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20.天下無敵のJapanese Juggernaut

 神原先輩に一発の銃を撃たせることもなく勝利したファーストラウンドの勢いそのままに、私たちはその後のラウンドでも同様、『横浜スタイル』を完封することに成功していた。


「よし、これで8-0! ちょっと新堂さんのオーダーすごすぎるかも」

『なんか神がかってるレベルで読みが冴えてるよね! 相手の神原さんもゲームチェンジャーだけど、あかちゃんも負けてないよ!』


 状況はまさかの八ラウンド連続取得。あと二本取ってしまえば、このマップは勝利となる。

 ここまで作戦がハマるとは思っていなかったが、私も自身の戦略が通用していることに確かな手応えを感じていた。


「次でアタッカーラウンドもラストです! 気を引き締めていきましょう」

「10-0でパーフェクトゲームしよ!」

『このままだとなんかいけそうだよね~』


 若干の緩みが気になるが、この雰囲気のままでいきたい。

 過度な緊張は不要だ。


 このラウンドも私たちは敵の情報を取って、神原先輩の位置を特定して、他の敵を撃破していく。

 そして神原先輩のいないエリアに爆弾を設置し、爆弾解除中の神原先輩をみんなで狙い撃てるように配置につく。


「解除音が鳴ったら、今までと同じようにピークします。それまでは居場所がバレないように……」


 このラウンドも勝てる。

 みんながそう思っていた。


 しかし、ほんの僅かな気の緩みを咎めるようなスナイパーの轟音が

 ダァアアアンッ‼

 ダァアアアンッ‼

 と二度鳴り響く。


『ごめっ、もう来てる!』

「一発だけ胴に入れてる!」


 一瞬にして屠られるココ助先輩と琴崎先輩。

 これまでも解除より私たちの撃破を優先してきた場面は幾度となくあったものの、カバーを取り合ってなんとかしていた。


 しかし、今回はカバーを取りあえていない。

 琴崎先輩が襲われている間にココ助先輩と南先輩がカバーを取れる配置にしていたが、機能しなかった。


「南先輩退いてくださいッ‼」


 私は南先輩に逃げるよう大声で指示を出す。

 二人のカバーを取れたはずの位置にいるということは、次に狙われるのは南先輩だからだ。

 定点爆撃で爆弾の解除遅延を行える南先輩が生きているのと生きていないのとでは、状況は大きく変わってくる。


「ごめんっ!!」


 しかし、そんな私の願いも叶わず、

 ダァアアアンッ‼

 という絶望感のある轟音とともに、南先輩が倒されたことを示すキルログが画面右上に表示される。


――私はどこで間違えた……?


 近づいてくるスパイラビットの足音。

 分かっていても勝つことのできない圧倒的な強者の足音が私のほうへと近づいてくる。

 もう足音を隠す気もないようで、私を少しでも早く倒すことを優先していることが伝わった。


「宮本さんカバー!!」


 私は宮本さんの視界に映るようにポジションを調整する。

 もし私が倒されても、宮本さんが神原先輩を背中から撃って倒してくれればいい。

 一対一で勝てなくても、二対一なら勝負になる。

 カバープレイの基本だ。


 私の体を切り裂くスナイパーの轟音が鳴り響く。

 今わの際に映ったのは、仲間を次々と撃ち倒していった白い悪魔。

 そして、それに銃口を向ける宮本さんのエージェントホーク。

 これならカバープレイで神原先輩を倒せる!


