Q:馬車の旅は何日目ですか? A:二日目だな
後書きネタバレ注意
街を出て、二日目の昼。前に座るアビゲイルさんの腹筋を見る以外、本当にやる事がなく暇を持て余している
時々反応する危機感知も馬車の速度に追いつけず、すぐに感じなくなる。察知する度、毎回マールさんに報告していたのだが、ついさっきもう報告しなくて良いと言われた
更にやる事がなくなってしまった俺は不覚にもアビゲイルさんの目の前で欠伸をしてしまった。退屈だと思わせてしまったかもしれない
いや、彼女自身も言ってたんだけどさ。それでも思わせるのって良くない感じするじゃない?
俺の欠伸をみたアビゲイルさんは、俺から一切目線をそらさず無表情になった
あいたたた。本当すいません欠伸とかしちゃってごめんなさい! だからそんな目で見ないで。ああ、また心の距離が開いていく気がする
どっかの誰かにも『視線が痛いですね。目だけに』とか言われちゃうから
〈それは私の事ですか?〉
他に誰かいるとでも?
さあ、全魔眼。俺とお前は運命共同体。この危機を一緒に乗り越えられる策を考えようじゃないか
俺の中のベストな策は、『欠伸じゃなくてくしゃみが途中で止まりました』がベストだと思うのだがどうだろう?
〈それで良いんじゃないですか?〉
適当な返事しやがって
〈別に大丈夫だと思いますよ。こっちを向いていますが、私たちを見ていません。というかなんか考えてますね。上の空って奴ですか〉
なに? 確かに俺がアビゲイルさんの視線から横に移動すると、目線は追って来ない
あれ、おかしいな。そいえば、欠伸する前から目が合ってた様な気がして来た。アビゲイルさんの目の前で手を振ってみた。反応が無い
「アビ、領主様。どうかしましたか?」
返事がない。あれ? 目を開けたまま寝てる?
〈腹筋ばっかり見過ぎて、気がつかないとか。どれだけ凝視してたんですか。まあ、目を開けたまま寝てたら気がつきませんか〉
「目、閉ざした方がいいかな? コレットさん。こういう場合どうしたらいいですかね」
「目を開けた寝ている状態でしたら、すぐにお目覚めになられますので問題ありません。それよりも主様からもっと離れてくれませんか?」
へいへい。わかりましたよっと
「はあ、それにしても平和ですねえ。まあ、盗賊とかに出て来られても面倒なだけですしね」
「キリル様。何を仰って?」「お前、何言ってんだ?」
あ、流石に不謹慎だったか。魔王の乗る馬車だもんな。襲う訳ないか
「盗賊なんて、人間じゃあるまいし、出てくる訳ないだろ」
「はい?」
マールさん。それはどういう意味だい? 俺は田舎も田舎の山奥育ちなんだ。もっと解りやすく言ってくれないかな
〈信じられませんが言った通りなのでは?〉
「信じられませんが、キリル様は知らない様ですから私から説明しましょう」
「すいません」
「カルタリンゴーン内に盗賊はおろか、犯罪行為はあり得ません」
カルタリンゴーン? なんだそれ
〈国の名前です。魔族の場合、大陸の名前でもありますね
人間の国はアフターフロース。この国は三つに分かれているはずです
獣人の国はフィージェンジェイ。この国には十種の獣人が住んでいます。龍族は住んでなかったと思います
といいます〉
知らなかった。なんかややこしい。人間の国は多いし、獣人も結構多い。龍族住んでないのが意味解らんけど。最強の獣人なんじゃないの?
「それはどうしてでしょう?」
「元々そんな種族ではないんですよ。魔族というのは。非常に温厚な種です。私やマールは大分警戒心ので例とは外れますが」
「コレットさんやマールさんみたいに、例外といえる魔族達が夜盗と化す可能性は? ないとは言い切れないかと」
「本当に可愛くない考え方ですね。それも大丈夫ですよ
セーフフィールド外では魔物に襲われます。そんな中で生活するよりも、大きな街に行き働き口を探した方が安全です」
〈セーフフィールド? 知らないですね〉
全魔眼の知識外か。聞いてみるしかないね
「セーフフィールドですか?」
「ああ、それもですか。『セーフフィールド』は大魔帝王様が持つスキルの一つだと言われています。魔物が寄らず作物がよく育つ土地になるとも、言われてますね
大陸全体に張る事は出来ませんが、六つの大きな街に、千を越える村を守っているのです」
化け物かよ。大魔帝王。そして、随分とざっくばらんな情報
しかし不思議な話だ。俺の住んでた村は、魔物から村を守る仕事があったんだぞ? おかしいじゃないか。フィールド外ってか?
