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薬剤師目指します。

「…………なぁ、クオン」

「?何でしょうかお父様」

「トワが医学に興味があるらしくてね。

薬の調合を始めたいと言っているんだが、お前はどう思う?」

「?!」

「トワが薬を?…本当なのかい?トワ」

「え、えぇ」



いきなり薬の話を突っ込んできましたね父よ。

心の準備出来てなかったんで、兄への応答が出遅れました。


薬の調合と聞いて、流石の兄も驚いたのか目を丸くして私を見てきた。

目が異常にキラキラしているのは気のせいだろうか…?



「トワ!!凄いじゃないか!薬の調合なんて!素晴らしいと思うよ俺は!!」

「?!…あ、ありがとうございますお兄様」



気のせいじゃなかったーーーっ!

ガシリと両肩を掴まれ鼻息荒くお兄様は興奮していた。

怖い怖い怖い。顔が近いですお兄様。


そのまま抱き締められ頬釣りをされる。

もうヤダこの人!スキンシップが激しすぎる!



「では、クオンは賛成派かね?」

「はい。俺はトワがどんどん新しいことに挑戦していくことに賛成です。

お父様も既に決めているのでしょう?」

「ははっ、やはり分かってしまったか。僕もトワが色々と学んでいくことは嬉しいと考えているからね」



お父様は視線を私に移し、笑顔でゆっくりと頷いた。

これはもしかして、もしかして、もしかするとですか?!大学受験以来のドキドキで心臓が破裂しそうだ。



「薬の件、許可しよう。明日にでも器具を用意しておくよう頼んでおくよ」

「っ、ありがとうございます!お父様!!」

「調合場所は温室を使うと良い。あそこは百種類以上の植物があるから最適だろうからね」

「温室ですか?!まぁ!素敵ですわ!!」



器具を揃えてくれるのも感激なのに、温室とか神様ですか!お父様!大好きです!!


隣でお兄様が騒いでいるがここはスルーします。

今、幸せ噛み締めてるんで私。



「母さんが聞いたら驚くだろうなぁ…」

「私がどうしたんですの?」

「「お母様!!」」

「ふふっ、何やら楽しそうな話をしてますわね」



微笑みを浮かべながら私の隣まで歩いてきたお母様は、優しく私の頭を撫でてきた。

お父様もお母様もマイナスイオン出すぎだと思います。癒し度が幸せです。



「体調が良さそうで安心したわ。それで、トワちゃんは何を致しますの?」

「薬の調合を始めてみたいと思っておりますの」

「まぁ、お薬を?素晴らしいことだわ。素敵なお薬が完成したら是非、見せて下さいね」

「えぇ、勿論ですわ!」



やっぱり、お母様は最強だ。

受け入れまでが秒速で速かった。


こんな素敵な両親達を持てて本当に幸せだ。

私の平和エンドに向けての第一歩が踏み出せたのだから!ビバ平和!!



「そう言えば、どうしたんだい?何かあったのか?」

「あら、そうでしたわ。トワちゃんに良い知らせを持ってきたのよ。貴方がいつまで経ってもトワちゃんに話さないから私から話そうと思って」

「うっ…心の準備がまだなんだが…」

「もう!素敵なことですのに、何をおっしゃってますの!」



お母様に両手を握られ、さっきの兄のようなキラキラとした瞳で見つめられた。

とんでもなく嫌な予感がするのですが、どうしましょう…。



「トワちゃん、おめでとう!貴女が第二王子のハルト・トレアスニカ様の婚約者にとのお手紙が届いたのよ!!」

「マジ…ほ、本当ですの…?」

「えぇ!五ヶ月後の貴女の誕生日パーティーの日にお会いになることになったわ!」

「へ、へぇ~…」



お母様…全然、おめでたくないです。

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