永遠の願い事。〜侍女視点〜
ブックマークして下さった方、感謝感激です。
更新頑張ります。
私がお仕えするアトリエス家には一人のご令嬢がいらっしゃいます。
素敵なご両親と優秀なお兄様に大切に育てられ、すくすくと日々、大変美しい女性へとご成長なされてます。
ですが…その、大切に育てすぎてしまったのでしょうか?
お嬢様はとても気の強い方に育たれてしまいました。
「ちょっと、何ですの?!この紅茶!不味くて飲めたものじゃありませんわ!!」
「す、すみませんトワ様!今すぐ淹れ直して参ります!」
「まったく!使えない侍女で困るわ!」
…このように少々、いえ…大分、大人びた性格となってしまいました。
トワ様専属の侍女である私とあの子は毎日のように彼女のご機嫌を気にしておりました。
やめる、という選択肢はありませんでした。
私とあの子は元々は孤児で、倒れていたところを偶然、道を通りかかった馬車に乗っていた旦那様が助けて下さったのです。
このご恩は一生を懸けて返していくと決めておりました。
(トワ様とはずっとこのままの関係なのかしら…?)
大切なアトリエス家の皆様、トワ様も私の大切なお嬢様に変わりはありません。
ですが、もう一人の侍女のあの子と同様に日に日にトワ様がいつお怒りになってしまうのかと恐れているのも事実。
ただ私はトワ様と笑い合ってお話をしたいだけなのです。
ですが、叶わない夢なのだろうかと諦めておりました。
けれど突然、トワ様が驚く程変わられたのです。
いつも通りトワ様の身仕度をお手伝いし、部屋を出ようとした時です。
トワ様はじっと鏡でご自分のお顔を見ておりました。それはもう熱心に。
いつもはもう少し短いはずなのですが、かなり長い時間じっと見ているのでどこか体調が悪いのではないかと不安になりました。
問い掛けてみるとトワ様からは深い深い溜め息が聞こえてきました。
あぁ…また、私はやってしまった。
トワ様の気分を害するなんて侍女失格です。
怒られてしまう、といつも通りトワ様の言葉を待っているとトワ様が少し笑顔になられたのです。
それは、今まで見たことのない笑みでした。
「いえ…少し、目眩がしてしまって。申し訳ないのですが今日の朝食はお断りしたいのだけれど良いかしら?
それと、今まで貴女達に辛く当たってしまってすみません…どんなに謝っても貴女達にたくさん迷惑を掛けてしまった過去は変えられないわ」
「………………ひぇ?」
「……、」
あの子は思わず変な声を出し、私も思わず口をポカンと開けて固まってしまいました。
だって、あのトワ様が謝られたのですよ。
しかもお優しいお顔で…私は目の前の光景が信じられませんでした。
ですがもっと衝撃的なことが起こりました。
トワ様が頭をお下げになったのです。もうパニックでした。
「…今更だけれど、貴女達には本当に酷いことを言ってきたわ。ごめんなさい」
「「ト、トワ様…?!」」
私達二人はもうどうしたら良いか分からず、気付いたら泣いていました。
あぁ、もしかしたらトワ様と笑い合ってお話し出来る日が来るのではないかと期待してしまうのです。
私達が泣いているのを見たトワ様も慌てておりました。
(夢でも見ているようです…。)
トワ様の震える手に私達はそっと触れました。
その手は冷たく、彼女がどれだけ勇気を振り絞って私達に話して下さったのかと思うとまた泣きそうになってしまいました。
「…っ、ありがとう…私は今までどうかしていたわ。こんなに素敵な人達だったのに…」
「勿体無いお言葉ですトワ様」
「これからたくさんお話してゆきましょう?トワ様」
「ふふ、そうね…!とても嬉しいわ!!」
「「……っっ」」
これから少しずつでもトワ様とたくさんお話をしていきたいと伝えると、エメラルド色に輝く瞳に涙を浮かべ笑ったトワ様。
私とあの子は今、とても顔が赤いでしょう。
トワ様の笑顔はまるで花が咲いたように美しく、私達を動揺させるのには十分な威力がありました。
美しいお嬢様が笑うと、こんなにも輝いているのですね。
やはり、私の大切なアトリエス家の皆様は本当に素晴らしい方々です。
願わくばこれからもずっとトワ様と笑い合ってお話出来ますように。
今日は六話か七話くらいまで更新したいです。