「エスケープダッシュ……」


 私が倒されると同時に、神原先輩へと鉛球を撃ち込む宮本さん。

 しかし、スパイラビットのスキル、エスケープダッシュで滑るように瞬間移動。

 宮本さんの弾は外れ、その返す刀で宮本さんも撃ち抜かれてしまった。


「……こっち見てなかったのに。私、倒してたはずなのにっ!!」


 宮本さんのショックを隠しきれていない動揺した声がヘッドセット内に響く。

 宮本さんの画面からしてみれば、神原先輩を背中から撃てるイージーな場面だったのだろう。

 なのに、まるで背中に目が付いているかのようにスキルで弾を避けられ、そのまま振りむきざまにスナイパーで撃破された。


――これが世界基準。日本を世界第三位まで押し上げたJapanese Juggernaut。


 絶対に勝てると思っていたこのラウンドは、私たちに重い重い衝撃を与えることとなった。





「あとたったの二本です。死ぬ気で取りましょう」


 衝撃的な敗北を喫したものの、8-1という圧倒的な優位は変わらない。

 ここからは敵が爆弾を設置しに来るディフェンダーサイドとなる。


「横浜女子は神原先輩を先頭に立たせて進軍してきます。通常であれば神原先輩との戦闘は避けられませんが、事前に話していたプランで勝利をもぎ取りましょう」


 敵が爆弾設置を防ぐアタッカーサイドでは、神原先輩のいない場所を攻めていれば良かった。

 しかし、今回からは爆弾設置する場所には必ず神原先輩がいることとなる。


「さっきはごめんね。私がカバー上手く取れてれば……」

『ドンマイだよ真知子ちゃん、8-1は上出来だって!』


 ココ助先輩が優しく声をかける。みんな気落ちはしていないようだ。


「B側来てる!」

「作戦通り退いてください! 『ファストリテイク』を狙います!」


 ディフェンダーサイドでの作戦はこうだ。

 今までと同じように情報は取るものの、爆弾設置エリアへの侵入を防ぐことはしない。

 攻められたエリアは素直に渡す。


 しかし爆弾を設置された後、速やかに取り返しにいく。

 この速やかなエリアの取り返しを『ファストリテイク』と呼ぶ。

 もちろん敵もファストリテイクを警戒しているのだが、私たちは成功率を高める策を用意してきた。


「スモーク入れます! 南先輩も!」

「おっけ入れたよ!」


 爆弾設置エリアに集合した敵五人。

 そのエリア内に毒ガスや白い霧など、視界を遮るスキルをありったけ投下する。

 そのために二体のクリエイトキャラ、シスターエレファントとドクターベアーを採用した。


「いきます! 3・2・1……GO!」


 エリアを囲い込むように待機する私たち五人が、私の掛け声で一斉にエリア内へと突入する。

 霧や煙だらけの混戦状態でラウンドをもぎ取る作戦だ。

 少し難易度は高いが、こちらから仕掛けている分だけ勝算はある。


――みんな、どうして……っ!


