第51回 あらすじ(50回まで)
いつも翡翠記をご愛読頂きありがとう御座います。
翡翠記はだらだらと、お話が進み、いったい以前どういう話だったか思い出せないのではないでしょうか。
作者側では、全て記憶にあるのですが、読者の皆さんは、素人作品の一つなど、そんなに記憶できるものではありません。そこで今回、過去の話を容易く思い出して頂けるよう、あらすじ回を用意いたしました。
これまでの50回について、概略のみの紹介になりましたが。むろん、お暇では無い方はここを読まれても、おおよその内容は分かると思います。
** 第一回 静かな港町 **
西部の小さな港町マーレに、知勇に優れた若者がいました。彼の名はグレーティア。靴屋の息子でした。彼も独り立ちしなければ成らない歳となっており、兄と同様に靴職人になるか、全く家業とは違った道を選ぶかで、悩んでいました。このことについて両親も気がかりで、心配していましたが、彼の興味は全く仕事に結びつかないものに向かっていました。彼には師匠がいて、ビルトスという薬剤師でした。若者はこの物知り老人から、多種多様な学問と魔法を身につけていたのでした。彼は師に憧れをもっていて、ぼんやりと夢を抱いていました。そして、彼の近くにはいっも幼なじみのパン屋の娘プエラがいて、いつも彼を元気づけるのでした。
** 第二回 師最期の戦い **
自分の進路に悩み、相談しようとグレーティアは、仲良しのプエラと森にある師匠の家を訪ねていったのでした。しかし、森に行ってみると、師ビルトスを謎の魔法使い達が大勢で襲っていたのでした。グレーティアは師を助けに向かいましたが、逆にビルトスの足手まといになり、支えきれなくなった師は禁断魔法イルマットを使い、自分もろとも敵を滅ぼしたのでした。亡くなる寸前に師は彼が命を狙われているので、アデベニオのメディカス老師のもとに逃れよと伝えて息絶えます。ところがこの時、敵の魔法使いも息があり、死ぬ間際にグレーティアに魔法をかけ、女性と化させてしまうのでした。
** 第三回 旅立ち **
グレーティアとプエラは彼の家に帰ると、両親に師が何者かに殺害され、女性に変えられたことを伝えます。ここで両親は、実はグレーティアが自分たちの本当の子供でなくビルトスから預けられた子であることを打ち明けます。衝撃の事実を聞いた彼女は、自分に出生の秘密があり、それ故に命を狙われているのを悟るのでした。彼女は追っ手が来ない内にとアデベニオ行きを決意するのでした。
両親と別れを告げると、彼女は夜の道を歩み始めましたが、それを追いかけてきたのはなんとプエラでした。こうして二人の旅は始まったのでした。
** 第四回 旋風とともに **
二人が裏街道を逃れていると、怪物退治で通行止めに行き当たってしまいました。魔法で怪物は退けられるものの、追っ手に感づかれるのを警戒したグレーティアは、怪物退治の一員である斧の使い手のソシウスの手柄にして、村を突破しようと計画しました。
ソシウスはなかなかの勇者で、計画通りに二人だけで怪物達を退治出来て、グレーティアは無事村を抜けたのでした。しかし彼女の魔法に惹かれたソシウスは怪物ハンターに迎え入れようと、後を追うのでした。
** 第五話 追跡者との遭遇 **
怪物がソシウスの斧で退治されたかのように工作していたのは、追っ手の魔法使いペコーによって見破られてしまいました。やがてグレーティア達は彼らに追いつかれ、草原で死闘をすることに、なったのでした。草の茂った原っぱを利用して、奇襲で次々に敵を倒してなんとか逃げ切ろうとしましたが、相手が一枚上手で、ソシウスも石の攻撃に倒れ、彼女も巨石に踏みつぶされようとしました。ところが一巻の終わりと思えた瞬間、巨石と魔法使いは二つに切られ、地面に転がり、彼女は急死に一生を得たのでした。誰によって救われたのか彼女には全く分かりません。此の戦いにおいて、敵がなんの目的で自分の命を狙うか知ることが出来ました。それは彼女が災いの種であり、それによりパテリアが滅ぶというものでした。
** 第六話 過去からの伝言 **
戦いの傷を癒やすためソシウスの実家に立ち寄りました。ここでグレーティアがこれまでのいきさつをソシウスに話し、着いてこないように説得しました。しかし女に変えられたことにソシウスは同情すると、諦めず彼女を仲間にしようとアデベニオまで旅をする決心をしました。プエラも何処までもついて行くつもりで、一同は北に向かったのでした。
カーボの町に着いたソシウスは怪物退治の賞金をうけとると、その話を聞きつけた、元領主センド公の招きを受けて、彼の居城についていったのでした。この城でグレーティアは豊饒魔法の使い手のアビエスと出逢い、千年前今では考えられないような魔法が有ったことを教えられました。かつて此の地で戦いが行われ、その威力の爪痕は城の城壁に刻まれていたのでした。そしてもう一つセンド公のコレクションの像がなにかのきっかけで、発動しグレーティアを襲いました。彼女は魔法でこれらを粉砕しましたが、今は失われた道具が遙か昔に存在したことを知ったのでした。
** 第七回 狙撃者 **
三人は追跡を振り切るため、山道を移動しました。山中で彼らは祠を見つけそれが砕けた剣を祀られているものだと知ったのでした。その後、山道を進んで行き、プエラが花を摘もうと強引にグレーティアを引っ張ると矢が地面に刺さり、暗殺者が狙っているのを悟ったでした。すぐさまグレーティアとソシウスは敵を倒そうとしましたが、敵もソシウスと互角の戦いをし、グレーティアも危うく仕留められそうになります、しかし、男は何かに警戒したのか、突然逃れたのでした。その後再び暗殺者は広っぱで、グレーティア達を待ち構え、再び弓で射止めようとしましたが、そこに町に向う怪物の群れが出現し、男は暗殺を止め、怪物に戦いを挑んだのでした。しかし男はたった一人での戦いでしたので、グレーティア達は男の救援に向かい、彼を助けたのでした。
** 第八回 町の防衛戦 **
その町の北に怪物の群れが突如発生し、大集団が町を目指し移動していました。グレーティアを暗殺しようとした男の名はレピダスといいました。彼は彼女の魔法の力で、怪物から町を守ろうとし話をを持ちかけたのでした。暗殺は止めるとの約束のもと、グレーティアは怪物退治に協力することになりました。町までの広く盆地になったような場所で軍隊は怪物を撃退しようとしていました。グレーティア、ソシウスとレピダスは、一番最前列、平野の中に一つ盛り上がった場所で怪物を待ち構えました。盆地の中にやってきたのは、三千頭の怪物の群れでした。凶暴な怪物はきりが無いほど襲いかかり、なんとか撃退したものの、何頭か大物を捕り逃がしてしまったのでした。慌ててソシウスとレピダスは追いかけ、ソシウスは町の真ん中で怪物と激闘の末退治しましたが、レピダスはは獣を阻止したものの、町の人が怪物用に作った罠に誤ってはまり胸を串刺しになったのでした。人々は彼が死んだものとしました。しかしレピダスは、グレーティアの持つクリスタルの力によって救われたのでした。
** 第九回 生殺与奪権を持って **
レピダスはグレーティアに三度助けられ、彼女に協力することにしました。彼は逃れるには西に山越えするべきだと主張し、グレーティアは彼を信用しました。ここでレピダスの口から、彼女を狙っている者達の正体を知ることなるのでした。それを聞いたグレーティア達を絶望的にさせたのは、彼女の命を狙っているのはパテリア王家だったからでした。
ここでプエラはフィディアという少女に出会います。彼女は伯父さんの家に養女として暮らしていました。おばさんが亡くなり、引き続き伯父さんも亡くなると、後妻として家に入ってきたウルマという女に小間使いとして、酷使されていたのでした。プエラは彼女が虐められていないか心配になって様子を眺めていると、なんと女は麻薬の栽培をしている親玉でした。しかもその女はレピダスが知っている悪党でした。
麻薬の秘密を知られた悪党達は、レピダスとプエラを殺害しようとし、そこにグレーティア達が救援に向かいました。ウルマという女ボスは防御魔法が使えました。此の技にソシウス達は苦しみました。グレーティアは防御魔法が弱いもので有ることが分かり、自分の攻撃魔法を手加減なしに使えば、人を殺めてしまうと感じ、技が放せませんでした。そうこうする内に、とてもフィディア救出は難しくなり、全員撤退したのでした。
** 第十回 平穏と栄光 **
レピダスによれば、麻薬栽培が発見されたので、組織のものは証拠を消して去ってしまい、そのときフィディアも始末されてしまうであろうとの事でした。魔法で人を殺す事に躊躇していたグレ−ティアも、いつまでも悩んでばかり出来ませんでした。
早速フィディア救出に向かってみると、案の定、彼女は殺される寸前でした。グレーティア達が乗り込んでくると、ウルマの女ボスも仲間を引き連れ、出てきました。どちらも一斉に突撃し、ウルマは防御魔法を発動しましたが、グレーティアの雷撃が襲い、彼女は消し飛んだのでした。初めてグレーティアは人を殺めたのでした。
フィディアは救出されましたが、彼女は誰も居ない場所に留まることを望まず、何年も前に分かれた祖母の元に行くことを決意し、伯父さんの形見の竪琴を提げると、グレーティア達と旅をすることにしました。
田舎町にお父さん、お母さん、男の子二人の四人の家族が居ました。農業を生業としていましたが、その家に訪問者がありました。男はお父さんに魔法使いの娘を殺せば、罪を許し職場復帰させるという話を持って来たのでした。お父さんの名前はアクイロ。かつて国の魔法使いであった人物でした。今は農業をしており、妻は危険な国の魔法使いより、一家団らんな農業で暮らす事を欲していました。アクイロも妻の願いに沿っていましたが、町で、グレーティア達の事を聞きおよび、職場復帰の夢をもってしまったのでした。
