すれ違う鼓動──涙の決断
第8話では、璃音が初めて自分の気持ちと真正面から向き合います。
「会いたい」と伝えた勇気。
でも、その言葉が重くのしかかり、彼女は揺れ続けます。
そしてジュンから投げかけられた問いかけ──
「俺のすべてを知りたいと思ってる?」
恋愛初心者の璃音には、答えるにはあまりに大きな言葉。
彼女が選んだ答えは、予想もしないものでした。
昨夜届いたメッセージ──
「僕も、君に会いたいと思ってる」
その言葉を、何度も見返しては胸が熱くなる。
(……ジュンさんも、会いたいって……)
喜びでいっぱいのはずなのに。
布団の中で耳を澄ますと、
電話の最後の声が蘇ってくる。
ほんの少しだけ、冷たかったような気がした。
(……あれって、気のせい?
酔ってたから、そう聞こえただけ……だよね?)
不安と嬉しさが交互に押し寄せてきて、胸がぎゅっと揺れる。
翌朝。
鏡の中の私は──赤らんだ頬に、どこか恋する女の子の表情。
(……本当に、会えるのかな?)
期待と不安を抱えたまま、
私はそっとスマホを握りしめた。
出社すると、昨日自宅まで送ってくれた男性社員が気さくに声をかけてきた。
「昨日は楽しかったですね。また一緒に……」
爽やかな笑顔に、周囲の同僚たちの視線もどこか温かい。
(……もしかして、私、雰囲気が変わったって思われてるのかな)
けれど、胸の奥を占めていたのは──
その言葉でも、同僚の笑顔でもなかった。
(……ジュンさんに、会えるかもしれない)
そう考えるだけで、心臓がドキドキした。
期待と不安が、胸いっぱいに広がっていく。
自然と頬が熱くなり、気づけば小さく笑っていた。
昼休み。
机に置いたスマホが、ふいに震えた。
画面に浮かぶ名前は──「ジュン」。
胸がキュンっとした。
スマホのメッセージを見つめたまま、手が止まる。
──「昨夜はごめん。……君の声を聞けて、気持ちが抑えられなくなった」
指先がじんわり熱くなり、胸の奥まで届いていく。
(……どうして、私なんかに。そこまで……?)
うれしいのに、苦しい。
戸惑う気持ちがあふれて、心がぎゅっと揺さぶられる。
恋って、こんなに苦しんだ。
彼の一言で泣きたくなるくらい、胸が切なくなってしまう。
(……会いたい)
気づけば、心からそう思っていた。
夜。
枕元に置いたスマホが震えた。
(……ジュンさん)
震える指で通話ボタンを押す。
「こんばんは、璃音」
変わらない、低くて温かい声。
それだけで胸がぎゅっと高鳴った。
「あの……この前、“会いたい”なんて言って……ごめんなさい」
思わず謝ってしまう。
自分には似合わない言葉を、無意識に送ってしまった気がして。
一瞬の沈黙。
それから、彼の声が深く響いた。
「謝ることじゃない。……俺も、すごく会いたい」
強調するような響きに、胸が一気に熱を帯びた。
(……こんなふうに言われるなんて)
声を聞くたびに、会いたい気持ちが込み上げてくる。
でも、同時に怖くなる。
私は勝手に“あの社長かも”なんて思っているだけで、
本当は何も知らないのに。
「璃音……」
彼の声が少し低くなる。
「俺は今まで、自分から誰かを好きになったことがなかった。
でも、君には……気持ちが抑えられない」
息が詰まった。
電話の向こうの彼が、感情に振り回されているのが伝わってくる。
「ねぇ、璃音。……俺の全てを知りたいと思ってる?」
心臓が一気に跳ねた。
それは、彼にとって仮面を外す覚悟を示す言葉。
けれど、恋愛初心者の私には重すぎる問いかけだった。
胸の奥が、甘くて、苦しくて、どうしようもなく揺れていた。
「……璃音?」
電話の向こうから、彼の声が問いかけてくる。
胸の奥がざわついて、どうしようもなく苦しい。
でも今の自分では、この気持ちに答えられない。
震える声で、やっと言葉を紡いだ。
「……ジュンさん。私……半年だけ、会うのをやめたいです」
受話器越しに沈黙が落ちる。
その静けさが、余計に心臓を締めつけた。
ほんのかすかな吐息が、
電話口から伝わってきた気がした。
(……ジュンさん……?)
答えを出したはずなのに、涙が溢れそうになる。
(……これでよかったの……かな?)
