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再認識7話

今日も無理せず、無事に一日を終えられたらいいですね。

無事に一日を終えられたら、悩みや心配を忘れてゆっくりお休みください。

お休みの時間なら、私の作品とともに明日への準備ができることを願っています。

読者の皆様の人生に、私の作品が大きな助けになることはできないかもしれませんが、

少しでも活力の源になれたら嬉しいです。

いつも作品を読んでくださって本当にありがとうございます。

大好きです、読者の皆様。

心の平静を取り戻そうとしていた。

そして確かに、一時は穏やかさを感じてもいた。


だが、その認識もほんの束の間だった。


少し視線を向ければ、戦闘の爪痕が嫌でも目に入る。


(俺は人間だ。俺は何者でもない。俺は衆生だ……)


再び自分を見失いそうになるたび、

俺は自分が何者なのかを確かめるように、その言葉を繰り返した。


『ガチャ、ガチャ』

『ドン』


「お疲れ様でした、坊っちゃん」


戦闘開始直後に崩れ落ちた荷物の下敷きになったのだろう。

何人かの兵士は血一滴ついていないまま、荷の山に埋もれていた。


護衛の兵士たちは、その悲惨な光景を見せまいと俺の前へ立つ。

精神が耐えきれなくなる事態を防ごうとしているのだ。


それでも見えてしまう。


人の命が、まるで羽虫のように軽く感じられる虚しい光景が。


「ふぅ……」


深く息を吐き、俺は遠くの山を見つめた。


ポジウェル家領は、とにかく山が遠い。

前世――東洋圏、アジアのどこかで見慣れていた、すぐ目の前に山がある景色とはまるで違っていた。


『ザッ』


分隊長章を付けた兵士が近づいてきたのを見て、俺は問いかける。


「次はどこだ?」


俺が珍しく積極的な姿勢を見せたからか、兵士はわずかに驚いたように口を開いた。


「終わりです」


「……冗談だろ?」


「いえ。坊っちゃんには十分すぎるほど働いていただきました」


「まだ残っているはずだが……」


そう言うと、兵士はこれまで通ってきた場所を指差した。


「ご覧ください。めちゃくちゃだった場所が、あれだけ片付いたんです。全部、坊っちゃんが力を貸してくださったおかげですよ」


「そう……なのか」


俺がまだ納得しきれていないと、兵士は苦笑混じりに続ける。


「信じがたいでしょうが事実です。それに、坊っちゃんに嘘を言って俺たちに何の得があるんです?」


「ははっ。減給されたうえ、一ヶ月便所掃除ってのも“得”と言えるんじゃないか?」


「おいおい! それのどこが得なんですか!」


「がははははっ! 違いねぇ!」


兵士たちは、俺を気遣っているのだろう。

くだらない冗談を飛ばしながら、必死に空気を軽くしようとしていた。


作業終了を報告するため、俺は機体を率いて指揮所へ向かう。


(もっと多くの物が必要になるな……)


直感していた。


今回の戦闘など、これから起きる出来事に比べれば前座に過ぎない。


エーテルブレードでも、序盤を越えれば邪教徒たちの蜂起が始まっていた。

今回の事件も、その流れに沿ったものだろう。


記憶が正しければ、今後は物資も人材も膨大に消耗される。


(争いというものは、そういう性質を持っている)


利点もある。

大規模戦争や局地戦は、多くの分野で人類の発展を促してきた。


だが、それとは別に――争いはあらゆるものを貪り喰う。


人間らしい心。

命。

平和。


いつまでも続くと信じていたものが、炎の中へ投げ込まれ、呆気なく消えていく。


そして失って初めて、人はそれらを渇望する。

何十年も経ってから、ようやく僅かばかり取り戻せるとも知らずに。


だから俺は、争いも戦争も嫌いだ。


(皮肉な話だが……)


そうした不幸があるからこそ、

俺はやり甲斐を感じ、必要とされる仕事ができる。


馬鹿げた綺麗事だと笑う者もいるだろう。


だが、どんな物事にも陰と陽がある。

善いこともあれば、悪いこともある。


人に手を差し伸べ、世の中へ貢献できれば、

少しでも生きやすい世界へ変えられる。


永遠に平和が続く時代では、決して得られない実感だ。


(こんな考え、変わってると思われるだろうな)


だが、今まで多くのことを経験し、確信していた。


俺は不条理を味わってきた。

だからといって、無関係な人々まで同じ苦しみを味わう必要はない。


恨みを抱え、無差別に報復したところで、

世界も、人の心も、決して豊かにはならないのだから。


「作業終了しました、少領殿」


『ビシッ』


俺を護衛していた兵士たちを率いる分隊長は、

エバン少領へ敬礼しながら報告した。


「おう、ご苦労さんじゃった……って、なんじゃこりゃ!?」


エバン少領は、山積みの書類と格闘していた。

だから他の部下へ向ける時と同じ調子で反応したのだろう。


だが直後、俺が操縦してきた機体の影に気づき、飛び上がるほど驚いた。


「ほんに終わったんかい?」


「坊っちゃんが必死に動いてくださったおかげで、かなり早く終わりました」


「そういうことかい……」


エバン少領は、俺が改造した機体をじっと見つめながら呟く。


「……数機ありゃ、だいぶ変わるじゃろうになぁ」


声が小さく、内容は聞き取れなかった。

だが、その表情を見れば分かる。


近いうちに、追加を頼み込んでくる――そんな予感があった。


機体を隅々まで観察している少領へ、コクピットから降りた俺は疲れた声で尋ねる。


「今日中に出発はできそうか?」


「もちろんですたい! ここまで片付きゃ十分ですけん!」


機体の装備を眺めながら、ときおり鋭い目を見せるエバン少領。


頼もしい助言者になってくれそうだ――そんなことを思いながら外の空気を味わっていると、彼がふと思い出したように言った。


「あと三時間もありゃ準備は終わりますけん、日暮れ前には到着できますばい」


その言葉を聞き、俺はようやく胸を撫で下ろした。


「なら……俺は戻って整備でもしている」


「心配せんでよかですたい!」


そうして俺はエバン少領を後にし、

改造機――そしてこいつを運ぶため特別に改造した馬車へ戻っていった。

次回の話は2026年5月9日(土)午後8時にアップロードされる予定です。

ぜひご覧ください!

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