 しかし、エリア内に踏み込んだ瞬間、私は敗北を直感した。


 私の掛け声にドンピシャで合わせてくれたのはココ助先輩だけで、他の三人はほんの少しだけ遅れてエリアへと突入する。

 その結果、私とココ助先輩だけが少しだけ早く突っ込んだ形になってしまい、あっけなくやられてしまった。


――あのラウンドか……。


 練習ではできていた。

 息の合ったファストリテイクができていたはずだった。

 脳裏に過ぎるのは、神原先輩に破壊されたあの衝撃的な敗北。

 一歩間違えば絶対にやられるという恐怖心が、みんなの動き出しをほんの少しだけ鈍らせた。


「ごめんちょっと遅かった……」

「二人と三人で分かれて入っちゃったね……」


 申し訳なさそうに呟く琴崎先輩と南先輩。

 一瞬の躊躇がみんなの決断力を蝕んでいる。

 動きに余裕がない。

 そして、横浜女子はその僅かな緩みを見逃してくれる相手ではない。


――やばい、これじゃ、崩せない。


 相手に与えてしまった僅かな余裕。

 それはJapanese Juggernautを呼び覚ますには、十分すぎる猶予となっていた。





「A前もう来てる! 逃げれない!」


 琴崎先輩の悲鳴のような報告が耳をつんざく。

 エリアは渡すという作戦だったにも関わらず、味方が次々とやられていく。

 これではファストリテイクができない。


『先にリテイクポジションを潰しにきてる。あかちゃん、ファストリテイクの配置変えたほうがいいかも』


 こちらのやりたいことも見透かされて、爆弾の設置よりも先に私たちの全滅を優先して動いてくるようになってきた。相手チームの対応も早い。


――他の手もあるにはあるけど……。


 最悪の雰囲気だった。

 気づけばラウンドを七連取され8-8と並ばれている。

 完全に横浜の追い上げムードだ。


 神原先輩を撃破できたラウンドは一度もなく、ディフェンダーサイドの八ラウンドで四〇キルの内、神原先輩がたった一人で二九キルも稼ぐ大暴れっぷり。

 完全に眠れる獅子を呼び覚ましてしまった。


――みんなの口数も少なくなってきた。


 口数の少なさはテンションに起因するものだが、それは報告量と報告スピードにも直結する。

 気持ちが入っていないとパフォーマンスは出ない。

 そんな状態で新たな策を講じても上手くいくわけもないし、敵に戦略を晒すだけになってしまう。


――このタイミングしかないかな。


 私はたった一度きりのタイムアウト権をここで行使した。


<由比ヶ浜女子タイムアウト ~残り180秒~>


「あっ。……タイムアウト」


 ラウンド間に不意に止まった画面。

 はっとしたような声をあげたのは宮本さんだ。


――明らかにティルトしてたからなぁ。


 ティルトとは、いわゆる頭真っ白な状態のことだ。

 合理的な判断ができず、精神的に不安定になっていることを指す。


――その原因は間違いなく……。


 アタッカーサイドの最終ラウンド。

 勝っていたはずの場面で、神原先輩にすべてを破壊されたあの場面、あの瞬間が頭から離れないのだろう。


 私のタイムアウトには宮本さんを落ち着かせたいという意図もあった。

 明らかに精彩を欠いていて、いつもの元気な声もまったく出ていない。


『あかちゃん、先にちょっと時間もらってもいい?』


 ココ助先輩から声が掛かる。きっと考えていることは同じだろう。


「お願いします。私もココ助先輩のほうがって思ってました」

『ありがとね』


 このタイムアウトは流れを変えるためのタイムアウトである。

 であれば、私よりもココ助先輩のほうが適任だ。


『こんな場面で、私からみんなに落ち着いてなんて言えない』


 ココ助先輩はゆっくりとした語り口調で話し出す。


『私は実力的にも一番下だし、みんなにここまで引っ張ってきてもらってる立場だから』


 落ち着いた声のトーンが心地よく、耳に染み入るように入ってくる。


『けれど、いつも一番下からみんなのことを見てたから分かる。みんなはこんなもんじゃない。私たち、まだ練習の一割も出し切ってない!』


 ここまでのゲームでパフォーマンスとメンタルが一番安定していたのはココ助先輩だ。

 ココ助先輩にとって最後の大会。

 他のみんなと比べて明らかに肝が据わっている。

 覚悟が違う。


「……っ!」


 琴崎先輩と南先輩の表情に、少しだけ力が入ったように見える。

 私の言葉ではこうはならない。

 先輩方がずっと積み重ねてきた関係でしか伝わらない言葉がある。


『宮本さん』

「は、はい」


 いつもと比べて明らかに元気のない声が返ってくる。


『背負わせちゃってごめんね。先輩らしいこと何も出来てなくて』

「いや、そんなことは……」


 宮本さんらしくない、歯切れの悪い返事だ。

 それだけダメージが大きいのだろう。


『でも、前を向くべき時は、前を向かなきゃいけないんだよ』


 優しく諭すような言葉。

 宮本さんに伝わって欲しいという気持ちが前面に出ている。


『この大会、出られて嬉しかったよね?』


 その言葉に、隣にいる宮本さんの腕に力が入ったのを感じた。


『メンバー集めにも苦労したし、あかちゃんのことだってあった。そういうのを乗り越えたから、私たちはこの舞台に立ててる』


 大会にプレイヤーとして出たい。

 その気持ちが人一倍強かったのは、間違いなくココ助先輩と宮本さんの二人だ。

 この二人にしか分かりあえない感情がある。


『あと、こんな私に言われても仕方ないかもしれないけど、宮本さんはいつか神原さんを超えるプレイヤーになれると思ってる』

「私が……神原さんを超える?」


 思いもよらない言葉だったのだろう。

 力の抜けた声が宮本さんの口から漏れ出た。


『もちろん神原さんはすごいプレイヤーだよ。私なんかじゃ手の届かない存在。けれど、いつも一緒に練習してる宮本さんからも、それに負けないぐらいの才能の片鱗を感じるの。……それに、神原さんと対決できるチャンスなんて中々ないよ!』


 宮本さんにとって神原先輩は、eスポーツに興味を持つきっかけをくれた憧れのプレイヤーだ。

 そして今、その憧れのプレイヤーと直接対峙している。

 対等に挑めるチャンスを得ている。


『せっかくの機会だよ。挑もうよ』

「……はい!」


――ココ助先輩に任せて良かった。


 たった一度しか使えないタイムアウト。

 私はほとんど喋ることなく終わったが、僅か180秒の時間は絶大な効果をもたらしていた。

 八ラウンドを連続で取られたことに臆する人は、もう誰もいない。


「ココ助先輩。ありがとうございました」


 みんなの気持ちが前を向いている。

 闘争心が漲っているのを感じる。

 あとは私が行く先を指し示すだけだ。


「それでは、勝つための作戦を伝えます」





「Bと中央取りに来てる! 退いて退いて!」

『Aもアクションあるよ! エリアにスモーク来たからそっちフェイクかも!』

「B内の小鷹はまだ鳴いてません!」


 これまでのラウンドとは段違いの報告量が飛び交う。

 やっぱりこのゲームはメンタルが大事だ。

 気持ち一つでこんなにも動きが変わってくる。


『A入ってきた! こっちは退けてるから中央気を付けて!』

「中央の安全取れてます! 配置についてください!」


 横浜女子は私たちのファストリテイクを警戒して、時限爆弾の設置を後回しにしてでも、私たちが反撃するのに必要なエリアに圧力をかけてきている。

 もう生半可なファストリテイクでは通用しないだろう。


――だからこそ、ある一手が刺さるんですよね。


 Aエリアに入るための道を敵の白い霧が塞ぐ。

 間違いなく白い霧の先には敵が銃口を向けて待っている。

 そのまま入るのはあまりにも危険だ。

 それならば……。


「みんな配置に着きましたね。3・2・1……GO!」


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!


