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風情
実際の田舎はぜんぜん静かじゃない
夏休みに入って、父方の祖父母がいる家に泊りに来ていた。
縁側に座って、休憩がてら切り分けられたスイカをかじる。
田舎の空は広いし星も多い。夜は、短い。
「甘くない」
赤い部分でさえ瓜系の青臭さが香った。
「ほれ」
隣にいる奈津姉が投げてきた小瓶をキャッチする。
月明かりにかざしてよく見ると、白い小さな結晶がきらりと光った。
「なにこれ」
「それかけると甘くなるよ」
「塩かけると甘くなるってやつ?」
「んや、それ砂糖」
「風情がないよ風情が」
奈津姉はそういうところがある。なんというかガサツだ。
ふたを開けてぱらぱらとスイカに砂糖を振りかけてかぶりつく。
「甘い」
「でしょ」
「なんで得意気なんだよ」
蛙が一つ、喉を鳴らした。
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