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正体バレたら人生終了!? 陰キャのゲームオタクが「バ美肉VTuber」になってダンジョン配信を始めたら世界中のアイドルになった件  作者: はむかつ


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15/15

第15話 最大手Vtuber会社からの誘い

 『る、る、る……ルミナ先輩っ! な、なにしてるんですか、こんなところでっ!』

 『えへへ、きちゃった☆』


 ルミナはユリの横までくると、カメラに向かってペコっとお辞儀した。


 『ユリちゃんねるをご覧の皆さま、こんばんわっ! 天乃瀬ルミナと申しますっ☆』


  □:え?え?え? あのルミナ?

  □:マジ? 最注目株Vtuberじゃんww

  □:やべえ! 友達に連絡しよ


 コメント欄がにわかに騒ぎ出した。

 それに伴い、視聴者数が飛躍的に膨れ上がっていく。


 『きちゃった、じゃないですよぉ……心臓が止まるかと思った……』

 『ごめんね、どうしても応援にきたくて、社長にお願いしたの』


  □:え、社長?

  □:ってことは……もしかして?


 『うわっ、みんな鋭い! そうです、ユリちゃんはルミナと一緒の事務所に入ったんです。ね、一緒に頑張ろうねっ!』


  □:うおおお!これは大ニュースだ!

  □:ルミナちゃんに後輩ががが!!

  □:これは二人そろって推すしかない!


 時計を見ると19時55分を指している。


 『わ、あと5分しかないよっ、ユリちゃん、何かやり残したことはない?』

 『え、あ、ほんとだ……えーと、えーと、やり残したこと……ダメだぁ、頭が真っ白だよ~』


  □:ゆりりんテンパってて草

  □:もうこれ生配信ジャックだろw


 『それじゃ、わたしから一言、いいかなぁ。ユリちゃんってすごく頑張り屋さんなんだ。今日の配信だって、寝る間も惜しんで準備してたもんね』

 『あ、あうぅ……それは言わないで、せんぱい……』

 『だから今日だけじゃなくて、今度、わたしのダンジョン攻略にも一緒に行ってほしいなぁ、なんて』

 『!!!』


  □:キタァァァ!

  □:ルミナ×ゆりりんでダンジョン配信!!

  □:えぐいコラボ来た!


 『これからもわたしたち二人とも頑張っていきますので、みんな、チャンネル登録よろしくね~っ!』

 『あ、あ、今日来てくれたみんな、ほんとにありがとう……! これからも頑張るから、見守っててくださいっ!』



 *。゜:*+.:.。.☆.──配信終了──.☆.。.:.+*:。゜*



 生配信が終了し、エンドロールが流れ始める。

 俺はカメラが切れていることを確認すると、マーカーを外してから配信部屋を出た。

 そして隣の配信部屋で呆けているユリをガラス越しに見て、軽くノックする。


「あ、先輩……ルミナで出るなら先に言っといてよ~、もう何にも考えられなくなっちゃったじゃん……」

「はは、ごめんごめん、社長とより効果的に見せようって話してたんだ。それより凄いじゃん、同接人数見た?」


 俺はそう言ってYtubeの画面を指さす。

 同時接続人数は1.3万人と表示されていた。

 

「え゛……1万人以上に見られてたの?」

「ああ、同接1万という数字は、一部の人気Vtuberしか達成できない世界だからな。社長の作戦は成功ってことだ」

「でも……それってルミナ先輩の力じゃない」


 ヘロヘロになったユリが上目遣いでこちらを見る。

 だからその目線は心に来るからやめろって。


「じゃあチャンネル登録者の数を見てみな。目標の500人に達したかどうか」

「えーと……」


 モニターを見たユリの目が見開かれた。


「わずか1時間のあいだで登録者数8600人だってよ。言っておくが、これはルミナの力じゃないぞ? 同接はそうかもしれんが、チャンネル登録者はお前を推したいと思った人数なんだからな」

「え、すごっ……こんなに私を応援してくれる人がいるの……?」


 俺は黙ってうなずいた。


「何はともあれ、ユリちゃんは新生Vtuberとして最高のスタートを切ったんだ。この人気を増やしていけるかどうかは、自分次第だからな、頑張れよ」

「うんっ! ありがとっ!」


 ――ドンッ


「うっ!」


 ユリは立ち上がると俺の胸に飛び込んできた。

 こういうところはまだまだ幼さを感じる……が、16歳の女の子に抱きつかれて冷静でいられる成人男子はいない。

 俺は胸の高鳴りが聞かれないよう祈るしかなかった。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



「悠真くん、ユリちゃん、ちょっといい?」

「あ、はい」


 撮影スタジオでユリにダッシュブーツの使い方をレクチャーしていた俺は、社長に呼ばれて二人で社長室へ移動した。

 途中、社内の様子が目に入ったが、俺が入社したころと比べると皆圧倒的に忙しなく見える。


「結論から言うわね、ルミナと緋乃原あかりのコラボ生配信が決まったわ」

「え、ほんとですか?」

「ええ、先方は大変興奮していたわよ。電話口でのあかりんの悲鳴を聞かせてあげたかったわ」


 そう言ってかおる子は左耳に手を当てて眉をひそめた。

 その言葉だけで愉快な光景が想像でき、俺は思わず苦笑した。


「毎年この時期にやってる『ほろきゅーぶ』のサマーイベントに招待したいって」

「えっ! すごいすごいっ! ファンも熱狂する一大イベントですよっ!、先輩っ!」


 『ほろきゅーぶ・サマーフェス』はVtuber界でも最大規模のイベントだ。

 総勢30名以上の所属Vtuberが、仮想空間で運動会やクイズ大会等、芸能人顔負けの活躍をする。


「確かお昼から夜中まで12時間ぶっ通しでやってるやつだよな」

「そうそう、わたしも毎年観てるんです~、いいなぁ先輩、『ほろきゅーぶ』の皆さんとお知り合いになれるかも……」


 その言葉を聞いてかおる子はニヤリと笑みを浮かべた。


「ユリちゃんも一緒にどうって言われてるけど、どうする?」

「はぁぁぁぁ!!!???」


 ユリは目を見開いてかおる子を見た。

 口があんぐりと開いているが、少し前傾姿勢だ。


「先方からのラブコールだからね、そりゃこっちもユリちゃんを売り込んだわよ。ルミナのバーターだからいい気はしないと思うけど――」

「出ます! 出させてくださいっ!」


 ユリの目がキラキラと輝いている。

 その顔を見てかおる子はほっと一息をついた。


「よかった、ユリちゃんには当日ルミナについてお願いしたいことがあったのよ。それじゃユリちゃんも快諾ということで、先方に連絡しておくわね」

「はぁぁぁ~~~っ! 憧れのVtuberに会えるかも……どうしよう、どうしよう、先輩、わたし、大丈夫かな……?」


 嬉しさと不安であたふたと落ち着きのないユリ。

 俺はユリの頭にポンと手を乗せて言った。


「まぁ俺たちはゲストだからな、気楽に行こう、気楽に」

「そ、そんなこと言われても……」

「ユリちゃんの対応力なら大丈夫だ。むしろルミナのほうが心配だよ俺は……」


 突然降って湧いた大手事務所のイベント参加の知らせ。

 そして、俺の心配を払しょくする間もなく、イベント開催日はあっという間にやってきた。

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