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7 策士?もちろん、私には無理ですから。

両親からの許可はいただいた!

ってことで、やってみたのが、お茶会。

まぁ、順番にお招きしていくというのが恒例なんだけどね。


改めて顔ぶれを見ると、セリーヌ様とカトリーナ様とわが家以外、それぞれの御家の2番手、下手したら3番手のご令嬢方ばかり。

まぁ、第三王子ともなると、王位継承権なんてあってないようなものだし、呪いつきで正妃も娶らない、側室(お話し相手)候補となればしょうがないか。


それは置いといて、とりあえず、公爵家と侯爵家からお伺いを立ててみましょうか。


「ようこそおいで下さいました。まだまだ拙いばかりの茶会ではございますが、お楽しみいただけましたら、光栄ですわ。」


「まぁ、こちらこそ、お招きありがとうございます。本日は珍しい東方の茶葉とお聞きしましたので、菓子などお持ちしましたわ。お気に召すかしら?」


「嬉しゅうございますわ。どういった菓子かしら。とても楽しみですわ。」


艶やかな黒髪の控えめに結い、すっと伸びた背筋に知性の煌く瞳。

さすが、公爵家のご令嬢だわ~。


「ふふっ、東方の茶葉にお菓子なんて洒落てますこと。体を清めるものかしら、それとも、美しさを保つものかしら。」


「よくご存知でらっしゃいますわ。カトリーナ様のお美しさの秘訣でらっしゃるのかしら?」


「まぁ、それはどうでしょう?」


「あら、とても残念ですわ。ご教授いただけるかと期待しましたのに。」


優雅に扇子で口元を隠す様でさえ色気が!!

これが噂の殿方ホイホイってやつですか!?

殿方じゃないけど、ひっかかりそうだわ。


赤味かがったこげ茶色の髪はゆったりと結い上げられ、茶会でもおかしくないギリギリの範囲でハッと目を奪われるよう、華やかに結われている。


と、まぁ、主要なご令嬢の描写はここまでにして。

って、え?他のご令嬢?

もちろん、後ろで相槌打ったり反応して下さってますよ、はい。

お二人でかすん、ゴホゲホ、私の目が節穴なので割愛という事で・・・。



さて、どう切り出すか。


和やかなんだか、そうでないんだかわからないお茶会って、ほんと肩が凝るから苦手なんだけど。


「そういえば、アリシア様はこちらに馴染まれまして?差し出がましいかもしれませんけれど、少し気になっておりましたの。」


いいパス来た~~~~!!


「えぇ、戸惑うことも少なくなって参りましたわ。ですが、まだ不安に思う所もございますので。」


少し儚げな笑顔で困惑気味にっと。


「あら、何かおありなの?そうなのでしたら、おっしゃってみては?ねぇ、皆様?」


「そうですわ。幼い頃から、こちらにいらっしゃる方々ばかりですもの。お力になれるかもしれませんわ。」


釣られてくれた~~~!!


「私などには勿体無いお言葉ですわ。けれど、恥を忍んで打ち明けてもよろしいのでしょうか。」


「あら、そこまでおっしゃったからには、教えていただきませんと、気になって眠れなくなってしまいそうですわ。寝不足はお肌の大敵ですのよ。」


「そこまでおっしゃっていただけるのでしたら。ご講義についてなのですが・・・。あの、わたくし、ご講義の内容でわからない所がたくさん出てきてしまって・・・。もちろん、殿下の御為おんためのご講義ですから、内容が深く多岐に渡ってのものとは存じておりましたけれど。皆様にご迷惑をかけてしまわないかと。」


「そうね。確かにアリシア様のおっしゃる通り、講義内容はとても高度なものですわ。正直申しますと、私も多少なりとも気になる点は出て参ります。」


「では、そういった点はどうしてらっしゃるのですか?」


「こちらの蔵書をお借りしておりますわ。」


「さすがはセリーヌ様。わたくしなどでは、そのような方法では追いつきませんわ。」


「ですが、いくらこちらの蔵書がすばらしくても、専門的なものになれば心もとないですわよ。現に、美容の書物など限られておりますしね。そこから派生した各国の文化もありますのに、残念で仕方がありませんわ。」


「まぁ、そうでしたの。では、どうすればよいのでしょう。」


「それでしたら、殿下の講義へ差し支えのない程度で、私たちだけで講義を開いてもよろしいのではなくて?」


「そんなことが可能ですの?」


「何も全て殿下と同じ師につく必要もございませんし。各分野でそれぞれの師を用意すればよいこと。皆様の御知り合いでいらっしゃるのでは?」


意味深な流し目。

ま、競争を促して、良い師を集めさせるおつもりでしょうか?

やはり、策士でらっしゃるわ、セリーヌ様。

お慕いしてもいいですか?


「いないこともございませんわ。ねぇ、皆様?」


おぉ!

カトリーナ様、のっちゃいました?

勝気な所もまた、イイ!!


「では、皆様の学びたい分野を決めて、どなたと御知り合いかを申し合わせればうまくいくのではございませんか?」


「そうですわね。殿下の御名を汚さぬ為にも、力をつくしましょう。」


「えぇ。」「はい。」



はぁ、仕切っていただけるって、何て楽なの!

セリーヌ様、一生ついていってちゃってもいいですか!


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