** 第十一回 向かい風 **
アクイロの子供が町で遊んでいると、旅のお姉さん達と出逢いました。その中の一人のお姉さんとは気があって、玩具の飛ばしっこをしたり、剣の扱いを教えてくれました。少年はお姉さんが大好きになりましたが、明日町を出ると聞いて残念そうにしました。
このことを家に帰り伝えると、お父さんの様子が変わりました。
アクイロは子供の話を聞いて、その娘が女魔法使いであると確信しました。翌朝アクイロは妻に内緒で出かけ、道が岡の頂上に差しかかる場所でグレーティア達を待ち構えました。アクイロは風の魔法使いでした。魔法使いが現れるとレピダスは、去ってしまい。ソシウスとグレーティアが戦うことになりました。しかしソシウスは吹き飛ばされ、グレーティアとの一対一の戦いになりました。両者互角の戦いを繰り広げていましたが、彼女が優勢にに思えた瞬間、罠にかかってしまったのに気がついたのでした。彼女は密かに空気を奪われ気を失いかけていました。
これを救ったのがレピダスでした。わざと裏切ってみせ、敵の勘定外にしていたのでした。彼は矢を放つと、それはアクイロを射貫いたのでした。
父親が亡くなったことも知らず、子供は父親をどこまでも探しに行ったのでした。
** 第十二回 反乱の眼 **
プエラ達が旅先の湖で小休止していると、湖に怪物が出現しました。大きな怪物でとても自分たちでは倒せそうもありません。ところがどこからともなく三人の人物が現れ怪物を容易く退治したのでした。彼らは、若い青年のトラボー、と連れのフィデスとファルコと呼ばれる人物でした。彼らはガッリアから来たらしく、青年がいうのには、悪い伯父さんに家を乗っ取られ、取り返しに行くところということでした。
彼らと別れたグレーティア達は彼女の謎、それから転身の術の解除を求めて、隠居生活をしている、ハレエレシスを訪問することにしたのでした。ハレエレシスは快く出迎えてくれましたが、転身の術を破る方法については知りませんでした。ここで老人はパテリアには昔から魔法が存在しなかったこと、怪物達も生息してなかったこと、そしてそれらの研究をパテリアの三巨頭がしていたことを教えたのでした。
グレーティア達が去るのと、入れ替わるようにトラボー達が老人を訪ねてきました。これまで何度訪問しても首を縦に振らなかった、老人が仲間になる約束をしたのでした。ハレエレシスは彼女に出逢い何かを決意したようでした。
**第十三回 矛と盾 **
湖に囲まれた、ウラナの町でプエラとフィディアがボート遊びをしていると、何処からか怪しい船が近づいてきて、二人を攫って行きました。グレーティア達は急ぎ追いかけると、そこは古城でした。城の中へと進み、敵を倒して行き、奥でレビダスは別行動でプエラ達を探し、ソシウスとグレーティアは進むと競技場へと出たのでした。レピダスは無事プエラ達を保護しましたが、ソシウス達は敵の真っ只中でした。彼らを待ち構えていたのはムルコという防御魔法の使い手でした。此の人物は麻薬栽培をしていた、ウルマの兄でした。妹の敵を討とうと、プエラ達を攫いおびき寄せたというわけでした。
ムルコの防御魔法は強力で、攻撃魔法ははじかれてしまいます。そこでグレーティア達は一気に崖を下ると、そこで待ち構えました。グレーティアの攻撃魔法が通じないと分かったムルコは自信満々で彼女に迫って来ていましたが、罠にかかったことに気がつかず、彼女が魔法で崖を粉砕すると、生きたまま土砂に埋もれてしまったのでした。
こうして、ムルコ達は地上に出られず、グレーティア達は古城を後にしたのでした。
** 第十四回 旅芸人 **
政府の追跡を逃れアデベニオを目指すグレーティア達は、警戒網の強いビダ街道をシルバの森へと逃れる為に旅芸人に扮装し、突破を試みるのでした。そのころレピダスに恋い焦がれる蘭公主は、レピダスが亡くなったと聞き及びましたが、信じ切れていませんでした。
そこで彼女は、町の千里眼を持つ老婆に見て貰うことにしました。水に映った彼の姿に生きていると安堵した姫でしたが、その側に美しい娘の姿を目撃し、その娘にそそのかされて帰って来ないのだと、嫉妬の心を起こしたのでした。怒りに狂った姫はコレガとソダリスの黒虎騎士にレピダスを連れ戻すように命じたのでした。
さて、グレーティア達のソサの町の関所突破は、どうなったかと言うと、彼女達の努力の成果が実って無事達成できたのでした。
** 第十五回 チャリオット **
遡ること半年前、若い赤鬼騎士のストレニウスは五年ぶりに故郷ルミエに帰ってみると、姦臣が権威を傘に横暴な振るまいをしていました。行政長官の息子ガナイは人妻(義兄ビリーの妻マリラ)に横恋慕し、ビリーは怒りガナイを懲らしめたのでした。これに逆恨みを持ったガナイは父カリディアスに告げ口すると、彼は激怒しビリーを無実の罪で二度と戻れない監獄島、エルガスツルム送りにしようとしたのでした。
ビリーを救出しようとストレニウスの父の仲間が救出に向かいましたが、救出は成功したものの父トリスは帰らぬ人となりました。これに怒ったストレニウスはビリーとマリラさらに妹のソロアを古都ナティビタスに逃がすと、彼はルミエに残り佞臣をかたづけることにしたのでした。
ナガイは料亭で手足を切断し殺し、知県のカリディアスは庁舎で堂々乗り込み殺害したのでした。こうしてストレニウスは罪人となり、どこかに消えたのでした。
** 第十六回 花嫁 **
グレーティア達は関所を無事突破したしたものの、疑いは晴れず、役人の監視を受け、仕方なく旅芸人のふりをしていました。ある町で、村の婚礼の宴に来て貰もらいたいと出演依頼を受けた一同は、旅芸人のふりをするため受けたのでした。
その頃別行動だったレピダスはストレニウスという長剣の人物と出逢い、彼と行動を共にすることになりました。ストレニウスは旅芸人一美人だったグレーティアに惚れ、後を追っかけたのでした。
グレーティア一行は村に到着すると歓迎を受けました。食事を出され、くつろいでいると、眠りにはいっていったのでした。実は村人は、旅人を捕まえては、娘を山賊に送り届けていたのでした。娘達は山に送られ、ソシウスが始末されそうになったとき、レピダスがやってきて彼を救ったのでした。一方ストレニウスは山賊の住み処に単身乗り込むと、賊をなぎ倒し、グレーティア達を救出したのでした。途中ソシウスを賊と勘違いし戦うことになりましたが、誤解が解けると、仲間となったのでした。
** 第十七回 薔薇の少女 **
隣国ヘテロに宰相の娘ローサがいました。この世界では女性の攻撃魔法の使い手は、存在しえないはずでしたが、何故かグレーティアそしてローサの二人が存在していました。
ローサは何不自由なく宰相の娘として育ってきましたが、彼女にも満たされぬものがありました。それは彼女が養女であり愛されていないのでは無いかとの不安と、父がワルコなる娘に全身全霊思いを向けていることに対する嫉妬の心が渦巻いていたのでした。それで彼女は父親に気に入られようと、密かに魔法の術を習得したのでした。
父に呼ばれたローサは、アデベニオへの巡礼の旅をせよと命令を受けます。その意味についてローサは分かりかねましたが、父が自分に目を向けてくれることに嬉しくなり、密かにローサに恋心を抱いている白狼騎士のチューバとともにパテリアに向かったのでした。
巡礼の旅の途中、夜の町で怪物達の襲撃を受けたローサは、魔法の力でこれを撃退します。それらの怪物はワルコという娘によって召喚された、冥界の門からやってきた生物でした。
** 第十八回 無法地帯 **
パテリアの宰相デスペロは、ヘテロと戦っている東部戦線から魔法使い達を割いてでも西部でのワルコ捕獲作戦を行っているのに、何の成果もないのにいらだっていました。ワルコが成長してしまっては命を奪うことが不可能になるからでした。部下のウーマーが隣ヘテロが同じくワルコ探索に潜入しているとの報を聞くと尚更でした。
一方、もうひとり部下であるプロディティオは宰相の夢を抱き、ウーマーに一歩リードされていることから那破皇子を王位につけ、挽回しようと奔走するのでした。
無法地帯に入ったグレーティア達は、もう政府の監視もいなくなり胸を撫でおろしました。とある町で酒を飲んでいたストレニウスとソシウスは高利貸しに苦しむ親子に出会います。元金分はとっくに終わっているものの、難癖をつけられ娘を借金のカタに要求されているとのことでした。正義感の強いストレニウスは怒って、金貸しの所に行き注意するつもりが殺してしまったのでした。
身内を殺されて怒った、この町を支配しているベラ一家は早速報復にやってきて、ストレニウス達と戦いになったのでした。ベラ一家にはツタメアという幻術使いがいて、グレーティア達は視界を奪われピンチになりますが、そこにかけつけたレピダスが敵を全員を仕留め、助かるのでした。
** 第十九回 狩人 **
蘭公主の命を受けレピダスの行方を捜していたコレガとソダリスは死んだと思われたレピダスが生きているのを知ったのでした。そして彼が北に向かったと聞き及び、後を追いかけたのでした。
一方、故郷に帰った、オディーマは一家が何者かによって殺されることを知りました。そして遺体に刺さった一本の矢から、途中で見かけた男の者であると分かり、復讐を誓うのでした。
その頃、旅の疲れからグレーティアとプエラが病気になり、一同はある町に留まっていました。ソシウスは酒屋の主人から怪物ヴュルペスの肝が疲労回復に抜群の効果があると聞き及び、シルバの森に向かったのでした。怪物の森の中で怪物を仕留めていると、彼はオリスをリーダとする怪物ハンターと出会うのでした。ここでヴュルペスの生息地まで案内して貰うのですが、怪物との激戦中に谷に転落してしまうのでした。
