1話
よろしくお願いいたします。
「おい、メロンパン買ってこい」
四時間目の授業が終わり、教室内には先ほどの授業とは違った騒がしい会話とお弁当の匂いが充満していた。
そして、派手な男女グループのリーダーである宮崎健仁が僕に向かっていつもの命令をする。
「はい…分かりました」
「走って買ってこいよ!」
そう言われたまま僕はクスクスと笑われながら走って購買に向かう。
★★★★★★★★★★★★★★★
宮崎健仁をリーダーとするグループは、いわゆるヤンキーグループというやつで、同じ学年なら誰もが知るほど有名なグループで、先生たちも諦めつつある。
そんなグループに宮崎健仁と同じクラスとなったヲタクな僕は目をつけられ、先ほどの様に毎日パシられるようになった。
基本パシられること以外は特にないことから、まだましなのかもしれない。お金は消えていくが…。
でもなぜ僕が殴られることがないのか。
それは、宮崎健仁と幼なじみだからだと考える。
健仁とは昔すごく仲が良く、かなりの頻度で遊んでいたがあることがきっかけで不仲になってしまった。
しかし、幼なじみという理由で殴られないとは限らないし、確証はない。けれど、今は殴られないなら良いかと思ってしまった。痛いのは嫌いだからな。
そんなこんなで、購買の争奪戦に勝ち取った僕はメロンパンを抱え教室にたどり着く。
「おせーぞ!」
「すみません」
健仁の机の上にメロンパンを置き、僕は自分の鞄からお弁当を持って急いで教室を出る。
★★★★★★★★★★★★★★★
「このゲーム、予約しよ」
スマホとにらめっこしている僕はそんな独り言を呟きながら、お弁当を食べる。
周りには誰一人いない。いても猫だけだ。
僕は校舎裏で一人ご飯を食べていた。
僕は毎度この隠れぼっちポジションと呼んでいるところで食べている。
ここなら誰にも邪魔されずにご飯を食べ、ゲームやアニメの情報を手に入れることができる。
そして、猫とも触れ合える。
最高だ。これぞ僕の青春。
三次元にはこりごりだ。猫は別だが。
そんなことを思っていると、猫が僕の近く甘えるようにに寄ってきた。
「人間はすぐ裏切るが、お前は違うよなにゃん吉」
にゃん吉とは、僕が命名した猫の名前だ。
そんなにゃん吉は、お腹が空いたと訴えるかのように鳴き声をあげる。
「なんだ、お前お腹が空いたのか?」
僕は先ほどのメロンパンと一緒に買った牛乳パックを開けて猫の近くに置く。
すると、にゃん吉は近づきペロペロと少しずつ飲み始めた。
やはり猫は癒される。微笑みながら眺める。
「あー!こんなところにいた!」
普段こんな場所に現れない声に驚き僕とにゃん吉はその方向を見る。すると、そこにはもう一人の幼なじみである榊原 有栖の姿があった。
ありがとうございました。




