魔王の討伐協力依頼
いろいろな資料や本が納められた書棚が壁一面に並ぶ部屋に配置されたソファと
「協力要請があったそうだな」
「ええ、そうです」
ザクスは救労院の東大陸の統括院長の要請により東大陸の救労院大施設を訪れ、呼び出された理由を聞いていたのでその報告を確認するべく問いかける。
「協力人数や力量はどの程度を言ってきている?」
「魔王討伐に参加する意思があり、その為にはどのような特訓に参加しても良いと意思を示すことができる者という事でした」
「そうか、彼らが鍛えると言ったのか……はあ、思い出したくないな」
ザクスは幼いころに経験したあの一方的な押し付けの訓練を思い出しそうになり、頭を振って悪い記憶を頭から追いやる。
「っと、根性があるやつ主体で選出しないといけないな。西大陸にも応援要請にこたえる人員要望を出しておく。で、人数は?」
「多ければ多いほどいいが、使えない者と、意志の弱い者は篩い落とすそうです」
依頼書を読みながら東大陸の統括院長はザクスの問いかけに答える。
「具体性がないな……うーむ、多すぎると特訓を受ける者にむらができて成長できないか……そうなるとうまく魔王討伐に選出されても死人となるだけだな……こちらである程度絞るしかないか」
「そうですね。ザクス様が絞って下されれば生存確率が上がるでしょう。あのマガミ殿のことを古くからご存じのようですから」
ザクスの言葉に院長も同意し、救労院からの人員選出方法についてはザクスが追加で条件を加えることに決定し、ザクスは院長から依頼書を受け取り席を立つ。
すると統括院長はザクスに頭を下げるのでザクスは話し合いの場から立ち去るのだった。
「聞きました?」
「何の話です?」
「私知らない何の話?」
西大陸の勇者パーティが広い平原をクエストのための移動をしているときにマリがパーティメンバーに話を振る。
しかし、主語も内容もない動詞のみの問いかけにメンバー全員何のことかわからず、聞く体勢を作るとともにマリとアイが聞き返すことになった。
問いかけられたマリは優越感に浸り、少しもったいぶってから答える。
「魔王討伐参加募集が救労院で出ているそうですよ」
「えっ!?」
マリの話に対してアイは驚きをもって答えを返すとパーティのほかのメンバーがその驚きに反応し驚きが感染する。
「どこの魔王の討伐!?」
「ちょっと落ち着いてください、アイ!答えます。答えますから」
驚きの反応の後、勇者アイはマリに詰め寄る。
その詰め寄り方が異常だったのでマリはアイの興奮状態を落ち着かせるためジェスチャーと共に言葉でアイの詰め寄りを押さえつける。
「で、どこの魔王の討伐をしようとしているの?」
「別大陸に強力な魔王が2人いるらしく、強いほうの魔王を討伐するための人員募集しているようですよ」
少し落ち着いたアイに対してマリは聞き出した情報を答える。
「こっちの大陸から魔王の話は聞かなくなったから私はどうするかなってずっと考えていたんだけどその魔王がいる大陸に行くのを考えないといけないね。うん、そうだ、魔王討伐は勇者の使命!」
「なんか、アイにスイッチが入ってどっか行ってる感じなんだけど……」
「問題ないんじゃない? 数日は引き受けているクエストをこなさないといけないし、それが終わってからなら新たな冒険として気持ちも切り替えられるだろうし、パーティのリーダーのアイに任せたらいいんじゃない? これまでもアイの決定はなんか加護があるかのように私たちの成長を促してくれるし、クエスト達成率も高いから何とかなるって」
アンがアイの様子に警戒していることを共有しようと話をふると、フィーが楽観的に大丈夫と答える。
フィーのように楽観的にはなれなくてもアイの決定には皆信頼を寄せており、とんでもない間違った決定はしないと理解している。
別の大陸に行く可能性は高いのかと考えたパーティはクエスト終了後から渡航の方法や必要金額、ルートの調査を開始し、アイの決定がいつされてもいいように備え始めるのだったが、アイは直ぐに大陸を渡るとは言いださないのだった。
いつも来訪感謝です。
読んでくださりとてもうれしいです。
誤字指摘を受けて見直しました。
……西大陸、東大陸が謝ってました。
西大陸にザクスの村があり、救労院が発足し、大陸中に浸透し、力を持っている。
東大陸にアルムレイエット王国があり、魔王国、魔族国があり、救労院は広がりを見せつつあり、それほど力はないが発展途中。
前の話は上記を踏まえて指摘もあって見直したらいくつか書き間違えて投稿日の夜に訂正しておきました。
指摘ありがとうございます。
誤字指摘もポチポチと適応させていただいております。感謝です。