命を落とすかと思いきや、ハレエレシスに貰っていたバッチが発動し、どこかの神殿に飛ばされてしまったのでした。広い神殿には誰もいませんでした。ここで彼は石棺と金の鎧を発見し、ここが神殿ではなく廟であることに気がつくのでした。彼がどこに居るか思い悩んでいるとバッチが再び輝き、元の場所へと戻ったのでした。
怪物に食われたと心配したオリス達は再会を喜び、今度はヴュルペスを仕留めると、ソシウスは肝を持ち帰ったのでした。
**第二十回 神槍 **
遡ること三年前、遙か西方にスカラという国あり。此の国に槍の名手のホーネスという騎士がいました。隣国の城を落とし、財宝を待ち帰り、国中は歓喜に溢れていました。此の国の姫は、持ち帰った財宝のなかから宝石箱を手にしたのでしたが、その箱を開けたことからスカラ国の悲劇が始まりました、次々に城内の人が老化してひからび死んでいったのです。
これは東方の国にある魔法であるとの結論に達したのでしたが、やがてその技の主が現れることになりました。男は針山獄のハスタでした。その不思議の術にて国王は粉々にされ、臣下は身動き出来ませんでした。自分に対しハスタは因縁めいたこと言いましたがホーネスには分かりませんでした。その後、怪人は町を襲い、ホーネスは退治しようとし、彼は自分の屋敷で対峙することになったのです。家族は石に変えられホーネスは怒りに燃えていました。しかし彼は敗れました。男は石にされた家族を元に戻したくば、自分を倒せばいい。それには真の主、パテリアの女魔法使いに会えばいいと教えたのでした。
こうしてホーネスは国を旅立ち、東方の魔法の国パテリアを目指したのでした。
無事パテリアにたどり着いたホーネスですが、女魔法使いの存在は否定され、その近くにいるプエラという情報もなんの役に立ちませんでした。路銀も尽き始めたころ賞金首の話を聞き及びました。アウダックなる男で、武勇でならした反乱軍の首魁でした。しかしホーネスは単身立ち向かうと、これを倒したのでした。
** 第二十一回 虎の爪 **
グレーティア達が旅の途中、店に入り飲み物を注文しました。喉の乾きを癒やすには飲み物が一番でしたが、レピダスは店員の行動に不信感を持ち、問い詰めると正体を現したのでした。彼らはグレーティアの毒殺を企んでいたのでした。指令を出していたのは虎の爪という犯罪組織でした。
虎の爪は十三年前、前政権の生き残りが、政府に反旗を掲げ、大戦争をした残党なのでした。戦いに敗れ、シルバの森に隠れて再興を試みようとしていましたが、指導者が亡くなると目的が変質、そのまま犯罪組織になってしまったものでした。彼らはグレーティア達が下部の麻薬組織やベラ一家を殺害したことに憤り、グレーティア達に報復しようとしているのでした。これにより、グレーティアは政府だけで無く、虎の爪からも命を狙われることになっていたのでした。政府の手から逃れる為に無法地帯を進んできましたが、もはやそれも安全とは言えなくなりました。
さて、真の主を求め彷徨っていたホーネスはアウダックを倒したことにより名声を得、偽物がでることになりました。看過できない彼は、偽物退治に出かけ、偽物から女魔法使いの情報を得ました。それによると虎の爪が女魔法使いを刈ろうとしているとのことでした。その情報を得ると、早速虎の爪のテルバのもとに向かい、自分を売り込んだのでした。
グレーティア達はくぼんだ土地で虎の爪の襲撃を受け、応戦しました。これを見ていたホーネスは戦いに参戦。ソシウスに近づきプエラなる娘が居るか?と問い。居ることを知ると、虎の爪のテルパの元に返ると一撃で刺し殺してしまいました。
長い旅を終えて、やっとホーネスは目的だったグレーティアと逢うことが出来たのでした。
** 第二十二回 一番星 **
グレーティアと出会ったホーネスは家族が石に変えられそれを解くには、妖魔のハスタを倒さなくてはならないと説明しました。グレーティア達はそれは他者ではないかとしましたが、パテリアの女魔法使いであること、プエラという娘が近くにいること、さらに此の国に近づくに連れ、不思議に強くなっていることからホーネスは間違いないと判断していました。事情を理解した彼らはホーネスを仲間に入れ、虎の爪を警戒し、道を通らずに森の中を進むことにしたのでした。
パテリア西部の中央都市メディスのローサ達はいました。巡礼の旅もアデベニオまで半ばの地点でした。この大都の近郊で冥界の門より多数の怪物が出現し、大群で南下する事件が発生しました。メディスも軍勢を送り出し郊外の平原で魔法使いを揃えた、掃討作戦を決行しました。メディスは警戒態勢で住民を城の外に出さないようにしていましたが、観光業者は稼ぎ時とばかりに、客を密かに城外に連れ出すと、軍勢のよく見える高台につれていったのでした。ところが本番近くになったとき、彼らがいた岡に冥界も門が出現し、怪物達が現れたのでした、この事態に観光客はパニックになり、逃げ惑いました。
怪物の真っ只中に取り残されたローサと供のチューバは必死で血路を切り開き、観光客とともに城に逃れたのでした。この時、空には、輝く謎の一番星があがっていました。
** 第二十三回 謎の魔法使い **
虎の爪の首領バリダスはテルパが再び殺されたことを知ると、烈火のごとく怒りました。そして森に逃げたグレーティア達を総力でもって屠ろうと考えました。
森の中を進んでいたグレーティア達は突如開けた土地に出たので、警戒すると、はたして、虎の爪が怪物五千頭を暴走させ、彼らに突っ込まさせました。非戦闘員のプエラとフィディアはホーネスが守り、待避すると残りのメンバーで向かい打ちました。激闘の末怪物は迎え撃ちましたが、虎の爪の魔法使いの連続攻撃を受け、谷間に追われていきました。その頃別行動になったホーネスは虎の爪の武将達との戦いになっていました。ホーネスはこれを撃退したものの、この間彼女達を怪物が襲い、姿を見失ったのでした。
一方、グレーティア達は、魔法攻撃を避け進んでゆくと、城の入り口らしきものにでました。ここで虎の爪の軍勢に取り囲まれ、全員眠らされてしまうのでした。
グレーティア達を捕らえたバリダスはその夜祝宴をあげると、部下の前で拷問にかけ殺すつもりでした。ところが空間を渡って強力な魔法使いが城に近づくのを感じたのでした。
此の城は古代の魔法城であり、政府軍も落とすことが出来なかった強固な城でした。しかも、もともと反乱軍であったこともあり、戦士や魔法使いは充実し、難攻不落なのでした。
しかし、上級魔法使いを超えるただならぬ気配に、序列三位のタブラスを向かわせると、恐るべき事に、屈強な戦士は一閃で全員切り伏せられ、魔法の一斉攻撃はその技を返され、魔法使いは全滅したのでした。頼みの綱の魔法城の魔法の攻撃はことごとく通じず、謎の魔法使いの禁断魔法イルマットによって食い尽くされ、沈黙したのでした。序列二位のモリタウルスは相手の実力知り、城を逃げ、首領のバリダスは倒されました。こうして無法地帯で恐れられた虎の爪は謎の魔法使い一人によって、一夜にして壊滅したのでした。
** 第二十四回 再会 **
死に絶えた魔法城で虎の爪第二位のモルタリウスは組織の再興を計っていました。僅かに残った地方の組員をベースに一からのスタートとなっていました。オディーマも誘われましたが、彼女は虎の爪にはもう未練は無く、一家の仇を追いかけることにしたのでした。
グレーティア達は再び集まるとシルバの森を脱出するため森の中を進みました。やがて森の出口に差し掛かった時、広く開墾された土地に出たのでした。それは世間から身を隠すように存在した土地でした。屋敷を訪ねていくと、彼らは前宰相の息子クリプトンと弟で、反乱に失敗した後、組織が変質したので、抜け、いまは政府の眼を逃れシルバの森で暮らしているとのことでした。
都では蘭公主はいつまで待っても二人の騎士からの連絡が無く、気をやきもきしていました。他国の王子と結婚させられることを恐れていたのです。
コレガとソダリスはレピダスらしき者の痕跡を追いながら、やっとグレーティア達に追いついたのでした。二人の騎士はレピダスとの再会を喜び、姫が心配されていることを告げたのでした。しかしレピダスは昔に戻る気はなく騎士の印章を返却し、姫様には自分は亡いものと思うようにと、伝えてくれと願いました。レピダスの意志が固いことを悟った騎士達は彼と袂を分けたのでした。
** 第二十五回 女盗賊 **
ローサはアデベニオへ巡礼の途中、荷馬車の暴走に遭いました。それを止めたのは、なんと身軽な動きの女性でした。彼女の名前はアスペル。あちこちを旅しているようでした。
此の後、彼女はとある町でおばあさんと会話をしました。この婦人はかつて王都に住んでいたことがあり、昔、ビルトスという方に赤ん坊を預け、再会を待ち望んでいるとのことでした。また孫娘のフィディアがどうなったのか心配していました。
いろんな出逢いのあと、ローサは女盗賊の噂を聞いたのでした。女盗賊は神出鬼没で鮮やかな手口の御用金の強奪を行うようでした。カップトの知府のサンテスは工作資金を都に運ぼうとしていました。一度目は眠り薬を兵士に振る舞って強奪。二度目は偽検問で、三度目は盗まれたと思わせ、居ない者を追いかけさせ強奪とサンテスをあざ笑うかのようなものでした。その夜、ローサの滞在した町の城から、古くからの宝が盗まれました。
** 第二十六回 二人の魔法使い **
グレーティア達はシルバの森を抜け、さらに東に進み、フィディアをお婆さんの家まで届けようとしていました。別れが間近いので祠で別れの宴をしていると、そこにローサ達がやって来ました。ローサ達は歓迎を受けると、まさか眼に前にワルコがいるとは気がつかずに多くを語り合ったのでした。翌朝ローサ達はアデベニオを目指し、グレーティア達はお婆さんの町までやって来ました。しかし、お婆さんは息子の家に引っ越したようで、船で連れて行ってくれる人物が居たので、ここでフィディアは分かれたのでした。
