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タロット占い師は神様に殺され異世界転生  作者: マロンさん
第2章
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第46話 シルフィア

何時もより早めの投稿ですどうぞ。

目を付けた彼女は身長は156センチで背中にまで軽く届く綺麗な銀色の長い髪に瞳の色は暗い紺色でありそれに加えて獣人族である為に頭の上にはピンと立った犬耳があり腰のあたりから少し膨らみのある尻尾が垂れ下がっていた。


過去の俺と同じ目をしている彼女のステータスを『ステータスチェック(自・相)』で改めて確認した。


____________________

シルフィア(15)♀獣人族(ベース:フェンリル)

レベル:7

職業:奴隷(獣戦士)

(所有者:奴隷商)

筋力:70

体力:90

耐性:80

敏捷:60(100)

魔力:20

魔耐:20

運 :30

称号

フェンリル(未解放)

スキル

鈍器術、俊足:2

特有スキル

嗅覚強化、聴覚強化

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


改めて確認してみると知らない称号やスキルがあったので更に詳しく調べてみた。


ー称号ー

フェンリル(未解放)

フェンリルの血を受け継ぐ獣人。まだ未熟のためフェンリル本来の力を解放できずにいる。


ースキルー

《鈍器術》

鈍器術を極めた者に贈られるスキル。


《敏速強化:2》

敏速を40アップする。


ー特有スキルー

《嗅覚強化》

通常より嗅覚が優れているため離れた敵の匂いを嗅ぎ分けることができるスキル。


《聴覚強化》

通常より聴覚が敏感に反応するため小さい音を捉えることができるスキル。


確かに前衛向きであるがそれよりも今の俺には彼女がどういう経緯で奴隷になったのかが気になったので後ろに振り返りボグレスさんの側まで戻った。


「どうでしたかレイジ様。目ぼしい人財はおられましたか?」


ボグレスさんは俺が戻ってくるなりそう尋ねてきた。


「ボグレスさんすみませんが、左から四番目の彼女について教えてもらえますか」


「これはこれはレイジ様お目が高い。彼女の名前はシルフィアと言い大変貴重なフェンリルの獣人でございまして、実は一昨日に此方に到着したばかりでございます」


俺は名前も彼女がフェンリルの獣人であることも知っておりそれよりも他のことが聞きたかった。


「彼女がどういった経緯で奴隷になったか分かりますか?」


俺が一番知りたいことをボグレスさんに尋ねた。


「誠に申し訳ございませんレイジ様。実は先ほど申し上げましたように彼女は一昨日ここに到着したばかりでございまして、尚且つ昨日の緊急避難といい余り時間が無く、また彼女は私達と余り喋ろうとしてくれず私達も彼女につきましては余り把握できていないのです。しかし、唯一つ分かることと申しますと彼女は意識を失っているときに同じフェンリルの獣人族が支店に売りに来たと聞いております」


