21話 前の学校 第一小6年1組 柏原美月
一人で行っていいいといわれたけれど。
なんだか、ちょっと行きにくい。
お母さんについてきてもらっちゃった。
職員玄関のインターフォンを押す。登校時間の後に登校するから、普通の門や昇降口は開いていない。来たときは、職員玄関のインターフォンを押す。第二小の時もそうだった。まあ第二小の時はお母さんが、インターフォンを押して、名乗っていたけれど、一人行くとなったら第二小でも練習したんだよね。
「6年1組の柏原美月です」
インターフォンを押して、応答があったら、クラスと氏名を名乗り、職員玄関の鍵が開く。6年1組、なんて一度も行かないのにね。
前の学校と同じというと、ちょっと気が重くなった。しばらくすると、
「どうぞ、お入りください」
と誰かが玄関を開けてくれた。初めて見る先生だ。
「ああ、柏原さん、お母さんもありがとうございます」
と明るいような声で、入るように促された。
職員玄関の下駄箱の隅に、「児童用」と書いた下駄箱を用意され、ここが下駄箱と言われた。うん、これも第二小と同じだ。お母さんも同じ下駄箱に、自分の靴を突っ込んだ。
「改めまして、私今年着任したサポートルーム担当の、藤井です。じゃあサポートルーム案内しますね」
職員玄関の前に職員室があって、その隣に保健室、までは4年生の時と同じ。保健室の隣に「サポートルーム」とある。
「この部屋、前からあったっけ?」
私はサポートルームと書かれた小さな教室を指さす。
「柏原さん4年の時第一小だったけ?」
「そうです」
「前から、あったみたいよ。ただ担当の先生が就くのは今年からだね」
知らなかった。こんな部屋があったの。
第一小のサポートルームは、第二小より小さい。大きな窓も、ソファーも漫画もない。ただ机といすがあるだけ。
そこに座って、担任の先生が来るのを待つように藤井先生に言われた。
プリントの束と、教科書を持って入ってきた。あ、3年の時と同じ先生。
「柏原さん、久しぶりね、元気だった?」
3年の時までは普通に学校に行っていたから、どう話していいいかわからない。先生もそんなように見えた。
ちょっと気まずいような気がした。
プリントの一番上が、年間行事予定表。何気なく、「全国学力・学習状況調査」という文字が目に入った。
「これ、全国で学力を競うのですか?」
と担任に聞いてみた。
「受けてみる?」
学力か・・・なんか第二小の面談で授業出てないのによくできますっていうし・・・興味ある。
「やってみたい」