──それでも、璃音は決めた。
“半年の間に、必ず変わる”と。
昨夜届いたメッセージ──
「僕も、君に会いたいと思ってる」
その言葉を、何度も見返しては胸が熱くなる。
(……ジュンさんも、会いたいって……)
喜びでいっぱいのはずなのに。
布団の中で耳を澄ますと、
電話の最後の声が蘇ってくる。
ほんの少しだけ、冷たかったような気がした。
(……あれって、気のせい?
酔ってたから、そう聞こえただけ……だよね?)
不安と嬉しさが交互に押し寄せてきて、胸がぎゅっと揺れる。
翌朝。
鏡の中の私は──赤らんだ頬に、どこか恋する女の子の表情。
(……本当に、会えるのかな?)
期待と不安を抱えたまま、
私はそっとスマホを握りしめた。
出社すると、昨日自宅まで送ってくれた男性社員が気さくに声をかけてきた。
「昨日は楽しかったですね。また一緒に……」
爽やかな笑顔に、周囲の同僚たちの視線もどこか温かい。
(……もしかして、私、雰囲気が変わったって思われてるのかな)
けれど、胸の奥を占めていたのは──
その言葉でも、同僚の笑顔でもなかった。
(……ジュンさんに、会えるかもしれない)
そう考えるだけで、心臓がドキドキした。
期待と不安が、胸いっぱいに広がっていく。
自然と頬が熱くなり、気づけば小さく笑っていた。
昼休み。
机に置いたスマホが、ふいに震えた。
画面に浮かぶ名前は──「ジュン」。
胸がキュンっとした。
スマホのメッセージを見つめたまま、手が止まる。
──「昨夜はごめん。……君の声を聞けて、気持ちが抑えられなくなった」
指先がじんわり熱くなり、胸の奥まで届いていく。
(……どうして、私なんかに。そこまで……?)
うれしいのに、苦しい。
戸惑う気持ちがあふれて、心がぎゅっと揺さぶられる。
恋ってこんなに苦しんだ。
彼の一言で泣きたくなるくらい、胸が切なくなってしまう。
(……会いたい)
気づけば、心からそう思っていた。
夜。
枕元に置いたスマホが震えた。
(……ジュンさん)
震える指で通話ボタンを押す。
「こんばんは、璃音」
変わらない、低くて温かい声。
それだけで胸がぎゅっと高鳴った。
「あの……この前、“会いたい”なんて言って……ごめんなさい」
思わず謝ってしまう。
自分には似合わない言葉を、無意識に送ってしまった気がして。
一瞬の沈黙。
それから、彼の声が深く響いた。
「謝ることじゃない。……俺も、すごく会いたい」
強調するような響きに、胸が一気に熱を帯びた。
(……こんなふうに言われるなんて)
声を聞くたびに、会いたい気持ちが込み上げてくる。
でも、同時に怖くなる。
私は勝手に“あの社長かも”なんて思っているだけで、
本当は何も知らないのに。
「璃音……」
彼の声が少し低くなる。
「俺は今まで、自分から誰かを好きになったことがなかった。
でも、君には……気持ちが抑えられない」
息が詰まった。
電話の向こうの彼が、感情に振り回されているのが伝わってくる。
「ねぇ、璃音。……俺の全てを知りたいと思ってる?」
心臓が一気に跳ねた。
それは、彼にとって仮面を外す覚悟を示す言葉。
けれど、恋愛初心者の私には重すぎる問いかけだった。
胸の奥が、甘くて、苦しくて、どうしようもなく揺れていた。
「……璃音?」
電話の向こうから、彼の声が問いかけてくる。
胸の奥がざわついて、どうしようもなく苦しい。
でも今の自分では、この気持ちに答えられない。
震える声で、やっと言葉を紡いだ。
「……ジュンさん。私……半年だけ、会うのをやめたいです」
受話器越しに沈黙が落ちる。
その静けさが、余計に心臓を締めつけた。
ほんのかすかな吐息が、
電話口から伝わってきた気がした。
(……ジュンさん……?)
答えを出したはずなのに、涙が溢れそうになる。
(……これでよかったの……かな?)
頬を濡らしそうな想いを必死にこらえて、
私は胸の奥で強くつぶやいた。
(半年後の私は──きっと、変わっている)
震える心を抱えながらも、璃音は決意する。
“この半年で、必ず変わる”と。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
第8話では、璃音の「不器用さ」と「決意」を描きました。
まっすぐで傷つきやすい彼女だからこそ、
成長していく姿を見届けていただければ嬉しいです。
ジュンの独占欲と、璃音の純粋な恋心。
この温度差が、二人の物語を大きく揺さぶっていきます。
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これからも、彼女の恋の行方を一緒に見守ってください。




