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プロローグ

このプロローグは2章の話の一場面となっています。

興味を持っていただけたらなと思います。

あれ?なんで僕は今、部隊指揮して自陣野営地を目指して少数で戦ってるんだ?おかしいだろ?国民の軍役義務で徴兵されてから、まだ、半年もたってないというのに…


我に返って考えながら、飛んでくる矢を盾で受けて先頭を進む。すると、少し後ろにいる仲間の声が聞こえる。


「兵長!われわれはどうすればいいのでしょうか?」

「今は指揮権をザクスに委任している。俺に尋ねるな。奴に聞け。ひとまずは撤退だ」


後ろで質問に答えた兵長は右手と右足、左脇腹に大きな傷を受け、部下に助けられつつ後ろをついてくる。


僕はザクス。周りからは使えないとか、ザコとか、ダメ男とか言われ、徴兵された部隊仲間にも同じように呼ばれていたはずだ。


その僕が…


音が聞こえる。風を切る音だ。しかも、かなりの数がまとまって飛んでくる。僕は声を上げた。


「前方上方より攻撃が来ます!各自、自分を守ってください!ゆっくりでいいから足を止めずに前進してください!前方の攻撃のあとに、右後方からも同じ攻撃が来ます!」


矢とか魔法とかが飛んでくる。各自が盾で防いだり武器を使って切り払ったりしている。何人かは被弾したみたいだが死ななかったようだ。現状は完全に負け戦。しかも囲まれている。今は敵はこちらに近づかず、遠距離攻撃で僕らの部隊を殲滅するつもりらしい。


敵の今の対応のおかげで僕は無理を少しすることで自軍野営地に戻れると考え、行動していた。


野営地に戻るのにまっすぐ進めば早いがこちらの部隊の10倍くらいの人数の1,000人前後の部隊が立ちふさがっていることが確認されている。そのまま突っ込めば全滅する。それは簡単に想像できる。ただ、右のほうには森があり、その中を進めばその敵部隊との正面衝突は避けられる。


しかし森は少し強い魔物が駆け回っており、軍隊で行軍しようものならその魔物達に襲われ、少なからず被害を受けると知っている。森は軍の集団行軍や待機には不向きな地形だから、特殊な部隊以外は森には配置されないことは僕にもすぐに想像できる。


森に棲む魔物はまともに戦うなら、一匹に対して5~8人で戦わないと狩る事ができない強さのやつだと街道の行軍中に森を見て感じた。しかも、結構おなかをすかせているようで、こちらをじっと見ていた様子が僕の頭に残っている。


しかし、この味方部隊の百人を越える人数を本陣へ連れ戻るにはそこを通らないと帰れる希望はない。僕一人なら走って、走って、走って、逃げれば森も苦も無く通り抜けられるのにと思いながら、後ろを振り返ると皆疲労困憊で絶望的な目をして負けて逃げかえっているという嫌な雰囲気を部隊全体が発しているのを感じる。僕は少し深呼吸をして味方部隊に大きな声で号令を出す。


「しばらく前進した後、右に転進し、森に入ります。森には強い魔物がたくさんいるので警戒を!死にたくなければ、僕の言うとおりにしてください!」


そして、僕は荷物の中から袋を取り出した。次に袋に水を流し込み中のものを袋ごと揉み、混ぜ合わせる。


「これから森に入ります!休憩するまでは木々に触れないようにしてください。少し臭うと思いますが我慢してください!」


味方部隊にこれまでとは違った緊張感が生まれる。それは撤退する時の緊張や人と戦う戦争での緊張感とは違う、魔物と戦うという少し勝手の異なる相手が敵になるという緊張感だった。


僕は手に持っていた袋の口を少し下にし、中の液体を袋の口を筆代わりに木々に塗りながら進む。


すぐ後ろに居た者が臭いのためか、顔をしかめながらこちらに尋ねてくる。


「何をしているんだ?お前は我々に木々に触るなと言っておきながら、お前は木に何を塗っている」


僕は答えない理由はないので素直に答えた。


「今塗っているのは魔物が嫌う臭いと毒です。これがあれば多少の種類の魔物はこちらを警戒しますが、簡単には攻撃してきません。ただ、すごく臭うので人につけると大変なことになるんですよ。毒も混ざってますし、臭いが強いので森を抜けても遠巻きに魔物を誘き寄せます。臭いのせいで攻撃してこないのについてきてしまうので、木に塗ってます」


後ろからついてきて話を聞いた者たちは鼻を塞ぎながら、そうなのかと頷いてくれる。このまま、魔物たちが襲ってこなければ…、それに敵兵が森に入ってこなければいいなと思いながら、森深くに向けて部隊を連れて進んだ。


-----------------------------------------------------------------


夜になった。今は野営地にいる。


僕たちが野営地に帰ったとき、兵長が撤退を決めた時に数えた人数より多い集団となっていた。森に入る前と森から抜けてからの移動中に合流していたらしい。しかも、僕に指揮権が移ってから、離脱者は0だった。ただ、皆、多少のけがを負っていた。そして、重症だった兵長は死なずに無事に野営地に帰ることができた。なお、森では魔物には襲われることはなく、無事森を抜けられた。


僕の周りは野営地に到着した時に集団は喜びの声を挙げていたが、野営地にいた救護班の者達がすぐに駆け寄ってきた。救護班の者達は帰った部隊の傷の多さを見て大慌てで、救護テントへ重傷なものから連れていき、皆の治療を始めてくれた。


回復魔法や治療薬がたくさん使われていた。包帯などでぐるぐる巻きになっている者もいた。


僕、ザクスはその日が落ちる前に見た光景を思い出した後、自分の手を見る。


帰ったときは僕の手も切り傷や矢が盾越しに刺さった時にできた傷などで、ボロボロにはなっていたが、今は薬が塗られ、包帯がまかれて、痛々しいが、無事だと確認できる。


ただ、両手が震えている。戦場にいたという事だけではなく、自分の責任で部隊を連れて帰ってきたという何とも言えない思いからの震えが両手に現れていた。


僕は腕から力を抜き、夜空を見上げ思う。


無事に帰れた。僕は…今生きている。ザコで一兵卒の僕が、部隊指揮なんて…

ホント、するもんじゃないな。


後、1年半、残り1年半頑張れば軍役義務も終了し、生まれ故郷の村に帰れる。


村に帰れば平穏な日々が待ってる。のどかに穏やかなスローライフが待っている。ザコの僕でも無理のない人生を送れる。なんとかして、生きて帰らなければ。


まずは導入として、文章を作ってみました。

初めて書くので、読みにくいかもしれないし、

どれくらいのペースで書けるかわかりませんが、

のんびり書きますので、よろしくお願いします。

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