永遠の想い。〜クオン視点〜
俺の妹は世界一、いや、宇宙一可愛い。
金色の真っ直ぐ伸びたさらさらの髪に、エメラルドの瞳。
キリリとした目は幼さを隠して、代わりに妖艶で強い雰囲気を醸し出していて、七歳の少女とは思えない美しさだった。
生まれたばかりの赤ちゃんだった頃のトワを初めて見た時は天使が舞い降りたのかと思った。
魔力も強く、見た目も完璧。もう天使というか女神確定だろう。
俺は可愛いトワを守る為にトワとずっと一緒にいた。
トワは可愛いからすぐに男と言う名の悪魔達を惹き付けてしまうからな。とにかく、ずっと守っていた。
だが、いつからかトワは俺を無視するようになった。
いくら話しかけても睨まれるだけで、一言も話さなくなってしまったのだ。
トワに思い出話として、オムツを変えてあげた時にどれだけ可愛いかったのかを熱弁したら右頬が三日間腫れるくらい強く殴られた。
そして、俺は気付いた。
トワがこんなにも冷たいのには重大な理由があったのだと。
それはーー………
トワはツンデレだったという事実だ。
割合としてはツンツンツンツンツンツンデレ、くらいだろうか?
性格が少しキツめなのも頷ける。成る程…トワはツンデレだったのか。なんて可愛いんだ。
俺はトワの性格を十分に理解して、和気あいあいと日々を幸せに暮らしていた。
しかし、そんな日々を過ごしていたある日の朝。
朝食の時間になっても現れないトワを心配していると、トワの侍女達からトワが目眩で部屋で休んでいると聞いて一目散に部屋へ向かった。
そして、焦ってしまいノックも忘れ、部屋に入り思わずトワを抱き締めてしまった。
いつもなら、ここら辺で即平手打ちなのだがいくら俺が抱き締めていても怒らず、終いには微笑んでくれた。
「…………大丈夫ですわ、お兄様…目眩も治りましたし今、お父様とお母様のところに行こうとしておりましたの…」
「!そうか!それは良かった!あぁ、今日のトワも一段と可愛いね!」
微笑んでくれただけじゃなく、何年かぶりに聞くトワからの「お兄様」呼びに俺は喜びで震えた。
今なら俺は天国へ行ける気がする。
トワと話したのは実に数年ぶりで、俺はもっとトワと話していたくて気付いたら一時間も話してしまっていた。
その日の夜は幸せで眠れなかった。
そして、あの記念すべき日から三ヶ月後。
トワは可愛いさも天才的だったが、頭脳まで天才的だったのだ。
医学に興味があると言って、薬の調合を始めたトワ。妹の作る薬の効果は瞬く間に町中に広がっていった。
俺も以前、風邪の影響で頭痛がすると言って、トワから貰った薬を飲んだら数時間後には嘘の様にすっきりとしていた。普通の薬では完治には二、三日かかるのに…まさに天才な俺の天使である。
薬の調合を始めたトワは以前よりもいきいきとしていて、ツンデレのツンがとても減少した。
前のツンツンツンツンツンツンデレのトワも可愛いかったが、今のトワは俺にとても優しい笑顔を見せてくれるのだ。今だって…
「トワ!流石、俺の天使だな!今日も可愛い!」
「天使って何ですか意味分かんないですしかも何でまたお父様の書斎にいらっしゃるのですか」
「はははは、本当に仲が良くて賑やかだねぇ」
「違いますわお父「そうなんですよ!」………」
数ヶ月前に妹になついて、そのまま屋敷にいる犬と一緒に書斎に入ってきたトワ。
新薬の話をお父様にしに来たのだろう…今日も抜群に可愛いなトワ。
溜め息姿も一枚の絵画のようだ。
今度、絵師にトワの絵を描かせよう。あぁ、良い考えだ。
「まったく…はい、これはお兄様の分ですわ」
「?今回、俺はトワに注文していないだろう?」
「…………遅くまでの業務で書き物をしていたのだろうと思いまして。手首に塗る塗り薬ですわ。
長く放置するともっと悪化してしまいますわよ」
「~~~~~っ!!トワ!!君は何て優しいんだ!まるで聖母のようだよ!」
ぎゅううううと抱き締める。
まさか、トワに心配されるとは思わなかった。
何という幸せだろうか。
しかも、少し頬を赤くして薬を渡してくるトワは殺人級に可愛いかった。
(あぁ…トワに天使の羽が見える…。)
俺のたった一人の大切で愛しい妹。
これからもずっと君を守り続けるからね。
大好きだよトワ。