永遠の嫉妬。〜アロネット視点〜
バチンッと水の膜が割れて、乱雑に地面に落とされる。
しかも、落ちた場所は草の上じゃなくて土の上。
手もスカートも土で真っ黒だ。
(最悪最悪最悪…!何でこの私が汚れなくちゃならない訳?!こんなの物語と全く違う!)
私はこの世界の主人公。
上手くいっていれば今頃は美しい彼らに囲まれた最高の生活を過ごしてる筈なのに。
皆が私の事を好きになる私中心の世界。
こんな扱いを受けるなんてあり得ない…学園に入るまでは何もかもが順調だった。
「本当に忌々しい女…っ」
素晴らしい闇属性の魔力を持っていて、容姿だって誰よりも可愛い自信がある。
好きでもない読書を設定通りに趣味だとちゃんと言ってもいる。
私は完璧なのに…なのに!!
全部があのクソ女のせいでメチャクチャ!!
私と出会ってすぐに愛を囁くハルト様。
私を好きになって依存するヴァン君。
私の前だけ優しい笑顔になるランジェ様。
私には素直に甘えてくるミケ君。
私を妖精界の姫と迎えてくれる妖精王。
皆…皆、私のモノ。誰にも譲らない。
彼らは私に恋する運命、これは絶対に揺るがない設定。
彼らを手に入れる為にまずは害虫を駆除しないとね?
死亡エンドを待っているだけじゃ駄目だと分かった。欲しいモノは自分で動いて手に入れないと。
「あぁ…どんな終わりが良いかしら…?」
殺しは慎重にしないと。
私が殺したという証拠は何も残らずに…ね。
この物語は私と彼らだけが幸せに暮らせる世界なんだから。
イラナイモノは消さなきゃいけない。
(撲殺?溺死?刺殺?…何が良い?)
あの女が苦しむ姿を想像するだけで快感になる。
楽しい楽しい喜劇の始まり。
最後に笑うのはこの私なんだから。
「悪役令嬢はバットエンドって決まってるのよ…馬鹿女め…ふふふっ」
これは私の物語。
邪魔するモノは全て無くせば良いのだ。
「はぁ…余計な事をしてくれる…」
闇と闇が相容れた時。
「終わり」を告げる鐘が鳴り響く。
闇を呼ぶのは誰だ。
破滅の色を持った者か絶望の色を持った者か。
それは神のみぞ知る未来なのだ。