 私たちはフルオートマシンガンをありったけぶっ放した。


 フルオートマシンガンは射撃精度もダメージも低いため、真っ向からの撃ち合いでは使い物にならない。

 けれど、白い霧で塞がれたエリアの中に敵が密集している状態であれば、その弾幕ですべてを薙ぎ払うかのようにエリア内の敵を一掃できる。


「完全に奇策よね」


 琴崎先輩は今にも笑いそうな上ずった声をあげる。

 私たちがフルオートマシンガンを横に振るたびに横浜女子の敵が一人、また一人と撃破されていく。

 そして、最大の脅威である神原先輩も銃弾の嵐によって撃破された。


「横浜女子が爆弾を設置するまで交戦を避けられたからですよ」


 もし誰か一人でも交戦を強いられて、フルオートマシンガンを所持していることがバレていたら、この状況は起こり得なかっただろう。

 みんなが全神経を使って索敵に専念したからこそだ。


『これで9-8、あと一本だよ! 気を緩めずにいこう!』


 ヘッドセット内にココ助先輩がパンパンと手を叩く音が聞こえてくる。

 この一本はものすごく大きい。ラスト1ラウンドを取りきるための布石は整った。


「宮本さん、いけますか?」


 すべての鍵は宮本さんが握っている。

 私はチラリと右隣に座る宮本さんへと視線を送った。


――あぁ、これなら大丈夫だ。


 宮本さんはモニターを一心に見つめていた。

 その表情に不安や怯えといった陰りはない。


「大丈夫。……この決勝戦で、今が一番集中できてる」


 ここまでのディフェンダーサイドはずっとずっと苦しかった。

 アタッカーサイドのラストラウンドを神原先輩の衝撃的なクラッチプレイで逆転されて、そこからはメタメタに叩きのめされる一方だった。

 だけど、私たちはこの直前のラウンドでフルオートマシンガンという奇策をもって一矢報いることに成功した。


「逃げることなく、挑みます」


 その宮本さんの言葉には、これから行う私たちの作戦のすべてが集約されていた。

 そして、第一マップ、最後のラウンドが始まる。


「宮本さん、A側行ってるよ!」

「Bはアクションない! 間違いなくA側!」


 琴崎先輩と南先輩が懸命に敵の位置情報を宮本さんに報告する。

 横浜女子は先ほどのフルオートマシンガンがよほど堪えたのか、爆弾の設置よりも私たちの殲滅を優先しているような動きを見せていた。

 神原先輩を先頭に中央広場をくまなく索敵し尽くしてから、Aエリアへと向かおうとしている。思惑通りだ。


「……もう私は逃げない。……挑む。……戦う」


 宮本さんの呟きがヘッドセットから聞こえてくる。

 凄まじい集中を感じる。


 このラウンドを落としたらサドンデスの延長戦になる。

 戦略を出し尽くしている私たちのほうが圧倒的に不利になる。

 負けるわけにはいかない。

 勝負は一瞬だ。


――だから、横浜スタイルの致命的な弱点を突く。この一手に、宮本さんにすべてを懸ける。


「……きたッ!」


 そんな宮本さんの声とともに、二つの銃声が鳴り響いた。

 横浜スタイルの致命的な弱点、

 それは……。


「やりましたぁぁぁあああ!!!!!」


 神原白乃が撃ち負けること。


 宮本さんのエージェントホークが放った弾丸が、神原先輩のスパイラビットの頭を貫いた。


 ここまでの17ラウンドで一度も神原先輩とまともに撃ち合うことはしなかった。

 私たちはずっと逃げて、交戦を避けながら退き続けて、爆弾設置エリアまでの道のりを明け渡し続けてきた。

 そして、爆弾設置後にのみタイミングを絞って仕掛け続けてきた。


 次第に薄れていく警戒心。

 交戦は設置エリアを抑えてからになるという思い込み。

 逃げ回る私たちをどう殲滅するか考えさせるミスリード。


 そのすべての条件が揃ったとき、先頭を走る神原先輩を仕留めるべく、私たちはドライの撃ち合いで滅法強い宮本さんを爆弾設置エリアの入口に配置した。


「いけいけいけいけ! ゴーゴーゴー! エリア詰めてぇ!!」

『勝った勝った勝った行けるよぉ!』


 横浜スタイルは神原先輩が撃ち勝つことを前提にしたスタイルだ。

 敵をなぎ倒しながら道を切り開く神原先輩に全幅の信頼を置いて、逃げ惑う敵を追い詰める圧倒的捕食者側の戦略。


 だからこそ神原先輩が勝つという前提が崩れたら、脆い。


「あと一人スモークの中に逃げてる!」

「無理して詰めないでください! 霧が晴れるのを待ちましょう!」


 逃げずに掴んだラストラウンド。私たちは10-8でファーストマップを勝利した。

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