彼女が波止場で船の到着を待っていると、偶然にも馬に水を飲ませている一団の話を聞いたのでした。彼らは魔法使いカエルリウスを中心とした集団で、虎の爪の組織を調査に来た集団でした。ところが、異様な共鳴を感じ、これは宰相が捕まえようとしている女魔法使いではないかと察していたのでした。一団が去った後、心配になったフィディアはいてもたってもいられず船を諦めると、グレーティア達を追いかけたのでした。
グレーティア達は来た道を引き返し、アデベニオを目指してきましたが、カエルリウス達が追いつき、戦闘になりました。グレーティア達は魔法で苦しみ、危うく倒されそうになりますが、そこに謎の三騎がやってくると、カエルリウスを始末したのでした。グレーティアを救ったのは、ヘテロ国の青竜騎士長ベロックスでした。彼はグレーティアにヘテロへの亡命を勧めますが、彼女は師との約束があったのでこれを受けませんでした。そこでベロックスは優秀な若い騎士エコーを護衛につけることを願い出て、これを彼女は受諾したのでした。
ベロックスが去った後、フィディアはやっと追いつき、再び旅を供にすることになったのでした。
** 第二十七回 脱獄 **
アデベニオが近くなると行き交う人が多くなり、おたずね者のストレニウスと一緒では事件に巻き込まれかねないので、彼は別行動でグレーティア達のあとをついて行くということになりました。ある町で賞金首と気づかれたストレニウスは大きな屋敷に誘い出され穴に落とされ捕まってしまいます。さて此の屋敷にイーリスという娘がいました。借金返済に親に奉公に出されており、まだ何年も働かなくてはなりませんでした。彼女はいつかいい男を捉まえるんだと志していました。屋敷で捕まった男が元騎士であると聞いた彼女は倉に忍び込み彼を救出します。その時、ストレニウスが突きつけられた条件は、彼女を妻とすることでした。
ハレエレシスを軍師の迎えたトラボー達は、老人の計画に従ってルースの港町に来ていました。そこで老人は、かつて魔法省に務めていた隠居のアミコスを反乱軍に誘ったのでした。隠居の身と彼は断ったが、ハレエレシスは秘密のの肉片を見せると、どうしても完成させたい欲望にかられ、話に乗ったのでした。ハレエレシスは政府軍に対抗できる戦力としてエルガスツルムの魔法使い達に眼をつけていました。
エルガスツルムは海上の孤島の監獄でした。主として凶悪な魔法使いが収容されている施設でした。何故、そうなったかは、この島は不思議な力に守られ、この中では魔法が無効になってしまうからでした。この中では魔法使いも只の人なのでした。
実験により一時的に島の魔法を有効に出来るとアミコスは結論を出し、さっそくハレエレシスは大脱走を実行させるのでした。一同は定期船に化け、密かに島の魔法を有効にすると、フィデスが水の魔法で大量の海水で看守を襲ったのでした。守衛側も魔法の攻撃を受ける想定がなかったため、作戦は成功し、大量の魔法使いを脱走させたのでした。
浜辺で、演説を終えると反乱に参加するものをつのり、ハレエレシスは大量の魔法使いをつれ一路、ガミネティオを目指したのでした。
** 第二十八回 聖地 **
巡礼の旅も最終目的地アデベニオに到着しました。後は礼拝堂に行けば終わりです。ローサはワルコを発見しなかったことに失望していました。そこで彼女は任務が終わってもこれに囚われ、アデベニオに礼拝にくる娘達を試して、魔法ができるか探ろうしました。しかし此の試みは騒ぎになり、寺院側も警戒するようになったのでした。いつもの様に人を試していると僧兵が追いかけてきて、おもわずローサ達は赤線地帯に足を踏み入れてしまったのでした。ここでローサは女をはべらせ酒を飲む老人の破戒僧に出会います。此の老僧は防御魔法に精通しただ者でないことは、分かっていましたが、僧侶のふしだらな好意に彼女は嫌悪を感じていました。僧侶は彼女に養女だというこだわりを捨てなさいと解きますが、彼女は聞く耳を持ちませんでした。
その頃、グレーティア達もアデベニオに到着し、後れているストレニウスを待つことにしました。
ローサの元に父の部下が直ちに帰還するように指示を伝えました。ワルコが発見できずにいると伝えると、以前祠で話をした人物がワルコであると伝えられ、ローサは愕然とするのでした。翌日、自分の馬鹿さ加減に呆れたローサは、防御魔法で有名は、メディカス老師を訪ねることにしました。寺に行き、説法をしている人物を見てみるとなんと、赤線で見かけた老僧そっくりでした。他人のそら似であろうかと思っていると、その人物こそが高名なメディカス老師でした。老師はローサにこだわりを捨て、ありのままの自分でありなさいと教えますが、彼女は理解できませんでした。
力なく寺を去るローサの前に、なんとグレーティア達が石段を登って来ました。グレーティアと二人きりになった瞬間、ローサに嫉みの心がふつふつと湧いて、ローサはグレーティアに挑みかかったのでした。二人の魔法がぶつかり周囲が破壊され、騒ぎに駆けつけた老師の一喝によって、それは終わりました。
ローサは自分のしたことに、羞恥心を抱き足早に去ったのでした。
** 第二十九回 獣の王 **
ついにグレーティアはメディカス老師に出会うことができました。そこで老師は十五年前、ビルトス博士と兄弟子グノーが赤ん坊を連れて、訪れていたことを語りました。弟子のグノーは東方に旅立ち、ビルトス博士はなにかをしようとしていました。ビルトス亡き今、老師は友に代わり役目を果たそうと決意しました。
グレーティアは老師に転換の術を解き元の姿に戻れるように、願いましたが、それは叶いませんでした。ここで、後れて来たストレニウスが合流し、全員揃いました。
アデベニオは宗教都市で、古い伝統の町でした。この都市はパテリアで唯一自治が認められた都市でした。しかし、自治体は二つに分裂し、教皇が二人並び立っていたのでした、一つは政府の後押しで改革を訴える東の教皇、もう一つは伝統を重んじる保守派の西の教皇でした。両者の対立は激しく僧兵を巻き込んだ、険悪なものだったのです。
ある日、森に異変が発生します。シルバの森の怪物が大群で宗教の都アデベニオに迫ってきたのです。東の教皇派の僧兵は動かず、西の教皇側の僧兵が防衛にでましたが、やって来たのは、怪物達の王である獣の王率いる怪物の軍団でした。かれらに魔法は通じず、僧兵は破られ、アデベニオの外輪は突破され、古い城壁まで迫ってきました。
実は獣の王を、怒り狂わせた者達がおり、彼らが森から獣たちを誘導していたのでした。
城内に避難していた市民はこれ以上逃げ場はなく、城門を突破されれば皆殺しに遭います。
獣の王の軍団は強く、城門が打ち破られそうになったとき、グレーティア達が立ち上がり、果敢に怪物達を食い止めました。そしてプエラの指示により、フィディアが竪琴で怪物達の怒りを鎮めると、グレーティアが獣の王と意志を通じ合わせ、森に帰らせたのでした。グレーティアは何故自分が獣の王と会話できたのか、訳が分からないのでした。
** 第三十回 本拠地 **
エルガスツルムを脱獄させた囚人達をつれて、ハレエレシスはガミネティオを急ぎ目指していました。彼が何故急ぐかというと、根無し草のままでは、せっかく手に入れた魔法使い達が去りかねないからでした。彼は度重なるごとに演説をし、彼らを鼓舞し繋ぎ止めました。脱獄者の中には、かつての反乱軍の仲間の強力な魔法使いファクルタスがおり、逃亡者は彼に始末させるつもりでした。
ガニメティオは現政府に最期の最期まで抵抗した町で、強固な城に郷土愛が強いところでした。いちど火をつければいつでも爆発しそうな土地だったのです。そこでハレエレシスは地下に潜んだ反政府の者に反乱を誘ったものの、どこの誰とも分からぬ連中の話に乗る者はいませんでした。そこでハレエレシスは圧倒的魔法戦力で南の関所を破ると、その実力を見せつけたのでした。これにより隠れていた反政府者も続々集合し、野戦で政府軍を破ると、城までせまったのでした。しかし、城は強固なもので簡単に落ちるものではありませんでした。そこで南門を厳しく責め立て、注意をそちらに向けさせ、その間に西門から、内通者と呼応して内外から攻め、城内に攻め込んだのでした。政府軍は敗退し、ここでハレエレシスは居城を手に入れたのでした。ここに先王の皇子トラボーを旗頭と真正政府として立ち上げたのでした。
** 第三十一回 新たな旅だち **
幻術使いのオディーマは自分の一家を殺した者を追いかけアデベニオに到着しました。ところが宗教の都は獣の王来襲という大事件が起こっており、町は混乱していました。住民が城の中に逃げ込み大混雑をしていました。
怪物の大集団がやってくるなど、これまで起こったことがないことでした。怪物達が南門に迫っていったとき、オーディマは憎い敵の姿を見つけたのでした。しかし人の流れは彼女の思いとは反対方向に流れ見失ってしまったのでした。
黒虎騎士のコレガとソダリスは姫の叱責を食らうを覚悟で、レピダスの事を報告しました。案の定蘭公主の怒りは激しく、治まりませんでした。彼女はレピダスが帰らないのは、あの美しい娘に騙されているからだと信じて疑いませんでした。しかし騎士が虎の爪が作成したグレーティアの人相書きを渡すと、気をよくし二人を許したのでした。姫は早速、犯罪者組織の者を密かに呼び入れると、人相書きを渡しグレーティアの暗殺を依頼したのでした。そこまで彼女は嫉妬していたのでした。
