第十一話 尿道結石になる
我が家は毎年一回。子供達三人と、私と女房の母親と、竹子叔母さんとで家族旅行をしていた。ロンを置いて行って大丈夫だろうかと心配で、女房が猫を飼っている友達に聞いて見たら
「一泊ぐらいなら大丈夫よね」と言う事だったので行く事にした。
餌入れの器に今日の朝と晩と、明日の朝の三回分を入れて、水も多めに入れた。
「ロン君お留守番お願いします」と言って出かけた。旅行中
「ロンは良い子にしているだろうか」と気になった。
次の日の夕方無事に帰って来た。
家に入ると、ダイニングのテーブルの上に、猫のおやつのカニカマスライスのポリ袋が、食いちぎられて空になって残っていた。私が餌を出した時、ミスをして落として気付かず、ロンが見つけて喜んで食べたのだろう。未だ封を切っていなかったのに全部食べていた。
ロンがオシッコをしたそうに、トイレに度々入る様になった。初めは5分おきぐらいだったが、段々3分から1分おきぐらいになった。トイレを調べて見たが、オシッコは出ている様子はなかった。これはいけないと想い、広島の病院へ電話すると
「直ぐに連れて来い」というので連れて行った。
先生はロンの下半身を触っていたが
「とりあえずオシッコは溜まっていないが、尿道結石だろう。猫はオシッコが溜まると2~3日で死亡します」と言った。
「治療法は食事療法しかない、餌は病院しか取り扱っていない」といって3種類のサンプルをくれた
「どれを食べるか試して見て下さい」と言われたが、試してみて又広島迄買いに出るのは大変なので、良さそうな物を一つ選んで、2kg入り(1ヶ月分)を買って帰った。値段は今まで食べさせていた物より、4倍位高かった。
買って帰った物と、同じ物のサンプルを食べさせたら食べたので、それで行く事にした。
翌日から普通にオシッコが出る様になった。
毎月1回のペースで広島まで買いに行った。
フェリーで出て市電に乗って行くのは大変だった。4回ぐらい買いに行ったが
「運賃もかかるし何とかならないものか」と、女房が猫を何匹も飼っている、友達に相談したら
「ホームセンターでも市販品が売っているよ」と聞いて来たので、島内のホームセンターへ行って見ると、尿石、尿路に配慮と言う餌が売られていた。それは病院の餌の半分くらいの値段だった。
「これで大丈夫だろうか」と少し心配だったが、買って帰って試して見ると問題無いようだった。良かったと思い10年位気を付けて、餌以外は食べさせないようにして、上手く行っていた。
いつの間にかその餌を食べさせていれば大丈夫だと勘違いして、油断してしまい外出する時ロンが寂しがるので、カニカマやタイカマのおやつを食べさせる様になった。
初めは外出する時だけ少しやっていたのに、ロンが喜ぶからと、毎日段々多く与える様になった。
又トイレに再々入るようになり、オシッコも出ていないようなので、広島の病院へ電話して連れて行った。
先生が
「ああいったカニカマのようなおやつが、一番いけないんです」と言われた。
又病院の餌を買うことになり3回ぐらい買いに行っていたが、おやつを食べさせたのが原因だったと判り、市販品の餌に戻したら大丈夫だった。最初の尿道結石も、おやつが原因だったのだろう。
その後テレビのコマーシャルで、にゃんチュールというおやつが、盛んに宣伝され猫達が喜んで食べているのが映し出されたが、ロンが喜ぶだろうなと思ったが、怖くて食べさせられなかった。




