表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂漠の少年  作者: 帽子男/Hatt
PR
40/91

ネシテル

「ラウム様の事を疑うわけでは無いのだが、本当に貴方が切り札となるのですか?」


真面目そうな若い男性が聞いてくる。僕と一緒に戦ってくれる人だそうだ。


「僕は強い呪いを掛けられていてですね…。」


「あいや、話は聞いているのだ。あまりに頼りない物だからそう言ってしまっただけで、、、あ、これも失礼か。すまない。」


たしかに今の僕は頼りない。連日神経毒とその解毒剤を服用し続けているのだ。

身体は痩せてきたし、やつれてきた。まるで病人みたいだ。何日も続けているせいか、毒も効きづらくなっており、益々服用のペースは上げられている。


僕らは今バルマンドリア帝国の王都付近の街にある旅館にいる。そこでこの強そうな兵士が王子と入れ替わりでやってきた。

王子は王都に行ったのだが、流石に今は僕を都につれていけないということだそうだ。

この兵士はネシテルと言うそうで、王子と仲が良いらしい。


「しかしラウム様は癖の強い方であらせられるだろう?」


「え?」


全くそんな事は感じなかった。別に話し方も普通だったし、おかしなことも言わなかったような気がする。


「何処の国に誰かも解らない人間を突然切り札などと言い出したり、その人間にいちいち毒を食べさせる王子がいるというのだ。」


たしかにそうだ。よく考えていなかった。僕の状況はおかしい。一体なぜこんな事になっているのか。


「今更気がついたのか。あの人は昔からそうなのだ。面白い物なんでも集めたがる。それに強い審美眼も持っておられる。

それと少し種明かしをするが、ラウム様は最初貴方の両目を狙っていたのですよ。

貴方の食べていたあの青い果実ですが、あれは目がよくなると言われている他に、食べると痩せると言われているのです。

きっとそのおかげで毒の周りが遅かったのでしょう。貴方は『運』が良い。」


そんなはずは無い。僕は今絶賛大不運の真っ最中だ。僕は両親の元に帰りたいだけなのだ。


「僕の両目ってどういう事ですか?」


「その緑の瞳はとても美しい。飾りたくなるほどにだ。だがバルマンドリアには緑の瞳を持った種族はいない。とても珍しのだ。」


「僕は両目をくり抜かれる所だったという事ですか?」


「いや、その後殺されるはずだった。」


もしかしたら僕は運が良いかもしれない。不運の呪いのおかげで死なずにすんだのだ。そもそも不運がなければこんな事にもなってはいないはずだが。


すると、建物が少しゆれる。ズズンと重たい音が響く。ネシテルさんも気がついたようで片方の眉を上げている。

音はなんども連続して響き始め、次第に連続してくる。建物までもが振動を始めた。


「少し見てくる。」


ネシテルさんは席を立っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