太子は城に無造作に捨てられた美人画をこよなく愛している人でした。ある日歴山太子は妹の絵師から美人の人相書きを依頼されたと聞き及び、妹に迫りその絵を手に入れたのでした。太子は大層喜び。こんな美人が本当にいるんだと見とれたのでした。
いよいよ老師も加わりグレーティア達は新たな旅立ちとなりました。目的地はアルタス。その地のデュックなる人物を訪ねる旅です。そこに行けば、ビルトス博士の計画が分かるのでした。
** 第三十二回 芙蓉記 第一話 出逢い**
フィディアが語る千年前の物語。
村の悪童の三人、カドモスを頭とし子分のデクスターとラエバスという青年達がいました。彼らは出世を夢み、戦いに雑兵として参加します。しかし負け戦で逃れる羽目に。そこでカドモスは星に導かれ新天地を目指したのでした。たどり着いたのが北の山岳地帯にあるパテリアという小さな国でした。かれらはここで山賊家業を始めたのですが、そこで此の国の三の姫である芙蓉姫はたいそう美し人と聞き及んだのでした。この話に興味を持ったカドモスはこの国の武芸大会で優勝したら顔が拝めると、山賊の身でしたが参加してしまうのでした。武芸大会では見事優勝し、王家の晩餐会に招かれることになりました。そこでカドモスは失礼にも王に姫と二人で話がしたいと願い出ると、寛容な王は笑って許しました。しかし第二王子の黄武は無礼なこととして許せないでいました。
カドモスと芙蓉姫は語らい、姫はカドモスのことが好きになりました。しかしそれもつかの間、宰相のドルアスが盗賊であると見破ると、彼は姫に別れを告げると消えたのでした。その後芙蓉姫は彼のことが忘れられないようになったのでした。
ずっと南にメガラという軍事力を強めた国があり、その国は山岳の諸国を支配しようとシプノス国を滅ぼしてしまいました。そしてさらにピュロス国に攻め込もうとしてました。そこで山岳国連合。パテリア、エーリス、ピュロスは連合してメガラ軍を撃退しようとしました。ところが中立国であったテゲア国がメガラ国と組み、連合軍は大敗してしまうのでした。さらに悪いことにパテリア王と第一王子は戦士し第二王子は行方不明となっていました。この事態に代理王として芙蓉姫が指名されたのでした。しかし頼りのフドウ将軍は戦死し、代わりの強い武将が必要でした、そこに現れたのはカドモスでした。宰相のドルアスは反対しますが、芙蓉姫は彼が助けに来たのを喜びました。
メガラの大将はエイトス、強い武将でした。カドモスは山岳の地形を利用した戦いをし、エイトスを切り伏せると、兵士は谷間に落としてメガラ軍を撃退したのでした。
** 第三十三回 芙蓉記 第二話 魔女 **
千年前の物語。
連合国はパテリアとエーリスだけに国になっていました。この頃行方不明の王子黄武が帰還し、彼が正式にパテリア王に即位したのでした。王はカドモスを毛嫌いしていましたが、頼らなくてはならない武将であることから、やむなく姫の傘下の武将としてとどめ置くことにしました。ここで宰相が勧めたのは同盟国エーリスを裏切り、敵メガラ国傘下にはいることでした。
此の国にミケーネなる女占い師がやってきました。彼女の占いは有名になり、芙蓉姫も国の将来について占って貰うことにしました。しかしその卦は滅亡という不吉なものでした。魔法という謎のものによって運命は変わるらしく、ミケーネは運命を自分と契約すれば運命は好転すると姫に契約を促したのでした。信じれない姫に、ミケーネは、力を示すべく、まもなく城に豚が迷い込み大騒ぎになるだろうと予言します。はたして数日後予言通りに事件は起きたのでした。
メガラが軍事行動を開始しました。連合軍は苦戦を強いられそうでした。パテリアは連合して迎え打つ予定でしたが、なんとエーリスが寝返り、孤立無援の戦いとなったのでした。全兵力を国境の城に集中させていたパテリア軍は留守の本城をふいにエーリス軍に攻め落とされ、カドモスも負傷してしまいました。こうしてパテリア軍は支城に籠もり大軍に攻められることとなりました。不幸なことに、これに怯えた黄武王は何処かへ姿をくらまし、臣下は城にうち捨てられました。この国が滅ぶ事態に芙蓉姫はミケーネと契約を結びます。
彼女はミケーネの指示通りに、城に乗り込むと、臣下の将を鼓舞すると、平原にてメガラの大群を迎えうつ事を宣言したのでした。メガラの圧倒的な軍勢を前にパテリア軍は平原で対峙しました。芙蓉姫がミケーネに助けられ魔法を放すと、業火がメガラ軍を襲い全てを焼き尽くしたのでした。これがパテリア国の魔法の始まりでした。
** 第三十三回 芙蓉記 第三話 反攻 **
千年前の物語。
魔法の力で危機を脱したパテリアはエーリス軍を追撃し、息を吹き返しました。怪我から復帰したカドモスはこの事態に驚き、姫に問うとミケーネという占い師から魔法なる力を得たと打ち明けたのでした。怪しいと取引に心配したカドモスはミケーネに迫りましたが、彼女の力の前にどうすることもできませんでした。
その後、裏切ったエーリスは軍門の降り、王が替わりました。
カドモスは国境近くで、行商人が盗賊を撃退する姿を目撃します。彼の名はイアソン。星を追いかけこの国に来たとの事でした。運命的なものを感じたカドモスは仲間になるよう誘ったのでした。この人物は外交に優れ、ピュロス攻略にて交渉にて、相手を降らせたのでした。エーリス、ピュロス傘下にしたパテリアは魔法の力を使いシノプスに向かいました。
このときイアソンは単身テゲアに向かい、テゲアの臣下相手に論戦をくりひろげ、メガラを切り、パテリアとの同盟を結ばせたのでした。
シノプス領のメガラ軍を退けた、カドモスはメガラの残党の中にタキスなる強い兵士を見いだします。彼も星を追いかけ此の地にやってきた人物でした。カドモスは仲間であると喜び、彼を迎かえ入れたのでした。
パテリア王は妹を戦いに巻き込むのは反対でしたが、宰相の進言を聞き入れ、この気に魔法の力を使い、危険な国は排除しようとしました。いよいよメガラ本国攻略が始まりました。
ここで、イアソンは魔法を除く為、暗殺を試みてくるであろうと推測しました、はたしてパテリア連合軍が進軍すると、伏兵が芙蓉姫の馬車を襲いました。これは成功したかに見えましたが、実はイアソンが仕掛けた罠でした。芙蓉姫が無い今魔法攻撃で一網打尽にされることがないと安心仕切ったメガラ軍は平原にてパテリア連合軍を待ちました。
戦闘が開始してまもなく、メガラ軍は魔法の一撃を浴びたのでした。
空には第一星が登り、かつれ風前の灯火まで追い詰められたパテリアは強国へと変貌と遂げ、姫は戦いに巻き込まれて行くのでした。
**第三十五回 刑場襲撃 **
アルタスにに到着した一行はドムス家のデュックを探しました、此の人物は反政府の運動をしており、山間の横穴住居に仲間を集め、盗賊団をしていました。出迎えたデュックは冷淡でした。彼は若い頃、シルバの森の一族の代表として計画通りに来訪を待っていたのでしたが、十三年の歳月が経ち、一族への忠誠心も消え失せ、ビルトス老師の計画など興味なくなってしまったのでした。盗賊稼業が身につき、その生活に満足したました。それでピルトスの計画について、問うとかれは全く知らないのでした。
一同はやっとここまで、やって来たものが無駄足に終わり、ビルトス博士に計画も分からないことから、解散を決め、グレーティアは誘いのあったヘテロへの亡命を選ぶのでした。別れの挨拶をしに来たところ、デュックの部下がアスペルが捕らえられたことを伝えに来たのでした。アスペルはデュックの幼なじみの女性で昔の約束を忠実に守り、グレーティアに渡さなくてはならないものがあると言っていた人物でした。
この事実にメディカス老師は彼女は手がかりを持って居ることに気がついたのでした。
ところが、アスペルはカプットの知府サンテスに処刑されようとしていました。この事態に、レピダス、ストレニウス、ホーネス、エコーそしてデュック一党が急ぎ救出に向かったのでした。
神出鬼没の女盗賊アスペルも、黒虎騎士のコレガとソダリスの罠にかかり捕まっていました。騎士の二人は王都に護送すべきと主張しましたが、これまでの恨み連なるサンテスはカプットでの処刑を譲らなかったのでした。
町の広場では処刑が始まろうとしていました。サンテスが罪名を読み上げ、死刑執行人がアスペルを跪かせると、刀で首を切ろうとしました。しかしその時はるか遠くから放された矢によって執行人は見事に射貫かれたのでした。射手はレピダスでした。彼が次々に役人を刺殺していくと、見学者の中なら長剣をもったストレニウスが飛びだして、役人を次々に切り倒し、デュックは部下とともにアスペルを救出すると城外に逃れたのでした。しんがりを務めたのはホーネスで、騎士の二人が追いかけようとしましたが、ホーネスに邪魔され断念しました。
怒ったサンテスは百騎で賊を追いかけさせました。ホーネスは仲間を先に走らせると、橋の上で堂々と待ちかまえました。やがて百騎が橋を突破しようとしますが、ことごとく打ち倒されてしまいました。するとそこに魔法使いが現れ、ホーネスに魔法攻撃をくわえると、流石に持ちこたえられず退きました。魔法使いは仲間を引きつれ先に行こうとしましたが、エコーが待ち構え、変幻自在に馬を操り魔法を繰り出す技に、魔法使いは対抗でできず倒されてしまったのでした。残った五十騎は敵わぬと悟り追跡を諦めたのでした。
助けられたアスペルは拷問で弱っていましたが、老師の治療術で完全に元気になりました。そして彼女は博士より預かっていたクリスタルを渡したのでした。
クリスタルにはグレーティアへの伝言がありました。彼女の正体はワルコというもので、これからこの世のものならざる者と戦わなければならない運命であることを伝えたのでした。そして古都ナティビタスに拠点を定めるようにと指示を出したのでした。