「ん、むぅ。……ボクはどのくらい寝てた?」
「俺はちょっと、解らないです」
〈腹筋見てましたからね〉
だまらっしゃいな
アビゲイルさんがは目を擦りながら、コレットさんの方を見る
「大体三十分程です」
あれれ? ずっと前見てたよね!?
「なんだたったの三十分か。暇だな」
特に何かある訳でもない窓の外を見る。旅って、暇なんだな。なんかしらのゲームでも作ろっかな。トランプとか
〈ぜんせのちしきをつかって、TUEEEEE。ですか。ありきたりですね〉
別にいいんじゃないか? 俺はそんな事をしたい訳じゃない。自分、それに俺の周りの生活が楽になれば、それで良いんだよ
電子レンジが最大の夢といえよう。マイクロ波。俺の知識では遠い夢である
マイクロ波って何? どうやったら出せるの? そもそも、電子レンジ作れるとか思った俺をぶん殴ってやりたい。でも、作りたいんだ!
〈めんどくさい主ですね。努力が無駄な事もあります。一からマイクロ波は、前世の一般人の知識からは無謀です〉
俺の辞書に、『無駄な努力』『妥協』の字はない! この二つを行動に起こしてしまったら、楽から遠ざかるじゃないか!
〈駄目そうで、立派な考え。そんな考え早々しませんよ?〉
シャラ〜ップ。俺は堕落の為に努力するのだ
〈『堕落』はあるんですね〉
「少年。ゲームでもするか」
アビゲイルさんからそんな提案がされた。ゲームあんの?
「因みにどんなゲームですか?」
「おう。ちょっと待って」
馬車の扉をおもむろに開け、二階というなの物置を探る。ガサガサと何かを漁ってきたアビゲイルさんは、正四角形のガラス板を目の前に置いた。そして、次々と机に色んな形の駒を置いていく
これは、チェスか? 生憎、俺はチェスのルールを知らない。将棋と混ざって結局どっちも出来なくなってしまった
まあ、前世のお話ですがね
「少年はこのゲームを知っているか?」
「チェスというのは解るのですが、ルールはちょっと」
「なるほど、では教えよう。まずは駒の並びから始めよう。この小さくてまるっこいのがーー」
二十分程の説明の末、ルールは解った。何とかなりそうかな
「ルールはOKです。じゃあ、一回やってみましょう」
「ああ、言っておくがボクは中々強いぞ」
ふふふ。今の俺の脳スペックなら、三手先を読むなんて余裕だ!
あ、はい。負けました
むりむり、流石に無理。普通に負けました。なんだろうね。クイーンじゃなくて、ナイトでさくっとやられました。クイーンとか一歩も動いとらんもの。……っく。完全敗北だ
「アビ、領主様。もう一回お願いします」
「いいだろう。その前に、一枚脱げ」
「わかりま、ん? 今なんと」
「一枚脱げ。靴でも、上着でも、何でもいいぞ」
冷静になれ俺。ふむふむ、えっと。まず俺はチェスに負けて、そしたらアビゲイルさんが脱げといった。なるほど、全魔眼。これはどういう事だ?
〈脱衣チェスじゃないですかね〉
俺は直ぐさま再選の切符を脱ぎ捨てる
「さあ! もう一戦です! どちらかが一枚もなくなるまで!」
「いい度胸だ。少年! 受けて立とう」
「二人とも熱くなるのは構いませんが、立たないでください。危ないです」
およ? 俺がこんなことを言ったら、直ぐさまコレットさんがナイフを投げつけて来てもいいレベルなはずだ。こんなのスルーするはずがない
何か裏があるのか? 駒を置きつつ警戒は怠らない
「おや、キリル様。どうかしましたか?」
「いえ、何も飛んで来ないな。とおもいまして」
「いえ、特に理由はありません」
この後、見事な敗北を繰り返した俺が全裸になるまで二時間も掛からないのは言うまでもない事だろう
コレットの『レティ』呼び事件はただの記入ミスです
さあ! 今回も始まって参りました。ATOGAKIのお時間です!
今回は〜! 私の投稿時間の話でもしましょう
皆さんご存知の通り。私は学生です。定期試験に追われ、日々勉学に勤しんでいます。最近の趣味は、ファミパン親父とか、三年前に失踪した元嫁に殺されかける事です
なので、各時間が殆ど限られ、二十一時半から二十三時四十五分までの間に投稿できない場合はその日の投稿はありません
街に出てきた辺りは、テストを挟み。何を書くのか忘れてしまった為、『面白くない』を加速させてしまいましたが、まあ、何書くかくらい少しは外部記憶装置を作ります
以上。今日の後書きのコーナーでした




