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永久の輪廻  作者: 大野 幸村
第一章
4/7

始まりの朝に

秋から冬に季節が変わり始め朝が一段と寒くなってきた。

輪廻は一度目が覚めたが、朝の空気の冷たさにもう一度毛布をかぶり直した。


「そうだ。今日はオルガさんに魔法を教えてもらう日だった。」


そう言って勢いよくベッドから起き上がった。

着替えを済ませて、一階に降りていくとマリーが朝食の準備をしていた。


「おはようございます。」


「あら、輪廻。おはよう。今日は何時もより早いのね。」


「はい。今日はオルガさんに魔法を教えてもらうんですよ。何時もより早く起きるように言われてたので。」


「へー、そうなの。オルガさんが魔法をねぇ。私でも明かりの魔法と火の魔法位は教えられるけどね。やっぱり昔冒険者だったオルガさんに教えてもらうのが良いわね。」


「オルガさんが厳しかったらマリーさん教えて下さいね。」


輪廻が笑いながら冗談半分でそう言うと、


「オルガさんがあなたに厳しく出来るわけないじゃないの。いつだってこの修道院の中で一番あなたに甘いんだから。」


と呆れたように肩をすくめながら答えた。


「もうすぐ食事が出来上がるから、オルガさんを呼んで来て。」


「はーい。」


そう言って輪廻は修道院の扉をあけ、裏の畑に向かった。

カボチャを収穫しているオルガの姿を見つけ声をかける。


「おはようございます。オルガさん。マリーさんが朝御飯出来上がったから食堂に来てくれって。」


「おはよう、輪廻。わざわざありがとうよ。では朝御飯を食べたら、訓練といこうかな。」


「はいっ。お願いします。」


そう言って二人は修道院の中へ戻っていった。


「他の子達が起きる前に終わらして下さいね。」


朝食を食べながらマリーがそう声をかけた。


「みんな魔法を教えてくれって言ってきても知りませんからね。」


「大丈夫だよ、マリー。輪廻は頭も物覚えも人一倍良いからね。すぐに覚えてしまうよ。」


「そうね。でも気を付けてくださいね。怪我の無いように。」


「分かってますよ、マリーさん。気を付けます。」


食事を食べ終え、食器を洗っていた輪廻も会話に参加した。


「僕も実技以外の知識は本を読んで勉強してますからね。」


「そうか。ならお復習がてら座学といこうかのぉ。

まず、魔法の属性はいくつかのぉ?」


「火、水、風、土の通常魔法四属性と、光、闇、時の次元魔法三属性と無属性の全部で八属性です。」


「そうじゃな。では、世界で一番使われとる魔法はなにかな?」


「火属性です。やはり一番必要になる場面が多いからだと思いますが。」


「その通り。誰しもが使っておる明かりの魔法も火属性じゃしな。まあ本来なら元素魔法四属性は、魔法が使える者ならすべて使える。しかし誰しも得手不得手があるからのぅ。自分の特性に合った属性を伸ばしていくのが一番いいじゃろうな。」


「自分自身の特性ってどうすれば判るんですか? 本には色々書いてあったんですがはっきりと分からなくて。」


「そうじゃな。では一番手っ取り早い方法を試そうかのぅ。庭へ行こうか。」


「はい。」


輪廻とオルガは連れだって庭へと移動する。庭の中央へと移動し、オルガは話を再開した。


「わしがこれから魔法で火を起こすから、その火に手をかざすのじゃ。そして火を消すように念じてみなさい。」


そう言って、指先を地面に向け気合いを込めた。すると、指先が一瞬光を放ち地面との間にたき火位の炎が現れた。


「わしの属性は火じゃ。だからこうして手をかざし念じても赤のままじゃ。

さあ、手をかざし念じてみなさい。」


輪廻は炎に手をかざしゆっくりと念じてみた。すると炎が赤から青-緑-黄-白-黒-無色へと変化した。そして最後に閃光に変わり炎は消えた。

よくわからずオルガを見ると、驚愕した顔をしたまま固まっていた。


「オルガさん。どうゆうことなんでしょうか?僕の特性は何になるんですか?」


「・・・・・」


「オルガさん?」


「おーおー すまないのぅ。うーむ、輪廻の特性は 正直わからんのぅ。まだ特性が出てないようにも見えるし全ての属性が得意のようにも見える。しかし、全ての属性が得意な者等聞いたことが無いのぅ。」


「では、特性が決まって無いのでしょうね。でしたら僕は、風の属性を育てていきたいと思います。」


「ほぅ、風とは。どうしてかな?」


「オルガさんも知っているように、僕は冒険者になりたいんです。だから攻撃、防御、サポートのバランスが一番良いと言う評価がされていたので。」


「そうじゃな。今の状況なら自分の意思を尊重するのが一番じゃろうな。」


「なら風の属性にします。」


「うむ。では実践といこうか。まず風を起こしてみようかのぅ。」


そうしてオルガは、手をかざした。そしてまた先程のように気合いを込めると次は、庭に生えている木に突風が叩きつけられ、葉が舞い枝が折れた。


「すごい。どうすれば使えるんですか?」


「まず慣れるまでは、手や指を魔法をかけたい物や場所に向けるとやり易い。」


教えられるままに輪廻は手を先ほどオルガが枝を折った木に向けた。


「そして、イメージするのじゃ。自分の手から風が出て木に向かっていく様子を。そうしながら、魔力を練るのじゃ。魔力を練るのは、体の中心に力を込める感じじゃ。」


風をイメージし体に力を込める。すると、立ちくらみの時みたいな力が抜けるような感覚を覚え、膝をついた。しかしその瞬間目の前にあった木が地面から引っこ抜かれ、宙に舞った瞬間消し飛んだ。 木が生えていた場所には、大きな穴と木から飛ばされた葉が舞っているだけになっていた。


「とんでもない威力じゃな。初めて使うとはとても思えない。多分今の魔力量では、1日に何度も使え無いじゃろうが、経験を積めば素晴らしい魔法使いになれるじゃろう。わしは剣士じゃったから、輪廻にも剣を覚えて欲しかったんじゃがのぅ。」


「僕は、オルガさんの剣の技術も覚えたいです。」


輪廻は立ち上がりながらそう答えた。


「それはそれは嬉しいのぅ。では、明日からは魔法と剣両方の修行をしていこうかのぅ。」


こうして輪廻は16才になるまで楽しくも厳しい修行の日々を過ごしていくのだった。

それは、輪廻にとって心を許せる人達との暖かな日々であった。


だが、輪廻の旅立ちの日はやって来てしまうのであった。

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