探索と発見
ザクスは植物の小枝や蔦、弦、草とナイフを使用し巧みに簡易の罠を作成した。ただ、初歩の初歩の罠ではそれほど多くの動物を捕まえられるわけではなかった。それでも、少しの肉と探索初日と同じくらいの食料を確保することができた。そして、それと同時に簡単な作業、すり潰すだけで使用できたり、潰したものを混ぜるだけで作成できたりする毒草や、薬草を採取し、少しずつ手持ちを増やす。ザクスは罠に毒を使うようになって、より効率よく魔物を罠にかけることができるようになり、牙や爪、角などを手に入れることができるようになった。それらを材料にして、自分用のナイフをその素材で作成する。自分用の物を作ったことにより、借りていたナイフは返す。
そういった探索行動ができるようになると探索している自然が普通のあたりまえの環境に感じた。
非常に大きな自然存在していてここが檻だと言われなければ檻とは考えられない。そして、檻じゃないと今言われても納得できる。ザクスが探索していた場所はそんな林だった。
ザクスは数日かけて近くの地域を調べた。幼い時から培い教わってきた知識と技術が十分生かされる。ザクスは一人で行動することができ、これまで溜まってきたものが洗い流されるのを感じた。
ザクスは痛みを忘れだんだん楽しくなってくる。探索範囲を広げる事だけ伝えると、ザクスは穴に帰らない日が出てくると、ザクスが殆ど穴に帰らなくなるようになるのはそれほど時を要さなかった。そうなると、穴に帰るとその度毎に「生きていたのか?」とか「食料ありがとう」とか「死んだと思っていた」とか言われる。
そうなってきてもまだ、端にたどり着くことができていなかった。ザクスはこの時にはもう、檻であるとは思っていなかった。
時々聞こえる声はザクスに一方的に話しかけてくるようになった。やはりザクスのことを見ているようだった。
「お前は何だ?」
「我下僕たちの土産物のはずだった」
「我部下を狩ったり我餌の採取の邪魔をしたりするから半分仕返し、もう半分は特殊な状態にあったり感情を抱えたりしていそうな餌の一種として採取したのだがな」
「それにしても面白い素材だな」
「お前は何者だ。理解できないお前の分析は楽しいな」
「魔物か小動物と直接やりあってみないか?戦闘力の分析もしてみたい」
「お前の身体能力を調べたい、跳んだり走ったりしてみないか?」
ザクスは返事をすることもなく、自分のしたいように行動する。声の主に従うでもなく、逆らうでもなく。しかし、ザクスの行動は声の主の意思によって狭められ、誘導されているかのように感じた。
ザクスは少しの閉塞感を感じながらも軍での窮屈さに比べればかなり緩いと割り切り行動する。そういった行動の先にあった穴蔵の中で新たな人々と遭遇した。出会った人々は警戒しているようだった。
「向こうの穴で言っていたようにここにはいくつかに分かれて生き延びているようだな」
「……あの、どちら様ですか?」
「ザクスと言います。東の方向より来ました」
ザクスは来た方向を指し示す。そして、ザクスは向こうの穴で受け入れられた事から手持ちの食料を差し出し友好を示す。すると、奥にいた女性が食料を受け取り尋ねる。
「……あの、こちらへは何の御用時で?」
ザクスは答える。
「探索です。周りについて知りたいのですが?」
ザクスは個々の状況を確認し向こうの穴の人数とこちらの許容量等を比べ、合流することについての相談もする。食料についての問題が大きくそれを何とかしなければどちらの穴も絶望的だということが分かった。こちらはまだ、確保するための外に出る勇気のある者がいるおかげで食いつないでいるが、それでもけがをしたり、死んだりしている。そのため、よく飢えるようになるようだ。その度に誰かが決意し、外に出る。それを繰り返し、生き延びてきているとのことだった。その間に外に出る人が人を拾う。それによって全滅はしていないようだ。ただ、自分から入ってくる人はほぼ存在せず、他の穴の情報を持ってきたことによってこの穴の人々は混乱しているようだった。
先週のようなハイペースで更新はできないと思います。ご容赦ください。




