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夜の色

ホタルを怒らせてしまった。


 口にした言葉は、ほんの何気ない一言だった。

 それがあんなふうにホタルを傷つけるなんて、ホントに思ってなかった。


 二回目は……あれは完全にうっかりだった。

 でも結果的に、余計に怒らせることになった。

 オレは本当にバカだ。


 琥珀に必死で頼み込んで、なんとかヒントをもらった。

 けど――「幼稚園の頃」というそれだけじゃ、答えなんて見つからない。

 だってホタルとの思い出なんて、いくらでもある。


 思い返せば、全部が大切で、全部がキラキラしてる。

 産まれてから、ずっと隣にいてくれた。オレの隣にいてくれる存在。

 もちろん、琥珀だって大切な弟だ。けど……ホタルがもしオレの隣からいなくなったら、オレはこの世界にいられるのか、自信がない。


 ホタルに嫌われたら――考えるだけで怖い。

 息が詰まるくらいに、怖い。


 必死で思い出そうとする。

 きっと、琥珀の言う通り、答えはオレの中にあるはずなのに。

 なのに、どうしても掴めない。


 ため息が漏れて、オレは窓の外に目をやった。

 西の空に、ゆっくりと夜の帳が落ち始めていた。

 赤みを帯びた夕暮れが、少しずつ暗い青に飲み込まれていく。


 ――今、ホタルを追いかけても。

 きっとオレの言葉は、まだ届かない。


 そう思って、オレは静かに首を振っ

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