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問題児雪だるまレイ  作者: 雪だるま


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10/16

のだぁ……あ、ハニー?またお肉ですのだぁ?



雪の宮殿に春など来ない。

だが、今日の空気には、どこか**“ほの暖かい気配”**があった。


いや、それは気のせいではない。

城の上空に舞う雪の精霊たちがざわついている。

囚人たちも牢の隅から耳をそばだてている。


そう――


白い狼の背に、あの問題児雪だるまが乗っていたからである。



白銀の恋人、現る


「のだぁ♡ふふふふふ♡

み、見ているのだぁああ!?

吾輩、今日は徒歩ではないのだぁ♡

足が短くても、馬力でカバーなのだぁ♡」


城の回廊を一周、また一周。


雪の女王の宮殿の塔のまわりを、白く美しい雌の狼が悠々と走る。

その背にちょこんと座る雪だるま――問題児レイ。


風を切り、尻尾を揺らし、得意満面で手を振る。


「のだぁあああ♡

下界の者どもぉおお♡

見よぉおおお!吾輩のハニーなのだぁ♡」


囚人A「……誰が“ハニー”だよ」

囚人B「狼、顔めちゃくちゃ無表情だぞ」



騎乗雪だるまの恋人気分


レイは片手で狼の首元にしがみつき、もう片方の手で小さなカバンをごそごそと探る。


「……のだっ、ハニー、またお肉なのだぁ?

まったく甘えん坊なのだぁ……えっへん♡」


(※狼はただの運動習慣)


「待っててなのだぁ♡今すぐ出すのだぁ♡」


カバンから出てきたのは、冷凍の鶏むね肉。

(※雪の女王の台所から盗ってきた)


「はいっ♡ラブラブごはんなのだぁ♡食べてよいのだぁ♡」


狼、ゆっくり首を傾げたのち――ぱくり。


レイ、溶けそうな笑み。


「ふふふ……これぞ愛なのだぁ……♡

吾輩の手料理(盗品)に舌鼓を打つ姿、たまらんのだぁ♡」



宮殿内の反応


雪の女王は、執務机で小さくため息をついていた。


「……今日も、見せつけてるわね……」


スノレイナは、窓の外を見ながら小さく首をかしげた。


「……あの狼さん、たぶん……走るのが楽しいだけ、だと思う、の」


「ええ。たぶんそうね。

けれど……あの子が幸せそうだから、もう何も言う気が起きないわ」


「……でも、お兄ちゃん……最後には振り落とされると思う、の」


「私も、そう思うわ」



転倒の予感


「ふふんっ♡

どうなのだぁ!これが吾輩の青春なのだぁ!

狼との騎乗恋愛プレイ(※表現がおかしい)なのだぁ♡

雪の王子と雪の猛獣姫のラブストーリーなのだぁ!!」


その瞬間。


狼、急停止。


「の、のだっ!?」


白い球体――

ぶっ飛ぶ。


「のだぁあああああああああ!?!?!?

ハニー!吾輩の足では空中姿勢維持ができないのだぁああああ!!!」


ズザザザァアア――ッ!


レイ、雪の中に突っ込んで消えた。



埋まる王子


「………………の、のだ……?」


雪の中から、鼻だけが出ている。


スノレイナ(窓越しに観察中)「……うん、落ちた、の」


雪の女王「でも生きてるわね。良かった」



それでも


狼は近づき、レイの雪を掘り返した。


「……のだぁああ……痛いのだぁ……

でも、これは……愛の試練なのだぁ……」


狼、静かにレイの頭をくわえ――

また背中に戻した。


「のだっ……♡ハニーぃ……♡♡♡」


そして再び、城のまわりを走り出す。



エピローグ


その日、囚人たちは静かに語った。


「……アイツだけ人生(雪だるま生)楽しんでるな」

「いや、犬に遊ばれてるだけかも」

「でも、幸せそうだよな」


スノレイナは日記に書いた。


「お兄ちゃん、今日も飛んだ。でも、たのしそうだった、の。」


雪の女王は、ひとつだけ命令を出した。


「城の外周、狼用に専用ランニングルートを設けなさい」


レイは、今日も叫んでいた。


「のだぁあああ♡

ハニィィィィィィィ!!!!!

愛してるのだぁあああああああ♡♡♡♡」


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