第1週 エックス・レンジャー参上
「レッド、ブルー、ピンク、グリーン、イエロー! 正義の味方、五人揃ってエックス・レンジャー、参上!」
クモ男も叫んだ。
「一寸の虫にも五分の魂! 昆虫の足は六本! クモは八本! ツルは千年! カメは万年! 黄色と黒のシマシマ模様! クモ男、見参!」
クモ男は言った。
「ん? 正義の味方? 五人揃って? エックス・レンジャー?」
「そうだ!」
「ほう。俺は一人だぞ。五人で一人を袋叩きにするのか?」
「…………」
「それ、正義か?」
「…………」
「そういうのをな、いじめって言うんだよ。いじめだな、これは。それでも正義なのか? え? どうなんだ?」
エックス・レンジャーの五人は集まった。
「おい、ああいうこと言ってるぞ」
「どうしよう」
「今ね、コンプライアンスとかいろいろあるからね」
「俺、いじめとか言われたら困るな」
「そうだけどね」
「クレーム殺到で放送中止とかなったら困るな」
「どうする?」
「どうするって……でも、五人揃ってエックス・レンジャーなんでしょう?」
「いや、そうだけどね」
「うーん」
「やってみようか」
「しょうがない。やってみよう」
五人はクモ男の前に並んだ。
「五人揃って、エックス・レンジャー!」
「五人で一セットだから、一人扱いという意味か?」
「それを屁理屈と言うのだ。しかも、かなり安易だ。五人でも十人でも百人でも同じだろ。五人で俺一人をいじめるのは同じだぞ。いいのか、それで?」
五人は再び集まった。
「やっぱりダメだわ」
「言われちゃったよ」
「どうしよう」
「どうする?」
「しょうがないな」
「しょうがないな」
「分かった。行こう」
レッドが一人で前へ出た。
「ならば、レッドが一人で戦う!」
クモ男がうなずいた。
「おお、そっかそっか。よし、やろう」
レッドは構えた。
「エックス・レンジャー、レッド!」
「一騎当千! 一刀両断! 一撃必殺! 一石二鳥! 一気通貫! 一期一会! 一攫千金! 一日一善!」
「レッド、一文字斬り!」
クモ男も構える。
「ははは! 一寸の虫にも五分の魂! 昆虫の足は六本! クモは八本! ツルは千年! カメは万年! 黄色と黒のシマシマ模様!」
「クモ男、スパイダーウェブ!」
レッドが大爆発した。
今週は、エックス・レンジャーの敗北だった。