ボグレスさんは彼女についての情報が不足していることに頭を下げ謝罪した後で彼女の売られた時のことを説明してくれた。


「本人が意識を持っていなかったのに奴隷として売られていたんですか」


「はい。誠にお恥ずかしい限りで、フェンリルの獣人は大変貴重で支店の取締役が彼女の意思を聴かずに買い取ってしまったのです」


俺から見てボグレスさんの顔には自分が悪いわけでもないのに凄い罪悪感を感じており、とても後悔をしていることが容易にわかってしまった。


俺はもう一度彼女の方を見たが何度見ても過去の俺と同じ暗く何もかも信じられないという目をしていた。


「ボグレスさん、彼女と一度お話ししてもよろしいでしょうか?」


意を決してボグレスさんに彼女と話ができるように頼んだ。


「はい。レイジ様がそうしたいのであれば直ちに準備させますので少々お時間を頂きます」


ボグレスさんは言い終わると直ぐに他の従業員に指示を出し準備に取り掛かってくれた。


いつの間にか残りの奴隷は戻されボグレスさん達は準備で部屋を出て行ってしまったので今その部屋にいるのは俺とフールの二人だけだった。


「礼治様、あの娘を護衛役にするおつもりですか?」


そんな中、先程から俺の隣でずっと黙っていたフールが声をかけてきた。


「ああ、ごめんなフール。勝手に俺だけで決めたりして」


「いえ、これは礼治様がお決めになることですので私は構いません。ただお一つ確認したいことがあります」


「確認したいこと?」


フールの言葉を俺はそのまま返した。


「はいそうです。礼治様はあの娘から何を感じたんですか?」


フールは的を的確に射抜いた質問をしてきた。


「ハハハ。やっぱりフールには気付かれたか」


「礼治様があの娘を見た途端表情を変えられましたからね。ずっと礼治様のお側にいた私なら簡単にわかります」


フールは当然とばかりに答えてくれた。


「フールには敵わないな」


俺はそう言った後、フールに自分が彼女を見てどう感じたかを話し始めた。


「多分だけど彼女は俺と同じなんだと思う」


「礼治様とですか?」


フールは真剣な顔で俺に聞き返してきた。


「ああ、俺とね。だから俺は彼女の心の闇を取り除きたいんだ。俺が異世界に来て初めての夜にフールが俺の心の闇を取り除いてくれた時のようにね」


俺が異世界に来て最初の日の夜の出来事を思い出していた。


「礼治様…」


<ギュ>


フールもその日のことを思い出したらしく、その後でフールは右手で俺の左手を優しく握ってきてくれた。

それに対して俺もフールの右手を俺の左手で優しく握り返した。

そうして自分達が見つめ合っていると。


<ガチャ>


「「<ビクン>‼︎」」


突然、部屋の扉が開きボグレスさんが入ってきたので俺達は驚き、また急いで離れた。


「レイジ様準備が整いました。……あのう、どうかなさいましたか?」


ボグレスさんは俺とフールとの微妙な距離間に疑問符をつけた。


「いえ、別に大したことはありません!なぁフール」


「はいそうです。別に大したことは何もありません!」


俺達はお互いに顔を赤くさせながら何もなかったと主張した。


「そうですか。それではご案内しますのでこちらへお越しくださいませ」


ボグレスさんは何かを察してくれたのかそれ以上は何も聴かずに隣の部屋に案内してくれた。


俺達はそのままボグレスさんの後についていき隣の部屋に行きボグレスさんがその部屋の扉を開けた。

部屋の中には椅子が三脚置かれておりそのうちの一脚に獣人の彼女が座っていた。

ボグレスさんが俺達を彼女の前に置かれている椅子まで案内してくれると。


「レイジ様、フール様。これからお二人にはフェンリルの獣人であるシルフィアとお話しをして頂くのですが、もし人財に手を出そうとされましたら警報がなる仕掛けになっておりますのでご注意くださいませ。また、話が終わりましたら外で待機していますので声をお掛けください。尚、部屋には防音対策を施していますので音漏れはありませんので。では、私は一度失礼させて頂きます」


ボグレスさんは注意事項を説明してくれた後で部屋を後にした。


俺とフールはボグレスさんが部屋を出たことを確認してから椅子に座り獣人の彼女、シルフィアさんに顔を向けた。


シルフィアさんはここまで一言も喋っておらず、ずっと黙っていた。


俺はこのままだと拉致があかないので初めに挨拶をすることにした。


「初めまして。俺はEランクで初級冒険者の礼治と言います。どうぞよろしくお願いします」


「私も礼治様と同じくEランクの初級冒険者のフールと申します。どうぞよろしくお願いいたします」


フールも後に続けて挨拶をした。


〔……奴隷…なんで……〕


すると彼女は小さい声でありながらも何かを喋った。

俺達も彼女の声は少しは聞き取れたが他の部分は聞き取れなかった。


「俺はシルフィアさん。貴方と話がしたいので、できればもう少し声量を上げてもらっても良いですか」


声の高さを上げるようにシルフィアさんに頼んだ。

すると突然彼女は顔を俺に向けそして。


「何で奴隷の私にそんな敬語を使うんですか⁉︎私は一族からゴミの様に捨てられたんですよ⁉︎そんな私に如何して⁉︎何で⁉︎」


シルフィアさんは突然立ち上がり大声で叫びながらそう投げかけてきた。


俺とフールは先程まで何も喋らずにいたシルフィアさんの態度の豹変ぶりに一瞬黙り込んでしまった。しかし、直ぐに俺はシルフィアさんを落ち着かせる様に椅子から立ち上がり。


「落ち着いてくださいシルフィアさん。一旦椅子に座って落ち着きましょう」


「そうです一旦落ち着きましょうシルフィアさん」


フールも立ち上がり俺に加勢してくれた。


「だから何で私なんか、ゴミの価値しかないのにそんな敬語を使うんですか⁉︎如何して⁉︎如何してなんですか⁉︎」


しかし、シルフィアさんもなかなか落ち着かず暫くの間、俺達三人は立ったままの状態が続いた。

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