プロローグ__あっけなく死んだ件について
慣れないので最初は拙いと思いますが、経験を積んでより面白さが伝わるように専念します!
いつもと変わらぬ日常のワンシーン。
学校帰りだった僕は、目の前の女性のどこか挙動不審な態度に違和感を覚えていた。
ここは、東町の中央駅。
黒スーツを着込む人が多い中、白いワンピースを着た黒髪の女性が俯きながら怪しい行動を取っていれば目につくのも仕方ないだろう。
フラフラとおぼつかぬ足取りで白線の方へ向かう彼女が気になり、後を追うように人混みをかきわけた。
ーーーーもしや、自殺でもしようとしているのではないか。
そんな思いがよぎり、思い過ごしだと信じながらも僕は、彼女の後を追ったのだ。
猫背になった背中に、微かに漂うやるせなさ。
なにか、嫌なことでもあったのであろうか。そう思い横に並ぶようにして顔を覗きこむと、当人の彼女は涙を堪えるように下唇を血が出るほどに噛んでいた。
ーー失恋したのだと、すぐに気づいた。
かつての自分と同じ立場に直面していると悟った僕は、彼女に話しかけるべきか暫く躊躇していた。
その時だった。
遠くから近づいてくる聞きなれた電車の音を耳にした瞬間、彼女はキッと前を睨むと、そのまま前に走り始めたのだ。
ゆっくりと過ぎる時の中で、つかもうとした彼女の腕は通り抜け、僕の手は虚空を掴んだ。
まずい!
そのまま彼女が何をするのか大体の察しがついた僕は、目の前の状況に目を剥いた。
凍ったかのようにスローモーションで動く時の中で彼女は、特別便の特急電車の目の前に体を投げうったのだ。
その場の誰もが、瞬時に最悪の事態を想定した。
彼女が高速で通りがかった電車に撥ね飛ばされ、錐揉み状に吹き飛んでいく、そんな光景を。
本来なら、直ぐ様にでも想定通りの事件が発生していたのであろう。
ーーーーーーーーーーしかし。
「うおぉぉぉぉぉぉお!!!」
気づけば、なけなしの勇気を振り絞った俺は、彼女の代わりにその場に飛び込むとどんなことになるかも考えずに、彼女を守るために彼女より早く飛び出し、駅のホームに彼女を吹き飛ばしていた。
キイィィィィィィ!!!
けたたましいブレーキ音を響かせながら衰えることなく迫り来る電車のヘッドライトに目を眩ませながら、僕の記憶は、焼けるような感覚を最後にそこでプツリと闇に沈んだ。
ーーーーー
............
........
.....
ユラユラと揺れる意識の中で、先程身代わりになった男、雪平勝間は目を覚ました。
ぼんやりとしたような、靄のような感覚に包まれた意識をなんとか保ちつつ、襲い来る謎の睡魔に耐える。
寝たいというただそれだけの欲望に刈られながら、僕は必死に頭をフル活用させ始めた。
何故、死んだはずの自分がこんなところに突っ立っているのか。
それに、このどこを見渡しても同じ白だけの空間が続く場所はどこなのか。
降って沸いた疑問を抱えながら考え込んでいると、
「勝間様、こちらを向いてください」
突然、勝間は後ろから声を掛けられた。
驚き、後ろを確認する。するとそこには、銀髪を綺麗に纏めて流したその髪と精緻な顔立ちが特徴的な美少女が佇んでいた。
「君は?」
警戒しながら名を尋ねる勝間を見て、微笑を咲かせると、美少女は落ち着かせるようにゆっくりとした口調で語り始めた。
「驚かせてしまって申し訳ありません。私の名前はシルフィード。この度、人を思いやって最後を遂げた貴方に祝福を授けるために、今回、貴方の精神体だけを呼ばせてもらいました」
いきなり異世界小説のような事を言うシルフィードに、勝間が動揺する。
「え?祝福?大したこともしていない僕に、何故そのようなことを?」
静かに微笑んで、信用されていないことを悟ると、シルフィードは質問の回答も兼ねて話を続ける。
「えぇ、あなた様は一時の気の迷いで極限まで追い詰められた女性の自殺を防ごうと、身命を賭してまで最後まで守り抜こうとしました。これは、誰にでも出来ることではなく、異世界の創造神である私からすると、貴方の判断力、そしてそれに伴う行動力が非常に興味深いと判断したため、ここに呼ばせて頂きました次第でございます」
「..は、はぁ。なんとなくは分かりましたが、それで、死んだ私に対しての用とは一体なんなのですか?」
おとなしく聞いていた勝間が、この話の重要な部分であろう所を理解して聞くと、彼女の雰囲気はうってかわり、途端にシルフィードは待ってました!と言わんばかりに嬉しそうに顔を綻ばせ、身を乗り出して提案した。
「あなた、私の世界で赤ん坊としてゼロからやり直してみませんか!?」
........どうやら俺に、転生ものをやれと言うらしい。
近い内に一話目を投稿します




