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すみか
「今日からここに住むからよろしくね」
そう言って君は土足で、懐かしむように僕の家に上がった。
「私は未来から来たんだよ」
笑顔の奥に隠れた真剣な眼差しは重大な使命を帯びていた。
「これでもう大丈夫」
僕の悲惨な未来の死を回避する。
目的を達した彼女の体が薄く色褪せ消えていく。
「黙っててごめんね」
世界から彼女の因子が少しずつ失われていった。
コップに並んだ歯ブラシが、一緒に通った学校の制服が、放課後に撮ったプリクラの写真が、引き出しに残された彼女の筆跡が、消えていく。
「私はお父さんの心に住めたかな」
娘の残した手紙の文字が滲んでぼやけて白紙になった。
「土足で上がり込んできたよ」
もうどこにもいない、僕の中に。
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