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悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。 作者:桜 さつき
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日々、充実中。

オリフェルの葉を四枚。
タニルの実を二つ。
ココワムの花びらを五枚。
ポポの木の枝を一本。

この材料で作れるのは疲労回復薬だ。
効果は抜群。これを飲むだけで、どんな疲れだって癒しちゃうスーパーな薬なのです。


(腕が鈍くなってなくて安心した~…薬剤師としての記憶があって本当に良かった。)


自分で言うのもあれなんだけど、私は前世の時、薬剤師として医学界で有名だった。
数々の新薬の開発と発見、書いた論文の受賞数は数知れず。
恥ずかしながら「神童」なんて呼ばれてました。

私の選択一つで、数百数千数万通りのたくさんの種類の薬が無限に出来ていくのが面白かった。
薬剤師が私の天職だと思った。

資金調達というのが一番の理由だけど大好きなことをこっちの世界でまた出来るなんて夢のようだ。


「命懸けですけどね…はは…」


そんなこんなで朝からずっとゴーリゴーリと材料を磨り潰しながら薬の調合を黙々とやってます。
お父様が用意してくれた器具も温室も申し分無し。調合には最適な場所だ。

お母様から王子様との婚約話をされてから早三ヶ月。
私は死に物狂いで薬の完成を目指した。
理由は、あの交渉した日の私の失言だ。
あの時はとにかくお父様に認めて貰おうと「三ヶ月で成果が出なかったら即やめる」という大変ヤバいことを言ってしまったからである。

前世でムカつく上司に、よく啖呵を切っていたのを思い出す。
期限を叩き付けて相手の想像以上の物を作った時の嬉しさは今思い出してもニヤけるくらいの快感だった。

だが、今回は私の性格が自分を窮地に追い込むことになってしまった。
いやー本当に焦りましたこの三ヶ月間。


温室にある数百種類以上の植物と庭や近くの草むらにある植物を調べに調べて、この世界の植物に関する本を読みまくって…怒涛の日々だった。


「うしっ…こんな感じで良いかな。ハヤテー!この薬、マドランさんちに届けてきてー!」
「キュイ!」
「ありがとう。リリィは私とお父様のところに一緒に来てね」
「ワンッ!」


そんな死に物狂いで頑張った甲斐あって、私が調合した薬は良く効くという噂が町中に広がり、今では売れに売れている。
客層は一般の方々から貴族まで幅広く。
気軽にお買い求め頂けるように値段はリーズナブルに。
お金はちゃんと貯金していますとも。


「キュイキュイ!」
「あははっ、ハヤテったらもうお腹空いたの?じゃあ、ナロの実あげる!好きでしょこれ?」
「キュイー!」
「ワンワンッ!」
「リリィも?二人とも大好きだね、この実」


ちなみに、この三ヶ月の間でとっても可愛いお友達が出来ました。

キュイキュイと可愛い鳴き声で鳴く小鳥の名前がハヤテ。「神鳥サリファ」と呼ばれる凄く珍しい鳥で、見た目は全身が空色で首もとだけ真っ白な毛で覆われている。

草むらで薬の材料を探している時に怪我をしたハヤテを見付けたのが出会い。
そのまま怪我が治ってもハヤテは私の元にいたので名前をつけてみたら、大層喜んでくれた。


次に紹介するのは、こちらも可愛いワンちゃん。名前はリリィ。性別は女の子です。
グドゥガという狼で、足の速さがチーター並に速く「最強の狼」という別名もある。
毛色は真っ白でもう超フワッフワ、瞳が金色で美しすぎて…いやはや天晴れです。

出会いは、二ヶ月くらい前に庭でハヤテとリリィが大喧嘩という名の大乱闘しているのを目撃後、怪我をしたリリィを手当てしたら仲良くなった。

ハヤテは漢字で書くと「疾風(シップウ)」となる。美しくも激しく飛ぶ姿から名前を考えた。
リリィは毛色が私の好きなユリの花に似ていたからという理由。


「じゃあ、よろしくねハヤテー!」
「キュイーーーー!」
「リリィ行くよー!」
「ワンッ!」


ハヤテもリリィも私の自慢の友達だ。
出会ってからは、いつも一緒にいる仲なんですよ。

唯一、心配なことを言うとすれば二人の成長後の体の大きさだ。
ハヤテはまだ小鳥でやんちゃ盛りな子供だが、既に大きさは鷹くらいある。
図鑑で調べてみたら、将来は人一人を余裕で乗せられるくらい大きくなるらしい。凄い。
リリィも今は小型犬サイズだが、狼だ。確実に大きくなること間違いない。凄い。


(うん…まぁ、大丈夫だよな。多分。うん。)


屋敷の敷地は無駄にめっちゃあるし。
食事も二人は気付いたら森で狩ってきて自分達で食料を確保している。
何とも優秀な友達である。

……と、こんな感じで資金調達も日常も問題なく過ごしている今日この頃。

王子様と会う日までにやれることはやりたいと思ってる。
誕生日まで後二ヶ月だ。
+注意+
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