** 第三十六回 海岸の戦い **
ヘテロに帰還したローサは父に無事任務を果たしたことを褒められましたが、宰相の仕事は忙しく、またローサは一人寂しく毎日を過ごすことになりました。父がに帰ってくると、久しぶりに親子の食卓がありました。そこで父ホスティスはローサとワルコが深いつながりがあるとし、聖剣探索を命じるのでした。
ハレエレシスは本拠地を手に入れると、驚べき早さで組織化を達成し、周辺の県を攻め落とすと、さらに西の向けて領土を広げました。西には西部の大貿易港のルースがあり、陸海軍の施設がそろっていました。いよいよ大軍がいるルース攻略となりましたが、ここでハレエレシスは計略を持ちいました。まず、アルゴンを敗将として、ルース陣営に送り込み、進軍ルートを海岸の道を選びまた。安全とは言えない海のルートを選んだのは、敵を恐れ魔法使い集団が離散しないように、索敵を半分にすること、海水を利用することなどが上げられました。ルース側も軍を進め、両軍はルース近くで遭遇戦いを始めました。瞬く間に反乱軍は全面と右側面と囲まれました、そのため反乱軍側魔法使いは必死に防戦し、海の水を魔法に使うなど、魔法のレベルにて勝り打ち勝ったのでした。ルースの側面攻撃は敵に潜入させていたアルゴンがわざと仲間に戦いをしかけました。戦いを長引かせその間魔法戦の決着をつけさせると、ルースの魔法使いを守るように退却し、そのままルース城内に潜入して、城門を確保したのでした。
その後の戦いでは、魔法を駆使してルース軍を破りルース城を落としたのでした。これにより真正政府軍は大きな支配地と軍事力を持つことになったのでした。
** 第三十七回 迷宮 **
父の命を受け、ローサは聖剣探索の旅に再びチューバをお供に出発しました。海原を船で渡り、フォルムという大貿易港に到着した。ローサ達のパテリア二度目の旅は、アテも無いものでした。かれらはまずは手がかりを求め王都フローレオを目指しました。
アルタスから大集団となって古都ナティビタスを目指していたグレーティアたちは、政府に気づかれないように山道を東に向かっていました。盗賊一団の長であったデュックは未だ、ビルトス博士の計画に乗ることに不満で、降りて元に戻りたいと思っていました。しかしアスペルに説得されて、しぶしぶ従っていました。博士の計画は不親切で、大都市であるナティビタズを盗賊集団の僅かな手勢で落とせなど正気の沙汰ではなかったのです。
そこで彼は博士の後輩であった、ドクトリなる人物をナティビタスに訪ねることにしたのでした。そこでアスペルが博士の指示で集めた破片を見せると、ドクトリは古都攻略は可能であると言ったのでした。ドクトリは古都が魔法城であり、それを制御するのが、この装置であると解説したのでした。攻略の手段は分かったの、未だ最期の部品がそろっていませんでした。
そこで、最期の部品を求め、パテリア発祥の地へと向かったのでした。プエラは観光気分で旧パテリアの町を楽しんでいましたが、部品が隠され得ている城には同行を許されず、外で待たされました。一行は城にはいると中は迷宮になっていました。数々の仕掛けを破り、怪物を退治すると目的の部品を手に入れることが出来たのでした。ところが帰りで迷宮の迷路が絶えず変化し、抜け出すことが出来なくなったのでした。諦め始めた頃、ドクトリの頭に呼びかける声があり、それに従って歩むと外にやっと出られたのでした。こうして彼らは制御装置を手にしたのでした。
** 第三十八回 古都制圧 **
手に入れた制御装置は卵型でした。これをグレーティアの手に渡すとそれは蘇ったのでした。南方にて反乱軍が前王の王子を担ぎ上げ成功しているとの話をデュックは聞き及び、古都の住人を従わせるには自分たちもそれに相応する大義名分が必要であると思いました。そして彼は、こちらも前王の王女が姿を現し、さらに芙蓉姫の再来との宣伝することにしたのでした。その王女役はグレーティアに強制的にさせることにしました。
これで軍勢を揃えれば十分でしたが、まだ問題がありました。それは制御装置を何処に設置するかでした。この問題にドクトリは古都の元書記官に訊くとこにしました。彼は魔法城の事に知っていましたが、誰も信じてくれなかったのでした。装置の設置場所は王宮の中でした。潜入が難しい王宮に如何に制御装置を設置するは大きな問題でした。
古都ナティビタスの知府はロームは道楽好きの凡庸な人物でした。彼がその地位になるのも、妻が宰相の娘だったからでした。妻の名はマリタは知恵があり冷徹に執行するので、悪女として恐れられていました。実質、古都はマリタによって統治されていました。
ある日、ロームは女芸人一座の噂を聞き招き入れると、おおいに楽しみました。座長はアスペルでした。彼女は言葉巧みに王宮に行きたいとせがみ、絆されたロームは王宮に彼女達を招き入れてしまったのでした。彼が自信満々にしていると、突如建物が微動し、何かが変わたのでした。
庁舎城にいた妻のマリタは三百名の賊が攻めてきたと聞き、直ちに魔法使いに命じて始末させようとしましたが、魔法が使えず、急遽兵士の応戦する様に命じました。ところがなんと城事態からの反撃を受け、ナティビタス自体が魔法城化し敵の手の内に落ちたのだと悟ったのでした。判断の速い彼女は、兵を集めると直ちに城を脱出したのでした。
こうしてグレーティア達は古都を自分たちのものとしたのでした。そして空には謎の第二番目の星が輝いたのでした。
** 第三十九回 古都防衛 **
ナティビタスではデュックが人々に前王の王女をたてて正統政権の樹立を宣言しました。現政権の革新的な改革に批判的で古風な市民には一応の支持を得たのでしたが、ひとたび城外に出ると、政府軍二万が囲んでいるのでした。
マリタは素早い行動で瞬く間に、近隣の町から二万の軍勢を集め、古都奪還を目指しました。賊の人数はたかだか三百程度にすぎず、魔法城といえど、兵が少ない今なら落とせるとの判断でした。しかし魔法城の防御力は強く、四方の門を責め立てても怪しげな光で撃退され、魔法攻撃をしても無効化されてしまうのでした。思い切って兵力を集中させ一点突破を試みるも、失敗しました。それで地下トンネルを掘り、攻め込む事にしましたが、穴は城の外に向かい完成しませんでした。その頃、政府軍の数は四万にも膨れあがっていましたが、有効な手は見いだせませんでした。
そこで考えたのが、暗殺者を潜入させ、敵の姫を殺害することにしたのでした。暗殺はグレーティアの寝所まで到達出来ましたが、ソシウスに阻まれ、逃れるところをストレニウスとアスペルに仕留められたのでした。一人逃れた暗殺者は偶然ストレニウスの妹ソロアを見つけ攫っていったのでした。
翌日マリタから書状が届けられ、返して欲しくば取りに来いと書かれてありました。これにストレニウスは激怒。単身でも行くと息巻くと、ソシウス、レピダス、ストレニウス、ホーネス、エコー、アスペル、老師の七人で助けに行くことになったのでした。
マリタは賊が四万の軍勢の前にたった七騎で現れた馬鹿にしました。しかし七騎が次々に武将を打ち倒し、兵を切り裂き、無人の野を駆けるように、本陣迫って来たのには彼女も驚いたのでした。鬼神とも言える強さでした。七騎は四万の軍勢をものともせず、取りに来いといった本陣まで着いてみるとソロアの姿は無く、言葉を違えた行為にことをストレニウスは激しく罵りました。するとレピダスが弓を放し、矢はマリタの近くに刺さったのでした。
ストレニウスは力なく帰還したのでしたが、デュックは実は一手をを打っていました。まもなく、マリタから使者がやって来たのでした。それは知府ロームとソロアとの捕虜交換でした。
デュックは捕虜交換の矢文をレピダスに依頼していたのでした。こうしてソロアは戻り、亭主を取り戻したマリタは宰相の命により軍勢を解いたのでした。
** 第四十回 王子と王女 **
ローサは王都フローレオにいました。此の地にいけば何かの情報が得られるとの判断でした。彼女は図書館内で、とある老人と出逢い、聖剣は二口の剣であることを教わります。その内一方は砕けてしまったらしく、残り一口の行方はオリムメガラのドクトリなる人物に尋ねるようと教えてくれたのでした。
次の目的地を北のオリムメガラに定めたのでした。ここでローサはワルコが靴屋の娘で両親がいたことを思い出し、自分の本当の親は生きているか占って貰うことにしました。その結果は両親は亡くなっており、ローサが失望しましたが、思いがけない事に、兄弟は生きていることが分かってのでした。
宰相デスペロはワルコが魔法城に入城してしまったのに歯ぎしりをし、城からおびき出す手立てを考えていました、すると部下にプロディティオが妙案をもたらしたのでした。太子を使い交渉を持ち込めば、会見と称し外におびきだし、暗殺できるということでした。プロディティオとしては、どさくさに紛れて太子をついでに暗殺する予定でしたが、そうとは知らない宰相は興味を示しました。しかし宰相は太子が協力はなされまいと悲観的でした。そこでプロディティオは女を餌に太子と釣ることを提案したのでした。その策とは太子がお好きな絵の娘が古都にいるので、現物を見にいかれてはどうかと誘うことでした。
宰相は効果を怪しみましたが、王子は簡単に乗ってしまったのでした。
真正政府を立ち上げたトラボーはいつまでもハレエレシスに頼り切ってはいけないと自戒していました。これから自らがパテリアに戦い挑まなくてはならないし、いつか父王の敵である現王となった伯父から国を取り戻さなくてはならぬと心に誓っていました。
気になるのは古都にいる正統政府と名乗る賊どもでした。前王一家は全員殺され、双子の王子と王女うち自分だけが生き残ったのです。トラボーとしては偽王女が居ることが許せないのでした。
