかって効くのかな?




