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タロット占い師は神様に殺され異世界転生  作者: マロンさん
第2章
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第79話 開店前

約二週間振りの投稿です。

大変お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。今回は少し短めですがよろしくお願いします。

では、本編をどうぞ。

「フール。そろそろロウソクとお香に火をつけといてくれる?」


「了解です礼治様」


「レイジ様。お外に看板を立ててきました」


「ありがとうシルフィア」


宣伝兼マジックショーを大成功で収めた翌朝、俺達はギルドの中の受付カウンター横の空きスペースで今日から開店する『タロット』の準備をしていた。


「おーい、レイジの兄貴。言われた通りに並べたけど、あんな感じでよかったか?」


声のした方へと振り向くとそこには『擬態』を使い、角と羽根と尻尾を隠したサタンがそこにおり、更にその後ろには木製のポールが等間隔に並べ、更にポールの上の部分をロープで巻きつけた物(開店前のデパートなどの入り口近くで歩行者の邪魔にならないためによく並べてあるアレ)がギルドの出入り口の扉から先日に造った店の前のところまで並べてあった。


「うん完ペキ。ありがとなサタン」


「それなら良いんだが、それよりもレイジの兄貴。アレをなんとかしないと客なんか一人もこないぞ」


サタンはそう言いながらある方向を指差す。

俺はサタンの指差した方に目を向ける。


「あなた方はどうしてそういつも喧嘩をするのですか!少しは自重しなさい!」


そこにはドス黒いオーラを放ちながら説教をしているテミスがおり、テミスの目の前には目尻から涙を流しながら床に正座をして座っているフォースとロマノフがいた。


「いや、本当に悪かったって。だから頼む。もう許してくれよ」


「そうじゃそうじゃ、そろそろ解放してくれんかのう。足が痺れてたまったもんじゃないのじゃが」


いつもは元気に笑っていることの多い二人なのだが、今の姿からはテミスの放つドス黒いオーラに怯えており、とてもじゃないけど笑っていれる状況じゃなく、二人はなんとかしてテミスからの説教を終わらせようとしていたけど


「なんか言いましたかお二人とも!」


<ドスン>

<バキ>


『ヒィー‼︎』


二人の発言は火に油を注いでしまい、テミスは更にドス黒いオーラを放ち、床を蹴り、床板を凹ませた。

その光景に怒られている二人の他にフールやシルフィアやサタン、それからギルド内にいるギルド職員さんや冒険者達も悲鳴を上げてしまった。


(後で弁償しないとな)


俺は悲鳴を上げなかったものの少し驚き、弁償のことを考えながらどうしてこうなったかを思い返した。


〜数十分前〜

「おはようございます。レイジ様、フール様、シルフィアさん」


「おはようございます。マリーさん」


朝の8時を報せる鐘が鳴っていた頃、自分達はギルドの受付カウンターに来ており、マリーさんと挨拶を交わしていたところである。


「今日からお店の方を頑張ってくださいませ」


マリーさんは相変わらず優しく接してくれるので、とてもありがたかった。


「はい。マリーさんの応援に応えれるよう頑張ります」


そうして会話を済ませてから俺の仕事場である空きスペースに移動した。

そこで『アイテムボックス(極)』から店を取り出した。

最初の頃はカバンから出すフリをしていたけど、それは目立たないようにするためであり、もう既に手遅れなことなので、今では普通に『アイテムボックス(極)』からアイテムを取り出している。


「よし、じゃあ準備を始めるかな」


「礼治様、その前にテミス達を呼びませんと後で私が怒られてしまいます」


早速準備を始めようとした時にフールがそう言ってきた。

実はフールが近況報告から戻ってきた時に『準備の際には私とサタン、それからフォースとロマノフをお呼びくださいませ』とテミスからの伝言を受けていたのだ。


「そうだったね。ごめんねフール」


そのことを忘れていた俺はフールに一度謝ってから右の手のひらを前にかざす。


「『タロットマジック』大アルカナ、NO.4『エンペラー』、NO.8『ストロング』、NO.11『ジャスティス』、NO.15『デビル』」


呪文を唱え、光が放たれたその時だった。


「「ハァアーーー‼︎」」


「ヘェ?」


<ガシャーン>


光が収まると同時にフォースの得物である黒鉄製のガントレットとロマノフの得物である両手に装備した鉄製の大楯が大きな音を出してぶつかり合った。


「うおぁ⁉︎」


「「礼治様(レイジ様)‼︎」」


その際に一番近くにいた俺は衝突の際に発生した衝撃波によって後ろに吹き飛ばされ壁に背中を強打した。

その後、吹き飛ばされた俺のところにフールとシルフィアが慌てて駆け寄って来たけど俺はそこで気絶してしまった。

気絶と言ってもものの数分で意識を取り戻し、目が覚めた時にはフールとシルフィアに抱きしめられ、フール達越しにフォースとロマノフがテミスからガミガミと説教を受けていた。

因み、準備中にサタンから聞いた話だけど、二人はよく喧嘩をするらしく、今回の喧嘩の原因は意見の相違らしい。

店の開店時間も迫っている中でテミスの説教は終わりが見えないので二人に助け船を出す。


「そもそもあなた方は「ちょっと良いかなテミス?」…!レイジ様お目覚めになられたのですね!お怪我はありませんか⁉︎」


先程までドス黒いオーラを放っていたテミスは俺に気付くとすぐにオーラを放つのをやめて、此方を心配してくれた。


「怪我の方は大丈夫だよ。それよりも二人とも反省してるみたいだし、そろそろ許してあげて」


「レイジ…」


「レイジ殿…」


俺の発言を聞き、フォースとロマノフは期待の眼差を俺に向けてきた。


「はぁー、仕方ありませんね。レイジ様に免じて今回はここまでにしますが、次回また同じことがあった場合は説教に加えて何かしらのペナルティーを下しますので肝に銘じておいてください」


テミスは溜息を吐きながらも二人に釘を刺して説教を終わらせてくれた。


「じゃあそろそろ開店しますか」


俺はこれから開店する店に向かおうと方向転換しようとした。


「ちょっと待ってくれレイジ」


「?」


フォースに呼び止められたので振り返る。


「もう少し待っててくれないか…」


「足が痺れて動けんのじゃ…」


二人とも正座をしていた為に暫くはその場から動けそうになかった。


「あ…うん」


初日は少々遅れての開店になりました。

次回からは二、三日に一度のペースで投稿できるように頑張ります。


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