第114話 メカニカルキーボード
昨夜、早い時間に寝落ちしたせいか、気分爽快で目が覚めた。時間はまだ6時。よし、軽くジョギング、と思ったけど、今最大オプション付での最大戦速中だから、甲板には出られないんだったな。でもちょっと身体動かしときたいし、ジム行くか。
ジムでランニングマシーンを30分やって、そのままシャワーを浴びて部屋に戻る。
さて、当分は何も問題がない限り、艦はニューヨークへ向かってひた走るだけだから、特に何もないんだけど、一応、艦橋へ行ってから朝飯にするかな。
艦橋へ上がるとミズキが居た。
「あれ、ミズキおはよう。」
「あ、ユーさん、おはよー。」
「何かあった?」
「何もないよー。今艦内一周してきたところで、この後食堂行くんだよー。」
「あ、オレと一緒か。今は特にイベントないから、ジム行ったり艦内を巡回する位しかすることないからね。じゃ、今から一緒に食堂行く?」
「うん、一緒に行こー。」
ミズキと一緒に食堂に入ると『自由の女神』チームの3人が居た。
「艦長、おはようございます。」
「おはようございます艦長。」
「おはようございます。」
「おはようございます。みんなが食べてるそれ、ベーコンですか?美味しそうですね。」
「これ、アメリカンブレックファストです。美味しいし、ボリュームも凄くて、武蔵の食堂には驚かされっぱなしです。」
宮本さんが幸せそうな表情で厚切りベーコンを指さした。
「ふふふ、そのアメリカンブレックファストは苫小牧のホテルで出てきた厚切りベーコンを真似てみたんですよ。」
ジュンさんが厨房から出てきた。
「あ、なるほどー。なんかわたし既視感あったんだよねー。シオリが2日とも食べてたもんねー。」
「あれ?そういえばシオリは?」
「シオリちゃんは、もう朝食食べ終えて、ジム行くって出ていきましたよ。」
ジュンさんがドアの方を指さしながら言った。
「早かったんだね。で、オレは何にしようかな。」
「ユーさんへのお勧めはタヌキそばとミニ明太子丼のセットなんかどうですか? もしくは、わかめうどんとミニかき揚げ丼のセットとか。」
「うっわ、それ、どっちも良いじゃないですか。どうしよう、それは悩みますよ。うーん、困ったな・・。」
「ジュンさん、わたし、いつものドライフルーツ入りシリアルと、今日はブルーベリースムージーお願いしまーす。」
「え、なんですか、そのめちゃめちゃヘルシーでお洒落なメニューは。そんなのもあるんですか。私、明日それ食べたいです。」
吉田さんが目を輝かせている。
「よし、オレはタヌキそばとミニ明太子丼、キミに決めた!」
「はいはい、ユーさんがそばのセットで、ミズキちゃんがいつものとブルーベリースムージーですね。ちょっとまっててね。」
ジュンさんが厨房に入っていった。
タヌキそばとミニ明太子丼のセットが出てきた、なんと、一緒に野沢菜漬けもついてるジャマイカ、これは最高だよね。
『自由の女神』チームの3人は、設定上本職の自衛官なんで、朝食後は全員ジムへ行くってことで、ミズキも一緒について食堂を出て行った。
ということは、オレ以外の全員がジムでトレーニング中ってことかな?
あ、違うな、もうひとり居るよね、インドア系が。
「ジュンさん、シオリは来てないですか?」
「シオリちゃんなら、工房で食べるって言って、さっきミックスサンドイッチを取りに来ましたよ。」
そうか、シオリはオレよりよっぽどインドアだったな。
さ、今日は何をしようか。あ、そうだった、オレには重要な任務があったんだ。
部屋に戻って、軽く掃除して、アキバでゲットしたジャンクのメカニカル式キーボードを取り出した。さ、これを完全分解して洗いまくろう。
ジャンクだったキーボードが復活を遂げたときには、既に時間は昼を過ぎてしまっていたが、満足感でいっぱいだった。
満足感はいっぱいでも、もちろん満腹感は無い。ってことで食堂へ入る。
「あら、ユー、昼も食べずにどうしたんですか?」
食堂にはジュンさんしか居なかった。
「へへへ、あのアキバで買ったジャンクのキーボードを治してたんですよ。」
「あ、500円で買ったって言ってたやつですね? で、治ったんですか?」
「はい、治りました、やっぱり汚れが酷かっただけなんですよ。それだけで捨てちゃうなんてもったいないですよね。オレ、リストラされるまではシステムエンジニアだったんで、キーボードの打感には拘りがあって、メカニカルキーボードが必須だから、予備のキーボードが出来て良かったですよ。」
「熱中してて昼食取らなかったんですね。で、何か食べますか? ごはん類ですか?麺類ですか?」
「うーん、朝そば食べたから、昼は・・。麺類!」
「フフフ。本当にユーは麺好きですね。それなら、海鮮ちゃんぽんとか、長崎皿うどんとかどうですか?」
「え、それもまた朝に続いて選べないオプションですね。どっちが良いかな。」
「あ、それなら、ハーフ海鮮ちゃんぽんとハーフ長崎皿うどん、それにイカシューマイでどうでしょう? 九州セットってことで。」
「それにします! それ下さい!」