** 第四十一回 会談 **
宰相デスペロはワルコ暗殺の為太子にご協力いただくことに同意を願い出ていた。紀朱王は一反乱に対し太子を使う必要に疑問がありましたが、デスペロがワルコが力をつける前に始末する必要性を解くと許しました。しかし王妃は反対で、王家は呪われていて、前王一家を殺した為に、十五年前に子供を神隠しに遭ったとし、太子にも身に危険が及ぶと訴えました。
しかし王はこれを退け、暗殺を命じたのでした。
盛大な太子の行進をよそに、商人に化けた太子は、定期船に乗り込みました。そこでローサと出会った太子は気楽な船旅を楽しみました。やがてナティビタスの港で下船すると、古都を偵察し、太子の行列に戻ったのでした。
古都ではグレーティア達が協議していました。突然の政府側からの会談申し込みに首を傾げましたが、なによりも太子からの申し出でしたのでさらに驚きました。次期国王となると、無視するわけにいかず、会談を応じることにしました。会見場所は中間地点の岡と決まりました。
太子のところにはおおさわぎとなっていました、召使い紛れて込んで蘭公主がいたのです。これには太子も呆れましたが、姫は会談に参加すると言うことをきかず。やむなく太子は参席を認めたのでした。会見の場では反乱軍はグレーティア、デュック、レピダス、ドクトリ、エコーが姿を現しました。このとき太子はグレーティアに一目惚れ、后に迎えたいと思ってしまうのでした。いままで待ち焦がれたレピダスを目に前にした蘭公主は、場所もわきまえず、癇癪を起こし太子に戒められたのでした。姫が去ると。今度は太子がこともあろうか求婚したのでした。そのとき、雷撃が襲いかかり会談の場は大荒れ。太子は素早くグレーティアを抱きかかえると、雷撃を避けながら馬に乗って古都を目指しました。レピダス達も後を追いかけ、その後を国軍が追いかけてきたのでした。無事彼女は城内までたどり着きましたが、救ったのが敵である太守であったので皆驚いたのでした。
** 第四十二回 恋いの行方 **
数日前、ローサは古都に到着し、ドクトリという人物について訪ねました。ドクトリは正統政府の一員として加わっており、庁舎城に行けば会えるということで、紹介状を書いて貰うと向かったのでした。
その頃、ドクトリは奇妙な共振を感じ、その震源を探っていました。その共振の原因の一つはグレーティアであることは分かりましたが、もう一人はだれであろうかと、エコーとともに、市街地に調べに向かいました。さがし当ててみるとエコーとの顔見知りであり、グレーティアと同じ年頃の娘でした。ローサもドクトリが身近な人だったので驚いていました。ドクトリはローサがグレーティアと魂が近い関係であると感じ、それは補数であると分かったのでした。ローサが聖剣を探していると聞き、彼自身も知らぬ事でしたが、竜と鵬のレリーフの神殿を探すように教えたのでした。さらにルーバス地方に可能性があることを述べると、ローサはその地を目指すことにしたのでした。
時戻って、グレーティアを救出し古都の南門まで運んだ太子は敵の真っ只中にいました。敵の中だというのに太子は堂々としていました。デュック等は罠をかけたパテリアの太子を如何にすべきで相談しました。暗殺劇は太子の起こしたものではないとの判断から、彼を帰すことにしました。
プロディティオは暗殺を失敗し不機嫌でした。もともと交渉決裂になった段階で魔法攻撃を仕掛けるてはずでした。ところが自分が蘭公主を連れ戻そうと、場を去ったため勘違いし攻撃を初めてしまったのが、痛手でした。ワルコも始末出来ないうえに、どさくさに紛れて太子も暗殺が出来ませんでした。このまま、反乱軍に戦をしかけようとしたとき、太子が帰還してきました。太子は本気で求婚を願っているようで、これには妹の蘭公主もあきれました。
暫くして、ナティビタスに花でふんだんに飾られた花車が十台に正装の行列が二十人、太子から送られて来ました。どうも結納らしく、グレーティア達も呆れました。これには身内の蘭公主も批判的で王家の恥さらしだと言いました。
暫くすると使者がやってきて、太子からの贈り物を届けにきたのでした。グレーティア達が出迎えると、なんと使者に付き従った、女官に扮した姫が、飛び出してきたのでした。
彼女はレピダスをつかまえると強引連れ戻そうとしました。レピダスが抵抗すると、激高し、来ない原因がグレーティアにあると判断した姫は、短刀で彼女を殺めようとしました。それは出来ませんでしたが。レピダスの言葉に安心たのか、去っていったのでした。
** 第四十三回 芙蓉記 第四話 魔法の国 **
千年前の物語。
軍事国家をマガラを倒し、パテリアに平和が戻ってくると思いきや人々の願いもむなしく、カルキス国との戦いになっていったのでした。そのころ、謎の占い師ミケーネが再び芙蓉姫の前に現れ、多くの魔法使い達が現れてくると、予言したのでした。
予言は当たり、臣下のタキスがに異変が生じたのでした。此の事態に、彼らは他国に先んじ魔法使いを組織しようと考えたのでした。
世の中に魔法使いが登場すると、女性の魔法使いが発狂し惨事になる事件が発生しました。カドモスは村で狂女を発見しましたが、始末するつもりがやられてしまいそうになりました。それを救ったのがダーナという旅の男でした。彼は魔法使いが現れ、世界が混乱しているとして、元凶を探し求めていました。そしてその原因は芙蓉姫だとしていました。彼は城に訪れると、無類の実力を見せつけ、姫にせまってまいりました。ダーナが星に導かれ来たことを知ったカドモスをなんとか仲間にしたいと願ったのでした。カドモスはダーナを姫に面会させると、ダーナは芙蓉姫殺害を止め、ミケーネに疑いの目を向け始めたのでした。ミケーネに会うまで此の地に留まることにダーナはしたのでした。いよいよカルキス国は大群でマガラ国領の駐屯するパテリア軍に大河を渡り攻撃を始めました。兵力差でパテリア国は盆地の入り口である関で必死に防戦しました。このころカルキス軍も魔法使いを戦争に投入していましたが、パテリアの魔法使いの軍事化はさらに進んだものでした。カルキスは罠にかかり、魔法の力によっ撃退されたのでした。
ダーナはその戦いを間近で見て、魔法は本来世界にあるべきものでは無いと結論を出したのでした。
** 第四十四回 芙蓉記 第五話 渡河 **
千年前の物語。
パテリア王黄武は、数々の戦功があるカドモスに対する不信感がぬぐえず、彼を亡き者にしたいと考えました。そこで宰相ドルアスはカルキス領の支城に進軍し、カドモスを孤立化させ、敵に始末させることを提案したのでした。
提案はすぐに実行され、カドモスの仲間のイアソン、タキスに別の命を出して切り離し、カドモスには遠征軍の先鋒として出陣させたのでした。此の戦いは無謀な戦いで、戦力はカルキスが完全に勝っていたのでした。攻め込まれたカルキスが逆に驚いて、ヒパボラ河の水軍を終結させると、パテリアの船団と水上戦を始めたのでした。水上の戦いはカルキスが優位のはずでしたが、パテリア水軍は魔法使いを駆使し、カルキス水軍を撃破すると対岸に上陸したのでした。この時、カドモスは敵水軍の将レアンドロスを捕虜にしたものの、彼を仲間にしたく解放したのでした。
パテリア軍は橋頭堡を確保すると、本軍はそこに留まり、先鋒のカドモスが敵支城むけて出陣したのでした。ここで、本軍はパテリア王の指示通り、カドモスを敵陣の中に孤立する予定でしたが、その命令は持に関係なく、本軍は森からの奇襲を受け、実質先に進めませんでした。先鋒のカドモスは森でカルキス軍と遭遇戦を展開し、谷間に追い詰められ、絶対絶命の危機に陥り、それを救ったのはメガラ領内にいるはずの芙蓉姫とダーナでした。姫の魔法でカルキス軍は撃退され、危機を脱すると、ダーナは此の機に乗じて支城を攻めることを提案しました。剛胆な提案でしたが、カドモスは軍を密かに敵支城に進めたのでした。攻城戦が始まり、守り手有利な状況の中、ダーナは驚異的な魔法の力で、なんなく支城を攻め落としたのでした。このときカドモスはダーナが言うように、魔法は世界に混乱をもたらすのではないかと思ったのでした。
** 第四十五回 芙蓉記 第六話 変容 **
魔法に制約があり、古の魔法が禁じられ、失われたのか。ドクトリは、その秘密をさぐるべく、幻術使いをグレーティアが支え、限界突破の実験をしたのでした。それによって起こったことは、幻術使いが限界点を突破し、古の魔法に近づくと、体が変容したことでした。妖術使いが獣のような容姿に何故なるのか、ドクトリ達は禁断魔術の危うさを感じたのでした。
千年前の物語。
カドモスが支城を落としたことは、パテリア王の耳にはいり、王は殺害が失敗したことに悔しがった。そこで王はカドモスに援軍を送らず、支城にて孤立させる手段をとろうとしました。しかしこの頃、王の計略で遠くに離されていた、イアソン、タキスは帰還し、連合の諸王の欲を誘い、パテリア国に続き、この戦いに参戦するように焚きつけました。
パテリア王は諸王が詰め寄ると、彼らが一枚加わることに反対できずに、連合軍としてカルキス国に戦いを挑むことになったしまいました。黄武としては、ほんの火遊び程度が大火になってしまったのでした。
連合軍は上陸し西に向かうと、カルキス軍はカドモスを撃退した戦術で森で迎え撃ちまちたが、魔法部隊の活躍で連合軍は勝利し、全軍は支城まで達したのでした。
しかし、水上戦と森での戦いにおいて、異様なる現象が発生しているのが分かったのでした。それは術者の体の変容と、周囲の草木の変化でした。魔法が苛烈になったころ、術者は体の各所がある者は獣のように、ある者は妖精のように、様々に変じたのでした。そしてその周囲も別世界の様に変わったのでした。そして、それは心のありようが形となって現れているようでした。魔法は世界を変えていたのです。
