第87話 VSナーグ ”救出”
投稿が遅れてしまい誠に申し訳御座いません。
自分はどうも文構成が苦手らしく今回投稿する本編もかなりの時間をかけてしまいました。
それでは本編をどうぞ。
〜視点:シルフィア〜
私達はギルドから出た後、直ぐに北門へ向い、北門でフール様がギルドマスターである方から渡されました許可証のようなものを警備兵の方に見せると直ぐに門を通らせてもらえました。
今は門を出て数十メートル先のところにある『デトラの森』の中をレイジ様を救出するために全力で走っています。
因みに私と大きな鎌をいとも簡単に振り回すルビー様とで前を進み、その後ろをフール様とハング様が後を追う形で進んでいます。
「邪魔をするな!『風斬』‼︎」
『ギャイン⁉︎…』
「邪魔をする者は魂を狩らせてもらうぞ!」
「ハァアアア‼︎」
<スパン>
<ドゴン>
レイジ様のもとへ急いでいる私達を拒んでくるコボルトと言う魔獣が集団で襲って来るものの、フール様の放つ魔法の前では的となり次々と餌食になっていき、フール様の魔法から逃れた魔獣を私とルビー様とで退治していきます。
「なぁフールー。レイジとはまだ繋がらないのかー?」
後ろでは逆さまで胡座をかいたままの状態で進んでいらっしゃるハング様がフール様に尋ねていました。
「何回も繰り返して試していますが、何度やっても頭にノイズが走るだけで、礼治様には繋がりません」
フール様はとても悔しそうな表情で答えられました。
レイジ様をお護り出来なかったこと、私達が到着するまでレイジ様が無事なことを祈ることをしかできないことがとても悔しいんだと思います。
そう言う私も、レイジ様の護衛役としてお側にいるはずなのにレイジ様をお護りすることができず、不甲斐ない自分がとても憎いです。
「フール殿。今悔やんでも後の祭りだ。今は一刻でも早くレイジ殿のもとに向かうのが先決」
そんなフール様に対してルビー様がそう言われ。
「其方もだぞシルフィア殿。レイジ殿を助けたいのならば、其方の力を使いレイジ殿を探し出すことを考えよ」
レイジ様をお護り出来なかったことで悔やんでいた私にもフール様と同様に今やるべきことを述べられました。
「確かに今悔やんでも仕方がないですね」
「ありがとうございますルビー様。今はレイジ様を探し出すことだけに全力を尽くします」
ルビー様のお陰で私とフール様は少しだけ吹っ切ることができました。
吹っ切れた私はルビー様に言われた通り、自慢の嗅覚を使いレイジ様を探します。
(この匂いは…違う。……この匂いは…良い香りですがレイジ様の放つ匂いには到底及びません。…この匂いは…ウグ⁉︎獣臭い!レイジ様はこんな悪臭は絶対に放ちません‼︎)
森の中では草花が放つ植物特有の良い匂い、獣や魔獣が放つ獣臭や悪臭が入り混じりあい、多くの匂いが満ちている森の中で私がこの世で一番好きな匂い、レイジ様の匂いを探します。
(…この匂いでもない。…これでもない。この匂いは……‼︎‼︎)
私自身の嗅覚をフルに活用してレイジ様を匂いを嗅ぎ分け始めてから数分後。
吹いてきた風が運んできた多くの匂いの中で、微かにですがレイジ様の匂いがありました。
「こっちの方角にレイジ様がおられます!」
「「「‼︎‼︎‼︎」」」
皆様がその言葉に大きく反応しました。
「それは本当ですかシルフィア⁉︎」
「微かにですがレイジ様の匂いに間違いありません‼︎」
フール様がすごい勢いで尋ねてこられ、それに対して私は自信を持って答えます。
「それでは直ぐに向かいましょう!案内をお願いしますシルフィア‼︎」
「任せてください!」
私はレイジ様の匂いがする方へ走り出し、その後ろからフール様達が後を追うような形でレイジ様のところへ急いで向かいます。
途中で獣や魔獣が襲ってきますが進行の邪魔をする奴から排除していき、私達が通った道には沢山の死体がころがっていきました。
暫く走っているとレイジ様の匂いがしっかりと嗅げるようになり、後数十メートルでレイジ様のもとに辿り着けるところまで来ていました。
(今行きますレイジ様!)
私は更に急ぎレイジ様のもとに向かいました。
そして数分後。開けた場所に出たと同時に信じがたい光景が目に映りました。
それはレイジ様が首を掴まれた状態で足が地面から離れていたのです。
普通、首を絞められれば誰でも苦しくて抵抗する筈なのにレイジ様は何の抵抗もしていなかったのです。
(そんな……。間に合わなかった……)
私は手遅れだったのかと思い、レイジ様がこの世にいないのだと思った瞬間、心臓が止まりそうでした。
<ピクン>
しかし、レイジ様の指が僅かにですが動きました。
それを目で捉えた瞬間、私はレイジ様のもとに走りました。
「『風球』‼︎」
途中でフール様が風魔法を放ち、その魔法が私を追い越し敵の腕に直撃。
「グワァアアア‼︎」
攻撃を喰らった敵は叫び声をあげ、レイジ様の首を絞めていた手を離しました。
「レイジ様‼︎」
そのまま地面に落ちそうになるレイジ様を直前で名前を叫びながら受け止めそのままレイジ様を抱えながらその場を直ぐに離れ敵と距離を置いてから、抱えているレイジ様に目を向けました。
「ゲホゲホ…」
身体中無数の打撲痕や痣などが目立ち。また、骨が折れており重傷でありましたが、気功を確保できたレイジ様は咳き込みながらも呼吸をしており、命に別状がなく私の心を覆っていた不安が一気に晴れたのです。
しかし、私はここで油断をしてしまいました。敵が腕の痛みに悶えながらも此方に向かって来たのです。しかし、ハング様とルビー様が敵と私達との間の進路を塞ぎ。
「『試練の世界』”氷の床”‼︎」
ハング様が呪文を唱えると敵の足下の地面が氷の床に変貌し。
「『死神の大鎌』‼︎」
そこにルビー様が敵に目掛け、大きな鎌を横向きに振るわれ、敵はその攻撃を両腕でガードするも、足下が氷で覆われている為に上手く踏ん張れずに吹き飛ばされていきました。
敵が吹き飛ばされたあと、フール様もこちらに駆け寄って来られ。
「大丈夫ですかレイジ様‼︎」
「遅れてゴメンなレイジー」
「レイジ殿、気をしっかり持て!器から魂を離してはならんぞ‼︎」
「近くにいながら礼治様を御守り出来ず本当に申し訳ございません!…しかし、間に合って良かった。本当に良かった…」
無事だったレイジ様を囲み、それぞれでレイジ様の心配をしたり、謝罪をしたりするものの、レイジ様が無事でよかったと言う思いは皆様と同じだと思います。
(レイジ様が本当に御無事で良かったです)
今週はこの投稿が最後になりますが、年末までには少なくとも二話は投稿ができるように頑張りますので応援よろしくお願いします。




