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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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すみか


「今日からここに住むからよろしくね」


 そう言って君は土足で、懐かしむように僕の家に上がった。


「私は未来から来たんだよ」


 笑顔の奥に隠れた真剣な眼差しは重大な使命を帯びていた。


「これでもう大丈夫」


 僕の悲惨な未来の死を回避する。


 目的を達した彼女の体が薄く色褪せ消えていく。


「黙っててごめんね」


 世界から彼女の因子が少しずつ失われていった。


 コップに並んだ歯ブラシが、一緒に通った学校の制服が、放課後に撮ったプリクラの写真が、引き出しに残された彼女の筆跡が、消えていく。


「私はお父さんの心に住めたかな」


 娘の残した手紙の文字が滲んでぼやけて白紙になった。


「土足で上がり込んできたよ」


 もうどこにもいない、僕の中に。


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