連合軍はカルキスの王都向けて、進軍し川を挟んで両軍は激突、激しい戦いの末、連合軍は勝利しました。戦いの趨勢が決して、これ以上の流血は不要と、ダーナは単身カルキスの王城に向かい魔法にて降伏させたのでした。
空に第二番目の星があがり、ダーナは世界の変化を見定めるべく、仲間の元を去りました。カドモスはヒパボラ河で抵抗を続ける、残兵の掃討に向かいました。ここで彼は、前に逃がしたレアンドロスを強引に仲間にしたのでした。
** 第四十六回 激突 **
空に第三星が登りました。
この頃、パテリアにて異変が発生していました。西方、東方、南方に巨大な雲の門が起立し、それに合わせるかのように、西シルバの森、東ムルティ山麓、ルース北部平原にて怪物達の大移動が始まったのでした。移動は獣の王を中心としたもので、パテリアに危機が到来していたのでした。
西方にて、黒虎騎士のコレガとソダリスは命を受けて獣の王の調査に再びシルバの森に来ていました。彼らは、腕のいいハンターのオリスのチームと契約すると、獣の王を追いかけて西に向かったのでした。獣の王は北西の渓谷を目指し、その先に何があるのかコレガ達は山伝いに追跡をしたのでした。獣の王を中心とする怪物の大軍団は渓谷をぬけ、ラセオ河に至り、ここで冥界の門より現れ出でた、怪物の大集団と遭遇戦を展開したのでした。怪物の両軍は熾烈な死闘を繰り広げ、最期の一匹になるまで戦い抜いたのでした。両軍一歩引かず、総全滅。両軍の屍の中、コレガ達は唖然とするのでした。
そしてそこに現れたのは謎の男カーサーでした。
南方では皇子トラボーにより、怪しい雲が海岸に目撃されると、軍師のハレエレシスは諸将に警戒を命じると、直ちに海岸に調査に向かったのでした。すると海には巨大な雲の門がそそり立ち、そこから無数の怪物が現れ出でたのでした。ハレエレシスが驚いていると海岸線に現れたのは、ずっと奥の陸地で群れをなしていた獣の王の軍団でした。両軍は海岸線で激突し、苛烈な戦いを繰り広げ、両軍死滅して終了しました。
あまりにもの戦いにハレエレシス達が驚いていると、怪鳥に跨がった男が、舞い降りて来たのでした、男はグラッシスと名乗りました。
東方にてヘテロの宰相はモト山麓に巨大な雲が立ち上り、さらにムルティ山麓の怪物達が南下を始めたことから、いよいよ瓊筵戦争が始まったことを悟りました。彼は、直ちにパテリア領内に進軍していた軍勢を自国の関内に撤退させたのでした。
** 第四十七回 宿敵 **
パテリアの総司令コンジュレティオはヘテロ軍が自国領まで何故後退したのか、分かりかねていました。そこにムルティ山麓の怪物の群れが南下しているとの、情報がもたらされ、総司令はこれをヘテロにぶつける作戦を思いついたのでした。
南下する怪物の前に障壁を用意し、進路を変え、ヘテロ領内に向かわせるつもりでした。改革は着実に進行したかに見えましたが、これはヘテロ宰相ホスティスの計略でした、彼は退却してパテリア軍を怪物の戦闘に巻き込ませる計画でした。
総司令を助けたのがパテリア宰相でした。東に起立した冥界の門から怪物が出現し西に迫って居ること、ムルティ山麓の獣の王との戦いが始まるので、退却されたし、とのことでした。驚いた総司令は直ちに丘まで退却すると、なるほど東西から怪物が現れ、激しい戦いが繰り広げられたのでした。阿鼻叫喚の戦いのあと両軍は全滅。無数の死骸が平原に横たわったのでした。
その夜、怪物が横たわる平原に三人が集まりました。冥王シャヘルの臣下の妖魔、ハスタ、ラング、ベネノの三人でした。彼らは瓊筵戦争の初戦が、引き分けに終わったことを残念がっていました。力は完全に戻って居ないことを確認した彼らは、まだ目覚めぬ仲間を探すことにしました。
** 第四十八回 兄弟子 **
十五年前、師ビルトスに与えられた使命も終わり、グレーティアの兄弟子グノーはパテリアへの帰路にありました。随行するのは弟子のニガンダでした。
グノーは草原の交差点トハラ国に到着しますが、死者が蘇って縁者を襲う事件に出くわしました。グノーは死者を浄化し、あの世に返しましたが、このことにより、怪しまれ捕らえられてしまうのでした。王はグノーの実力を認め、逆に亡き姫は宮中に現れる事件の解決を求めたのでした。
宮殿で待ち構えると姫が現れ、王を黄泉に導こうとしますが、グノーがそれを阻止し冥界の返したのでした。姫を蘇らせて操っていたのは冥王シャヘルの配下、コスタでした。 その後、王のもとに隣国グチャンが大軍で攻めてくると、グノーは僅か十騎を連れて撃退に向かったのでした。グノーは大軍の前に立つと、技を使い、グチャンの軍勢は進めば進むほど、後退し、なんと自国に戻ってしまったのでした。これにグチャン王は衝撃を受けて戦意を喪失したのでした。グノーは一兵も使わず、敵を退けてしまったのです。
ところがこれは妖魔コスタの罠で、その頃、都の墓地から多数の死者が蘇り、都を襲ってきたのでした。グノーは直ちに都に引き返すと、全ての死者を浄化し、死の国に返したのでした。
しかし攻撃は終わったわけではありませんでした。北の国マサゲタイより大軍が南下してきたのでした、この軍勢はかつて平原で行われ得た大戦争の戦死者でした。先は市民でしたが、今度は戦士の軍勢で、手強い存在でした。
これについてもグノーは少人数で向かい、酒樽をすらえ、死人の群れに酒を振る舞い、成仏させようとしましたが、妖魔コスタは再び黄泉に消されて不味いので、それを阻止しようとしました。しかしグノーは魔法偽イルマットによって注意を向けると、死者を消したのでした。
一杯食らわせられたコスタは怒り、魔法イルジュディーツィオを放すと、グノーも魔法イルバカッドを放しました。両者の魔法は正面からぶつかり、コスタは敗れたのでした。しかしグノーはコスタの技の被害を受け、その場を動けなくなったのでした。グノーは弟子ニガンダに、パテリアの秘宝をグレーティアに届けるように命じたのでした。
** 第四十九回 神話 **
ムルティー山麓北部にて聖剣の手がかりを求めて、ローサ達は山中を旅しました。ハンターに連れられて来た神殿跡には、確かにレリーフはありましたが、聖剣のものではありまでんでした。神話の時代を題材とした、伝承が絶えたものでした。
北部で成果がなかったローサは南に下り、この一帯の伝承に詳しい老人を訪ねました。しかし老人は聖剣伝承が此の地にはないことを伝え、西の都メディスを調べるように、助言したのでした。ここではないと言われたものの、ローサは計画通りにハンターを雇い、ムルティー山麓南部の神殿の調査を開始したのでした。レーリーフがある神殿は二つあり、その一方でローサは聖剣の手がかりを得たのでした。その絵の示すものは西部の山々でした。西部に聖剣の存在の可能性を感じた、ローサは直ちに神殿を去ろうとしましたが、生憎、獣の王の率いる怪物の群れの真ん中に出てしまいました。しかし彼女は不思議な出来事、すなわち獣の王と意志を通じ合わせることができたのでした。ローサにもワルコと同じ力が秘めていたのでした。
パテリアの宰相デスペロはヘテロとの戦いを終結させ、主力をもって古都のグレーティアを始末しようとしました。しかし、デスペロはかつて、友であったホスティスをだまし討ちし、そのことで恨まれていました。しかしデスペロはあえて会談を申し込んだのでした。両者は怪物の死骸が転がる平原の真ん中で出会いました。
パテリアの宰相とヘテロの宰相が直に顔を合わせるこのなど、あり得ない出来事でした。ここでデスペロは利害を解き、休戦協定を結ぶことを提案したのでした。恨みが深いデスペロの申し出など、ホスティスには受けられるものではありませんでしたが、ワルコを手に入れられるという甘い誘いを切りすてることが出来ず同意したのでした。
かくしてヘテロとパテリアの歴史的合意がなされたのでした。
** 第五十回 別離 **
古都ナティビタズでは祭りが行われていました。この祭りは城の外から玉をもった未婚の男性が町の中心の社に鎮座した、今年の聖女まで運ぶといったものでした。もちろん邪魔をする既婚男性によってやすやすと達成できるものではなく、両者は取ったり取られたりを繰り返し都中を走り回る過酷なものでした。今年の祭りが終わったとき、いままでグレーティアについて来たプエラが故郷に帰ることを告げたのでした。グレーティアは納得すると、プエラを送り出すことにしたのでした。旅立ちの日、皆が出迎える中、プエラはみんなと言葉を交わすと、馬車にのり故郷目指したのでした。
程なくして、王都より姫様への贈り物として、音を奏でる石像が送られて来ました。あの太子の贈り物で、グレーティアはお断りするつもりでしたが、ふさぎ込みがちな、フィディアの顔が明るくなったので、庭に設置させることにしたのでした。
ヘテロとパテリアの休戦協定の情報はナティビタスにももたらせ、危機感を抱いたデュックは仲間を集めると対策を協議しました。そして、ハレエレシスのいる南の反乱軍と同盟を結ぶことにしたのでした。使者として選ばれたのはレピダスで、かれは早速陸路を使い、ルースを目指したのでした。
レピダスは途中メディズに立ち寄った際、兄弟を殺されたことで恨みを持った幻術使いオディーマに襲われますが、容易に撃退すると、南方を目指しました。反乱軍と政府軍のにらみ合う戦線まで到着すると、反乱軍先鋒アルゴンを訪ねたのでした。このときアルゴンは政府軍に弓の名手がいて苦戦しており、このことを知ったレピダスは助力を申し出たのでした。
レピダスは一騎出かけると、敵将に弓の勝負を持ちかけ見事討ち取ったのでした。
アルゴンは大喜びすると、行き先を丁寧に教えてくれ、レピダスは本拠地を目指したのでした。
物語を期待された方はすみませんでした。
52回は物語に戻ります。




